365日の顛末

こころとからだの健康、不妊治療、キャリア。試行錯誤の365日の記録。

20代のわたしに伝えたい、不当な要求を笑顔で断る話法。【ゴネ得を回避する】

わたしが嫌いなタイプの代表格に「ゴネる人」というのがある。

まぁ、「ごねる人って素敵よね!」って人はいないだろうけれど。

 

ちょっとしたことにイチャモンをつけて不当に得しようとしたり、もしくは損得感情はさておいてもすんなり「YES」と言わず、こちらの言うことに何らかの指摘をしたがる天邪鬼なタイプとか。

 

こういうタイプの人って、「ちょっとゴネれば、周りが便宜を図ってくれる」という体験を重ねてきたタイプなんだと思う。いわゆる「ゴネ得」ってやつ。

でも、経験知としてそういう学習をしてきてしまった人でも、よほど頓珍漢でなければ相手によって出方を変えるものだ。

ビジネスの場ではなおさらで、ビジネスゴネ得を交渉術だと勘違いしているような輩は、ちゃんと相手を見て主張を変える程度の機転は利く人が多いと思う。

逆にいうと、「強気にでたらコイツは言うことを飲んでくれる」 と一旦学習させてしまうと、それを矯正するのは骨が折れるというわけだ。

対峙する相手と、目線の上下関係を比較するのは本意ではないが、一度「舐められる」と後々までも尾を引くこともあるのだ。

 

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不当な要求を断ることも仕事のうち

わたしはBtoB向けの無形サービス提供をしている会社のサラリーマンである。

デジタルマーケティングに関するコンサルティング業を主軸とした会社で、わたしの肩書きもコンサルタントなのだが、いわゆるPMといわれる立場でも兼任しており、クライアントから依頼を受けた業務に関して、品質やら納期やらの管理をして、かつ営業も兼ねるような役割を担っている。

なので、クライアントから無理難題をいわれることは少なくない。

要するに「安い・美味い・速い飯しか食いたくない!」「納期はそのままに、見積もりの金額変えずに、物量増やして!質も担保して!」みたいな話である。

こいつは計算ができないアホなのかなと思ったりもするが、まぁ向こうも大概は無茶だと知りつつ「強気に出ればなし崩し的に何とかなるんじゃないかしら」といった淡い期待を胸に、すっとぼけた体で無茶を投げてきている。

(先方担当者が現場担当者だったりすると、本当に物事を理解できずに無茶を言っているケースもあるのだが、交渉役に立っている時点でそれ相応の立場の人だったりするので、頓珍漢な人というのは稀なケースだと思う)

 

先にも話した通り、これを放置するとよいことはない。正当な理由がない無茶な要求に答えてしまうなど、言語道断である。

断りづらいからと一旦相手の主張を飲んでしまうと、次第に要求がエスカレートしてくることも少なくない。受け入れるとメンバーに不要な負担を強いることになるし、利益とコストの観点から望ましくないのは言うまでもない。

対応できない要求・対応する必要のない要求には、「断る勇気」をもって臨まないといけないと思う。

とはいえ、相手にしてみればゴネの作法も長年の経験の中で培ってきた彼らなりの処世術の一つなので、根本の考え方を変えることは簡単ではない。しかし、なにも考え方を矯正してやる必要は全くないのだ。ただ、「あ、コイツに反論しても無駄だな」「コイツに噛み付くと逆にめんどくさいな、やめておこう」と学習させればよいだけの話なのである。

 

 

社内外のプロジェクトメンバーが大勢いる打ち合わせの最中に、取引先から名指しで「できる方法を考えるのが、お前の仕事だろう」「できないと回答するのは怠慢だ」「納期を変えずに、対応の範囲を増やせ。見積もりの範囲内で対応しろ」と詰められていると、流石に苛ついてくる。実際、昨年末にそういう体験を久しぶりにして、けっこう消耗した。

「できる限りのことは精一杯対応させていただいているので、ご満足いただけないのであれば、弊社は力不足ですし、御社のご要望にお答えするのは難しいのかもしれないですね。かえってご迷惑をおかけすることになっても申し訳ないですし、御社のニーズに合致した企業にご依頼されたらいかがですか?」

と返したくもなるのだが、そんなことを言っても自分の品位が下がるだけ。
ここはひとつ、大人な態度を保ちつつ美しい作法で切り返してやりたいところである。

 

パターン化・シミュレーションは習慣化に効果的

ということで、苛ついていた期間中に、自分なりにハラワタが煮え返りそうな時でも冷静に対応するための言い回しを考えていた。

整理してみるとごく当たり前の対応ばかりで、何のことはないように見えるのだが、こうやってパターン化することには、大きな意味があると思う。

【パターン化しておく意味】
  • 事前にシミュレーションしておけば、その場で余計な計算をしないですむので、脳のワークメモリを消費しないで済む(短期的には、例えば、その場の議論に集中できる)
  • 脳のワークメモリを無駄に消費しないで済む状態になるので、迷い・ストレスが減り、対応が迅速になる
  • 事前にシミュレーションしておくことで、たじろがずに一定の声のトーンで対応しやすくなり、相手に「こいつ、手強いかも」と思わせることができる
  • 追い詰められて冷静さを失いそうになったときには、そのままあんちょことして使える
  • 何より「対応できない要求には「断る勇気」をもって臨む」という大原則を忘れないでいられる

人間というのは少し追い込まれると、いとも簡単に思考力が低下するものである。

思考力が低下するほど疲れた時は、考える作業を避けたい一心で、ついフラフラと「YES」と言いそうになる瞬間が訪れたりもする。

そんな時に備えて、断り方やいなし方をパターン化しておくのは、とても大切だと思う。 

 

ポーズが習慣化するとスタイルになっていく

そういえば、20代のころ営業職についていた頃も取引先に無理難題を言われる毎日を過ごしていた。

当時わたしが働いた会社の営業職はそこそこストレスが高く、離職率もそれなりに高く、人材の入れ替わりが激しかった。会社側もそれを認識しているのだろう、取引先から訊かれる「答えづらい質問・難易度の高い質問」をリストアップしたあんちょこが存在していた。100項目にまとめられているから、社内の通称は「100本ノック」だった。

このあんちょこ、営業に配属となって配布されるのは答えが空欄のものである。先輩のトークを聞いて盗んだりしつつ、各人の経験の中で書き換えていくのがならわしだった。

最初のうちは”対応に困ることがあったときには100本ノックを開く”という使い方をするわけだが、それを繰り返しているうちに、対応方法やそのロジックが体に染みついていき、最初は頭を捻って回答していたような質問にも、肩の力を抜いて落ち着いて対応できるようになっていた。

 

無茶な申し出を断ることだって、同じなはずだ。最初は抵抗があるかもしれない。

でも、無茶のいなし方をパターン化・シミュレーションとして整理して、意識しなくてもこの考え方に基づいた判断ができる「回路」を作っておくこと、それが身を救う瞬間がこの先何度も訪れるはずだ。

 

そういった意味では、若い営業担当者こそこういう情報が必要なのかもしれない。

わたしはすでにアラフォーだが、20代、30代の頃のわたしが仕事を断るのが下手だったことを思い出しつつ、当時のわたしにどんなアドバイスをするか、という視点も含めて書いてみた。

 

無茶振りパターン別 回答例

その1:「御社は●●だね」

「御社は単価高いんだよね」など、他社と比較して相対的にどうだというようなニュアンスの物言いをすることで「選択肢は他にもあるんだから、希望に応えないと発注しない」ということを暗に仄かしてくるパターンである。

これにはそうですか。弊社は●●なのですかと返す。

オウム返しで煽っているように受け取られかねないので、トーンは注意したいところだけれど、この返しをすると「なぜ●●だと判断したのか」という根拠を相手方が話してくれることも多い。

例えば、以下のような具合に。

わたし「そうですか、弊社はそんなに高いですか」

相手方「そうだよー。B社は単価●●円で出してきてたよ

わたし「なるほど、そうなんですね。」

 

ここで、相手方から特に追加情報がなく無言の場合には、ただ単に吹っかけてきているだけの可能性も高いので、空虚な奴だと哀れんでこちらも無言でスルーしておけばよい。

相手方から聞いた情報に妥当性がありそうであれば、「なるほど、ちょっと上席にも確認とってみますので、もう少し詳細お伺いできますか?」と突っ込んでいき、社内調整の材料を得ることもできる。

とはいえ、今回の趣旨でいえば基本的に断りたいわけで「なるほど。ちょっと持ち帰らせていただいて社内で再度揉みますね。後日回答させていただきます」でよい。

で、「検討したのですが、こういう理由で難しく」と別日に返答する。

間髪入れずに回答せず、少し時間をおいて回答する、というのもポイントである。

こちらは、常日頃からよく似た要求を各方面で突きつけられているので、通せる内容か否かは瞬時に判断がつくわけだが、相手が悪質だと「その場で判断・即答せずに、検討してから回答しろよ」というような主張を展開してくることもある。

そのリスクを避ける意味でも、一呼吸おいて回答するのが無難。

ただし、日数を置いてしまうと先方で余計な期待が膨らむケースもあるので、その塩梅には注意したい。

 

 

もちろん妥当性が感じられない場合には、その場で打ち返してもよい。

ただし、交渉相手の面子を傷つけてしまうかもしれないので、相手方も複数人参加の場合には、「面倒だからこの場でこのやりとりは完了させたい」という場合以外はお勧めしない。

相手方「B社は単価●●円で出してきてたよ」

わたし「なるほど、そうなんですね。
    B社の△な点を懸念されて弊社にご依頼いただいたんですよね。

    弊社は△の点でB社より質が高いサービスを提供していると思うのですが、

    そういった部分が単価の違いに現れているとお考えいただけますか」

 

変形パターンとして「あなたは●●だ」と決めつけるやり口もある。

相手が自分の思い通りにならなかったことへの呪詛を吐いてくるパターンだ。上述の「あなたができないと回答するのは職務上怠慢にあたる」というのも、この形に該当する。 

これはビジネス上の交渉ではなく、捉え様によっては人格否定の域まで踏み込みつつあるセリフで、社内で「パワハラ」と指摘されかねない発言だ。(もし、20代でこういう取引先にあたってしまい、人格や人間性を批判するようなことを頻繁に言われてストレスを感じているようであれば、上司や先輩に早めに相談することをおすすめする。)

そんな言葉を吐いてカタルシスを得ているのだな南無、と両手を合わせつつ、何を言われようと受け入れられないものは受け入れないので、軽く受け流しておけばよい。

わたし「それはいたしかねます」

相手方「そんな調整さえできないのは、あなたに力がないからでしょう」

わたし「そうですね、力不足で情けない限りです」 

負けるが勝ちである。

ここで相手方と議論しているのは、自分の力量についてではなく、「対応する/しない」についてだということを忘れないでほしい。対応しないことを力量と無理やり関連づけて煽ることで、こちらが下手を打つのを誘導しているだけだ。

むしろ、力不足ですいませんという姿勢を見せた途端、虚を突かれたように相手が黙ることも多々ある。

ちなみに、自分の力量が小さいことを認めたところで、それを理由に担当者を変えろと言われることは滅多にないもちろん断言はできないけれど、担当を変えろと言われたら、そのまま上にそれを伝えればいいと思う。物分かりのいいクライアントを担当できた方がこちらも幸せなのだから、上司が真に受けてアサインを調整してくれるならば、それはそれで好都合だと考えればよい。

ちなみに「怠慢」など、こちらが手を抜いているような指摘だった場合には、事実でなければ縦に首を振らないのが無難だ。「YES」と言ったことに対して、なんらかの埋め合わせを要求されないからである。そういった指摘の場合には否定して、正当な反論を展開するのもよいと思う。

(怠慢系の対応策は後述)

 

その2:「上司を出せ」

ビジネスゴネ得だけではなく、飲食店などでもこのパターンで激昂している(ように見える)人を時折、目にする。

良識があり相手への配慮ができる人間であれば「上司を出せ」の前に「●●部長にも掛け合って、ご検討いただくことは難しいでしょうか?」といったアプローチをしてしかるべきだと思う。

このプロセスをすっ飛ばして「上司を出せ」と主張するのは、まさに「そう脅せば言うことを聞く」と思っているパターンの典型。

上記のプロセスを踏んだ上で、上司を出せとはいわずに、上司もCCに入れてメールを送るなり何なりしてくるのがスマートな大人対応と言えよう。「上司を出せ」と要求しないことには、相手方の上司にアプローチできないような関係性の築き方をしている時点で、相手はちょい間抜けなのだ。

とにかく、こういうケースは淡々と適切に対処して、吠え面をかかせたいところである。

相手方「君じゃ話にならない。上司を出せ!」

わたし「(間髪入れずに)それは致しかねます。

    現場責任者はわたしですので、わたしがお伺いいたします

たじろがず、毅然とした態度を示すのがポイント。

本当にろくなもんじゃないと思うが、こういうことを言いたがる人って、相手の「怯え」や「面子」に非常に敏感で、こちらの動揺を察知すると余計に強い揺さぶりをかけてきたりする。本来であれば「淡々としたトーンで飄々と」などというのは小手先のテクニックだが、こういう相手には意外なほど効果を発揮する。

というか、血の匂いに敏感なハイエナのように怯えを嗅ぎ取る輩なので、たじろぐ素振りを見せると割りを食うことが多い。

もちろん、若手の場合、自分の手に追えなさそうな話であれば、上司に同席を頼むのが妥当だと思う。

ちなみに、相手方がそういった主張を展開してきて、こちらに落ち度がない場合などは、個別に双方の上司を同席させる場を設け、「契約時の合意通り、こういう進行をしており(ご納得いただけていないようだが)、今後もこの形で進行しますがいいですよね」と明示的に意思確認する場を設けるとよい。

その会議の間だけ、急に相手方担当者が温和な態度になったりもするので、単純に面白いということに加えて、今後も相手から筋違いの主張が続く場合などに、先方上司から先方担当者へ釘を刺してもらうための布石にもなり得る

相手との関係性にもよるが、こちらの上司だけではなく、先方の上司も同席させることがベターなことは言うまでもない。監視の目が増えれば、相手方が主張を展開する際に考慮すべき視点が増えるということなのだ。

加えて、相手方の上司の出方を探ることで、先方の担当者に問題があるのか、もしくはクライアントの企業体質そのものに問題があるのかの見当もつく。

双方の上司を同席させるのは、相手を牽制する意味でも非常に効果的だ。

 

 

その3:「対応が遅い。何をやっていたんだ!」

もちろん、自社の対応に不手際があれば、その点を詫び、改善すべきなのは言うまでもない。

ただ、この主張がいささか妥当性を欠いている場合には、こちらが何らかのアクションを起こすまでに、どんなプロセスがあり、それにどのくらいの時間がかかるのが妥当なのか、相手方の主張者が正しく理解できていないケースが多い。

例えば、何らかの障害が発生して、それを復旧させる必要がある場合には、事象としてエラー発生が発覚してから、原因切り分け・調査を行い、原因が特定できれば対応方法を複数パターン検討し、リスクや工数などを多角的に検討して、対応方針を決め、実行に移すという流れになる。場合によっては、瑕疵担保に該当するか否かに応じて、どちらの負担で対応を進めるのかといった協議も必要になるだろう。

上記の下線部分については、先方の責任者が詳細を把握していなかったりすることが多いので、「遅い!まだなのか!」という話になりがちなわけである。

相手方「先日連絡した●●の件ですけれど。もう1週間経ちますよね。

    この1週間何やってたんですか」

わたし「われわれもスピード感が求められていることは

    重々承知しております。

    一方でこちらについて判断を下すためには

    △や◆といった事項の確認も必要ですので、

    現在はその詳細確認を進めている段階にあります」

 ーーーーーーー

わたし「並行して△や◆といったご依頼もいただいておりますので、

    担当リソースを調整しつつ、可能なタイミングで

    作業進行している次第です。」

ここで大切なのは、まず「ちんたらやれば良いと思ってるわけではないよ。なる早で対応すべく動いてるよ」 と伝えること。

その上で、何に時間がかかっているのか、先方の期待より遅れているのは何故なのか、説明する。

それでも遅いと非難してくる場合には、現状で依頼いただいているリソースでこれ以上のスピード感を求められても対応できないことをロジカルに説明して、見積もりを提示すればよい。

 

その4:「簡単にできないというな」「それは職務怠慢だ」など

「わたしの上司でもないお前の指示を仰ぐ謂れはないのだが」「お前の要求に応えるメリットが見つからないんだが、わたしを動かしたければ金を払ってもらえます?」と言い返したくもなるが、グッと堪える。

自分の主張通りに相手が動かなかったことに対して、圧力をかければ自分の意のままに動いてくれるだろうという力学での発言なのだろうが、この手を使ってくる相手はそれ相応に追い詰められている。

「やります」「できます」と言わせたい一心で口に出てきた言葉が、「できないと言うな」という小学生みたいなセリフなのである。

そのことを頭の片隅において、声のトーンとしては寄り添いつつ、できないものはできないと改めて伝える必要がある。

わたし「それは、非常に難しいですね」

相手方「この場でできないというな!やれる方法を考えるのがお前の仕事だろう。

    検討もしないのは怠慢だろう」

わたし「お気を悪くされたならば申し訳ありませんが、

    私もこの場で「できます」と即答することはいたしかねます

まずは最初に、どういう形で圧をかけてこようと、この場で「YES」とは言わないかんね!という意思表明をする。 察しのいい相手の場合は、この発言だけでその場での攻撃の手を緩めたりもする。

 

その上で、少々ヒートアップしている相手が冷静になるのを待って議論を続けたいのであれば、

わたし「これは重要な点ですので、持ち帰らせていただいて、

    社内で検討させていただいてもよろしいでしょうか」

 などと一旦躱してもよい。

 

もしくは、検討しろという主張自体に難がある場合などは、それを指摘してもよいと思う。

相手方「この場でできないなどと言うな!

    やれる方法を考えるのがお前の仕事なんだから、

    検討もせずに回答するのは怠慢だろう」

わたし「なるほど。

    通常、実現方法の策定といった工程は変数も多く

    検討自体に工数を必要とするため、

    お見積もりの上で対応させていただいておりまして

    次回お見積もりをご提示させていただきますので、

    その上でどのような形で進めるかご検討いただけますか?」

タダでおかわりできると思うなよ、という返しである。

物わかりのいい相手であれば、「検討しなくてもよい」と言ってくれたりもするので、敢えて少しきつめに釘を刺したい時には有効だ。

ヒートアップ中に鋭い返しをすることで我に返る余地のある相手の場合には有効だが、プライドが高い相手にはかえって火に油を注ぐこともあるので注意。

 

その5:「文書で回答しろ」「謝罪に来い」

相手方の「一度痛い目見させてやるからな」という怨念が滲み出ているパターンである。

もちろん、何らかのトラブルがあったのであれば、経緯報告書くらいは提出してもよいと思う。とはいえ、起こった事象に対して上記のような要求が過度に思える場合には、いちいち誠実に対応しないとならない謂れはない。

 

いずれも

「申し訳ありませんが、それはいたしかねます」

「わたくしの一存では、いたしかねます」

で応対。

 

30分程度の打ち合わせで納得いただけるのであれば訪問してもよいのだが、お仕置き的な意味合いでこの要求をしてくる輩は、早朝や深夜などの良識に欠ける時間帯を指定してくることも多い。

その場合には、業務時間外だと明確に伝えてしまえばよい。会社の規定に守ってもらうのが吉である。

ご指定いただいた時間帯は、あいにく業務時間外ですので

お伺いいたしかねます。 

逆にあなたが20代中盤くらいまでの若手で、上司や職場との環境も良好なのであれば、「業務時間外なので、御社に訪問しても問題ないか上司に確認の上、返答させていただきます」くらい言ってやってもよいかもしれない。

これを口にする若手は、ちょっとお間抜けな場合もあるけれど、優秀で会社にしっかり守られている人間であることも多い。あえてこちらから「上司」の存在をチラつかせることで、先方を牽制できるのは、上述の通りだ。要求の妥当性が薄ければ薄いほど、相手方は肝を冷やすはずである。

 

 

無茶な仕事を受けてしまうことの弊害

冒頭に「不当な要求は断ることも仕事のうち」と書いた。

これは短期的に自分やプロジェクトメンバーを守るという意味合いがあることは言うまでもないが、長期的にみても意味がある。

最近、「無理な要求は受けない」という組織文化を作ることが多重に重要だと感じる。

 

「受けるべきか、受けないべきか」や、利益とコストといったPLの感覚が肌に馴染むまでには、どうしたって時間がかかるものだ。

様々な経験からそういう肌感を蓄積・吸収している若手の時分に、「無茶振りをされても対応する」「むしろ無茶を言われるほど指数関数的にがんばる」ことを美徳として学習してしまうと、本人のその後のキャリアに暗い影を落とすことになる

加えて、それは本人への悪影響に止まらない。

こういう人は多くの場合、周囲にも自分と同様のベクトルの「がんばり」を強要する傾向が強い。

精神論を撒き散らしてチームを疲弊させる。しかも、本人は「わたしは精一杯がんばった」「正しいことをしている」という実感を強く抱いているので、なかなか改善が認められない

こうした若手が中堅になり、やがて業務を指示・管理する立場になることで、「不当な要求に対応するのが当然の組織」が再生産されていく構造を、これまでに幾度も目にしてきた。

 

特に営業的な立ち回りが要求されるポジションだと「顧客の要求に応え、次のオーダーも取らなくては」という心理も働くので、要求の適否の判断はより難しくなり、知らぬ間に当人が追い込まれている、あるいはチームを追い込んでいるという状況に陥りかねない。

そして、そういう状態をなんとなく察知しながらも、問題が表出するまでは静観しているのが組織側の常である。

 

社員に不要なストレスがかかる状態を認識しながら放置することは集団心中的だとわたしは考えるのだけれど、営利組織である以上、マネジメントにそこまでの配慮を求めることは、それこそ「不当な要求」にあたるのかもしれない。

 

疲れ果ててNOという気も起こらない日の自分を守るために、そして、いつか不当な要求に涙を飲みながら応対した若い自分へのねぎらいを込めて、まとめた。

 

 

なんで急にこんな記事を書こうと思ったかって?

それは有給の予定を変更して、クライアントの要求に応えて半日作業をしたからだよ。

それ、Notionでよくない?情報整理の万能ツールNotionにハマった理由。

最近、Notionというツールにハマっている。

しばらく前から、名前はWebで目にしつつも、触ってみるには至らなかったんだけれど、遅ればせながら使い始めたらこれがめちゃくちゃ便利だった。

どう表現すればよいのか難しいけれど、わたしの感覚では

  • EvernoteのWebクリップ機能
  • GitHubのWiki機能
  • Google ドキュメント
  • Google Spreadシート

これがひとつになった、全方向お任せあれみたいなツール。

 

 

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使い始めたきっかけはEvernoteへの不満

わたしはメモ魔なので、かれこれ10年近くEvernoteを使ってきた。

Webで気になった記事のクリップ(仕事・Tech関連・レシピなど)、ちょっとしたPDFの保存、仕事の軽い議事録、個人的な日記、夫と共有する忘れてはいけない情報(郵便受けの鍵の暗証番号とか)はほとんどEvernoteに保存してきた。

あとは、個人的にリストにして管理したいものの多くもEvernoteでリストを作っている。(その年のアクションプラン・目標リスト、気分転換リストとか。詳しくは後述。)

Evernote無料版はノート容量、月間アップロード容量に上限があるので、Webクリップの容量が増えるにしたがって、ここ数年は制限を取っ払うために有料のプレミアムプランも利用していた。

議事メモやタスクリストについては、その時々でGoogel KeepやMicrosoft One Noteに浮気したりしながら、それでもメインはEvernoteを利用していた形だ。

 

 

でもEverNoteには時折ちょっとした不便を感じていた。

 

不便の理由の一つ目は、Markdown記述ができないこと。

現在勤めている会社のデフォルトのコミュニケーションツールはSlackで、他にもコンフルやBacklogとかを併用している。なので、Markdown方式を使う機会がどうしても多い。一度その記述式に慣れてしまうと、それが使えないことに不便を感じてしまう物で、メモを取る際にMarkdownが使えないことがタイムロスに直結するように感じられる。

 

二つ目は、Google ドキュメントからのコピペが効かないこと。

これまた会社のデフォルトが、GoogleドキュメントとMicrosoftオフィス併用なのだけれど、Google ドキュメントから Evernoteにコピペをすると、体裁が崩れてしまうのだ。

わー、体裁整えるためだけに時間使うとかバカバカしい。きれいにコピペできるツール使いたいよ、と思っていた。

 

三つ目は、クリップしたデータ間の関係づけがしにくいこと。

Evernoteもノートブックとして複数のページをひとつにまとめたり、タグで管理したりする他、他のノートへのリンクをつけることはもちろんできる。

でも、各情報を親子構造で紐付けたり、1:Nになるようなデータを紐付けて管理するとなると、ちょっと煩雑になる。もっと簡単に直感的に、RDB的な発想でリレーションをはれるといいのにな、と常々思っていた。

 

四つ目は、データの読み込みに時間がかかること。

PCでも使うし、出先でiPhoneのAppでEvernoteを開いて、ちょっとした情報を確認したいこともままある。読み込みに時間がかかって表示するまでに数秒待たなければならない時もあって、地味にストレスを感じていた。

 

五つ目は、有料であること。

上述の通り、Evernoteを無料で使用することもできるのだけれど、ちょっとした資料などを添付しようとしたり、大量のクリップをしようとすると、容量制限をくらう。

近年は、データのアップロードはGoogle Driveにもできるわけで、有料プランを使う必要性は薄れてきてはいるけれども。

 

ちょうど、EverNoteプレミアムプランの年間更新時期が3月半ばなので、

上記のような観点から、そこで解約してもいいかなー、などと少し前から思っていた。

それで改めてNotionに関する記事を読んでみたら、わたしのニーズにきれいに応えてくれるツールだったのだ。

 

Notionってなに?どんなことができる?

この疑問への回答は、すでにあちこちでWeb界隈の方々が紹介している記事がたくさんあるので、そちらを参照してほしい。

 

ざっくりとできることを理解するには、このページがわかりやすい。

note.com

 

こちらも。アカウント開設の手順と、最初に何をすべきかも少し書いてある。

seleck.cc

 

あらあら、便利なんじゃないのNotion。

しかも、2021年中に日本語にローカライズするという記事も昨年末に出ていた。

人気の情報共有ツール「Notion」が2021年中に“日本語対応“へ──日本第1号社員を直撃 | DIAMOND SIGNAL

 

しかも、EverNoteに蓄積していたデータのインポートもUI上の簡単な操作だけで完結しちゃうという。

これは使わない手はない、善は急げだ。

ということで早速、EverNoteのノートブックをいくつかインポートしてみた。ちゃんと連携されている!(当たり前だけど)

 

早速使ってみた。わたしの使い方。

まずはリストの作成である。(★印はこれから作りたいもの)

  1. ワードローブリスト
  2. 不動産物件内見物件リスト
  3. 2021年のアクションプラン・目標
  4. 気分転換リスト
  5. アナログレコードリスト★

 

ワードローブリスト

ワードローブリストはスワンさんのYoutubeでの解説を参考にした。

こちらの動画の解説欄から、動画内で出てくるワードローブリストのテンプレートがダウンロードすることもできちゃう。スワンさん、太っ腹。

 

スワンさんのテンプレートをベースにしつつ、わたしは各アイテムの「購入金額」を「購入年からの年数」で割り戻し、「1年あたりのそのアイテムのコストがいくらになっているか」も表示する形式にした。

というのも、ちょっといい服を買う時もあれば、例えばユニクロとかで安いけれど1シーズンで気倒すような服も買うこともあるのだけれど、それなりに高額なものについては10年、物によっては20年使っているようなアイテムもあったりして、実際どちらのチョイスの方が高くついているのか、データにして確認してみたいな、と思ったため。

最近、ファッションに対しての情熱が薄くて、「この金額ならば、買って失敗してもいいか」というような安易な妥協から、安価なものを吟味せずに買って後悔するきらいが強いので、それに対する警鐘としてそんな項目を作ってみた。

 

2021年のアクションプラン・目標

毎年、年初に立てているその年の行動指針とかマインドセットのようなもの。

今年もEvernoteに箇条書きでリストアップしていたけれど、Notionに移行するにあたって、さらにチャンクダウンして、細かいアクションに落とし込んで整理し直してみた。

 

不動産物件内見物件リスト

上記の今年のアクションプランには「中古マンション購入・リノベーション」が含まれている。

現在まさに、リノベ会社さん数件に話を聞いて、物件の紹介を受けているのだけれど、内見の件数が増えてくると、どの会社からどの物件を紹介されたか、あやふやになってくる。

加えて、駅ごと、広さごとの物件価格の相場感のようなものを把握したいという狙いもあって紹介された物件をまとめている。

こういったテーブル形式でまとめられるデータの整理は、本当にNotionはドンピシャ。

 

気分転換リスト

うつがひどい時期に作ったもの。

悲観的な考えを反芻してしまう時に、それを止めるべく何をするかという行動リスト。

気分が落ち込むと、どうやって気分転換・発散すればよいかを考えるのも億劫になる。でも、リスト化しておくと選択肢の中から選んで行動するだけだから、それだけで楽。最近は比較的元気なので、このリストを開くこともないのだけれど、いざというときにこのあんちょこがあるというだけで少し気持ちが楽。セーフティネットというか、ちょとしたお守りみたいな物である。

必要に迫られてこのリストを開くときは、思考力が落ちていて小さな選択・決断をすることすら避けたいタイミングなので、なるべく考えずにチョイスできるように、必要に応じて選択肢をフィルタリングできるようにしておきたい

例えば、家でないとできないもの/外出先でもできるもの、お金がかかるもの/かからないもの、体力を使うもの/使わないもの といった観点でソートして、その時に切れるカードをフィルタリングしたいのだ。

あれ、これってまさにNotionが得意なことじゃないか。案の定、まとめてみたらぴったりだった。

 

アナログレコードリスト★

名前の通りである。

まずはWantリストを整理したい。

ふらりと目的もなく散歩に出掛けた先で、ふと気が向いてレコード屋さんに立ち寄ったりする時があるんだけれど、はてさて自分がどんなレコードが欲しかったんだか、パッと思い出せない時があって。

これまではEvernoteで管理していたんだけれど、それこそNotionでテーブルデータ形式で持たせれば、ジャンル毎、国毎、レーベル毎など、入ったお店のレコード棚の状況居合わせてソートして確認できるからめちゃくちゃ便利になると思う。

 

あとは、所有アナログレコードのリスト化

今のところ1000枚程度なので、何を持っているかは把握しているつもりだけれど、しばらく触っていないと忘れるかもしれないし。かつ、今のところ売却するつもりもないけれど、レコードを手放したくなったときに、リスト化しておけば売りやすいと思うので。(売る気になってからリスト作るのは、絶対に億劫だと思う)

 

わたしなりの上手な使い方を探りたい

今後、Webクリップ、議事録はNotionに集約させるつもり。

(とはいえ、昨年までのクリップ・議事録はNotionにインポートせず、そのままEvernoteを参照するようにする)

諸々のリストも、個人で使用しているものは全てNotionに移行させる。

夫と共有しているリストは、(夫の都合もあるので)しばらくはEvernoteを利用するけれど、ファイルの管理はGoogle Driveと自宅のNASサーバーに集約すれば、Evernoteのプレミアムプランを解約しても何の問題もなさそう。

 

ちょっと気になるのは、先週末の夜にNotionが落ちていたこと。

翌朝には解消されていたけれど、仕事の議事メモを保管するとなると、アクセスできない時間帯が発生することがクリティカルになるケースもあるので、サービスダウンの頻度は今後もウォッチしていきたいな。

 

 

そして、Notionで管理すべき物事の第一位にタスク&スケジュール管理を挙げる人も多いようなので、それも近日中に試してみたい

 

↓Notion本体のサイトより

 

 ↓チームで使えるのいいな。タスクの割り振りをBacklogで管理するのって煩雑。。

 

 

↓Googleカレンダーと合わせて使えるところが魅力。


現状、仕事・プライベート共にスケジューラーはGoogle カレンダーを使っていて、仕事のタスクはGoogle To Do ListとMS To Do(旧Wunder List)を使い分けている。

こちらも時折、各ツールに不便を感じていたので、Notionでの集約管理を試してみたい。

 

 

正直、いまのわたしはまだ、「Notionを使う」ことそのものにハマっている段階だなと思う。なので、しばらく楽しみながらいろいろな使い方を試した上で、Notionを使って「効率よく」物事を管理する状態にシフトしていきたいなと思う。

適応障害・うつ:その後の治療経過。年末年始で大きな山を越えた。

うつの回復期が続いている。

去年の後半、夏以降から年末にかけて、仕事で新しいプロジェクトを担当することになり、抱えているストレスが大きくなった。

 

↓1年前の回復の経過↓

 

↓4ヶ月前の回復の経過↓

 

 

プロジェクト立ち上げのしんどさ

新規プロジェクトって、クライアントはもちろん、社内メンバーも一緒に仕事をするのは初めてなメンバーばかりだったりする。相手の特性やスキルセットが不明確な中で、積極的にコミュニケーションをとってプロジェクトを先導してくのって、地味にしんどい。

 

「この人はどういう仕事の仕方をしたいんだろう」

「この人にこれを任せていいだろうか」

「結果重視タイプか、プロセスも重視するタイプか」

「どういう伝え方をすると、警戒心を解けるだろう」

ちょっとしたことを伝えるにも頭の中にいろいろな思いが駆け巡ったりする。

 

 

そもそも「このプロジェクト、うまくいくだろうか」という不安がある。

業務役割上は「うまくいくだろうか」じゃなくて、うまくいかせなきゃいけないんだけれど、まぁ不安ですよね。立ち上げ期って不確実な事項が多いし、見通しが立てづらい。

その不安に加えて、先のコミュニケーション課題のようなものが発生するので、頭の中がクエスチョンマークだらけになる。

自分で「まぁ妥当だろう」と納得できた上でとった言動と、「これでいいのかしら、ドキドキ」という気持ちを抱えてアクションを起こすのでは、負荷が全く違う。

 

で、だ。

自分の心に不安の根本が何なのかを問いただすと、わたしの場合には他人にどう思われるか、自分に対する周囲の評価を気にしているのだ。

「プロジェクトがうまくいかないこと」ではなくて「プロジェクトがうまくいかない時に周りにどう思われるか、周りにどう評価されるか」、「この仕事をこの人に任せていいか。どういう依頼の仕方をすればよいか」ではなくて「この仕事をこの人に任せた時に、無茶振りしやがってと思われないか」を気にしてしまう傾向が強いように思えてきた。

時々、他人の言動について「この人はどういう意図でその発言・その言葉選びをしたのだろうな」と考えることがある。気のおけない友人にそんなことを漏らすと「え、それは考えすぎだよ」と驚きながら一笑に付されることも多い。

そうなのだ、わたしはずぼらで大雑把なんだけれど、他人が気にも留めないことを考えすぎてしまったりするきらいがある。

 

チキンだからだと思う。わたしは小心者なのだ。よく言えば慎重派。リスクを大きく見積もるタイプである。

本来、他人からの評価とか本質的な部分ではないし阿呆らしいと頭ではわかっている。でも気になってしまうのだ。

他の人がなんと言おうと、自分がよしと思えるなら、それでいい。揺るぎなくそう思えたらどれだけいいだろう、と思う。わたしは自身の判断や感受性をあまり信頼していないのかもしれない。

 

理由はさておき、なるべく他人に振り回されないように、そして他人の目を気にする自分の感情に振り回されることがないように、他人とわたしの境界を明確にする工夫が必要だな、と思った。加えて、他人はわたしが気にするような細かいことを気に留めないらしいので、どこから先については「考えすぎ」と判断できるようなラインも引いておきたい。

 

 人にどう思われているかを推測して傷つかない。自他境界線を引く訓練 

仕事を進めるにあたって、決定しなきゃいけないことは山ほどあるので、他人にどう思われるかといった些末なことに脳味噌のリソースをとられたくない。

もちろん、関係者とは摩擦なく気持ちよく仕事したいし、なんだったらモチベーションを上げて取り組んでほしい。プロジェクトの成否ってメンバーの意識によって左右されるところも大きかったりする。

でも、言葉にして発信されたメッセージは「意見」として受け止めるべきだけれど、不機嫌そうな態度で発せられる「Yesとは言いたくない」みたいなニュアンスを拾い上げているとキリがなく、こちらも疲弊してしまう。 

そのことにようやく気づいた。

でも、これまでそういったことを気にしながら仕事を進める「癖」がついているので、一朝一夕にはやめられない。

 

で、ぐるぐると不安がとぐろを巻いていることに気づいた時に、悩みの種が本当に検討に値するものなのかを改めて考えられるように、PCの画面に以下の一文を表示することにした。

 

  1. 他の人の感情を推測しない。明示的に言葉にして発信されるまではスルーしてよい
  2. 気づいたことにすべて対応しなければいけないわけではない。気づかないフリもあり
  3. 信義則に則ってどうあるべきか → それは現実的か →自分はどうしたいか を考える
  4. 振れる仕事はまず振る。振っていいか考える時間は無駄。振って断られたら対応を考える。

新卒かよ、とツッコミが入りそうなアレであるが、いっぱいいっぱいになっていると、全てのことにきっちり対応しなければいけないような気になってしまいがちなわたしなので、5分、10分同じことで悩んで解決策が見つかりそうにない時は、 上記に立ち返る

これを徹底することで、随分と悩むことが減った。

 

悩ましいのが、「3.信義則に則ってどうあるべきか → それは現実的か →自分はどうしたいか」の項目。

わたしがクライアントのやりとりの窓口に立っていることもあり、クライアントの温度感や現場感覚が薄い社内メンバーからは、わたしの判断とは異なる意見が上がってくるケースもあった。加えて、クライアントから現実的ではないオーダーが届いたりすることはしょっちゅうなわけで。

こういう時に、今までのわたしは「自分の意見だけを通して悪く思われるのも面倒だから、いまいち納得いかない部分はあるけれど、この人の意見も少し組み入れておくか」といった中途半端な判断をしがちだった。自分の判断に自信がないのだ。自分の判断が間違っていたら、「すみません、間違ってました」と謝れば済む話なのかもしれないが、「全体最適」というポーズで、全面的に責任を引き受けることを避けてきていた。

でも、これはよくない癖なのではないか、とようやく思い至った。

一旦自分の意見にベットして周りを説得してみて、結果いまいちな判断だったと思い直したら誤って訂正・軌道修正する。そういったやり方を体に覚え込ませないといけないな、と考えて、今回は自分がどうしたいかを優先して判断するように意識した。

やりたくないことをしていても、なかなか結果につながらない。結局プロジェクトを進行していくのは自分なのだから、「納得いかずに取り組む」よりも「自分がやりたいことを成功させるように取り組む」ほうが結果につながりやすいはずだ。

 

結局、この判断は大正解だった。

最初は多少の摩擦が起こりギクシャクしたりもしたが、こちらの主張に妥当な根拠を示すことができれば、異なる意見のメンバーにも大方納得してもらえる。もちろん、各メンバーの意見が妥当な時には、それに従う。そういうやり方をしていると、次第に周囲も「まぁ、あいつがそういうなら、一旦それで進めるか」と思ってくれるようになったのかもしれない。次第に摩擦も減っていった。

しかも、このやり方には、プロジェクトメンバー各人もそれぞれ意見を主張しようとする空気が醸成されるという副次的効果もあった。思ったことは言えばいいじゃん、三人寄れば文殊の知恵、思ったことを言わずにあとで「抜け漏れてました」が発生するより効率がいいよね、というノリである。

言語化する手間を惜しまない。これって他人と協働するためにとても大切なことだと、改めて痛感した。

 

 

感情をじんわり漏らす。闇に落ちる前のセーフティネット「共感」を得るために。

一方で、クライアントとの関係について。

クライアントは誰しもある程度わがままである。ただ、そのわがままが現実的に実行するのが難しそうな類いのものだったり、納期とクオリティといった本来トレードオフになるもの無条件の向上を要求されたりしても対応できない。

ビジネスなので、トレードオフ嫌ならば金を積めという話になるわけで。この辺りの交渉に非常に難儀した。

 

この、クライアントの期待値コントロールや折衝のような部分は、以前適応障害で休職に至った際にもストレス要因として大きかったポイントである。

休職して退職に至った経緯もあるので、(現在は休職中に転職活動をして内定を経た会社に勤務している)新規プロジェクトを軌道に乗せ、クライアント折衝もそれなりにうまくこなすことで、自分の自信を回復できるのではないかと考えていた。

↓3年弱前に、休職に至った経緯↓

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特に、プロジェクトメンバー全員が集まる定例会で名指しで詰問されるのは堪えた。「●●さんはいつも「難しいかもしれないです。」と一次回答する。やれる方法を考えるのがあんたの仕事だろう」と毎週罵倒されると辟易したし、病みそうになった。

 

その上、内心ではクリティカルなダメージを食らっていても、わたしは飄々とこう答えてしまったりするのである。

「不信感を抱かせてしまったならば申し訳ありませんが、こちらも詳細を伺わずに「できます」と即答することは難しいのです。なので、現状の進捗も鑑みると「できない可能性もある」ことはご承知おきいただきたいんです」

狼狽えているわたしの姿を見せることでメンバーを不安にさせたくないという思いもあるし、わたしにもプライドがあるのだ。言われのない批判はされたくない。

後に聞いたことだが、メンバー達はそういったやりとりを毎回「ひょえー、このクライアントほぼヤクザじゃん。」と思ってはいたらしい。一方で「でもあの人は毅然とした態度で返してるし、まあ大丈夫か」とらそんな深刻に捉えてなかったことを知った。

しんどい時はしんどい、とプロジェクトメンバーに伝えられることも必要だよね。そういう辛さみたいなものに共感して発せられた「いや、やれるだけのことやってるっしょ、大丈夫」といった言葉に救われる瞬間は確かにあるわけで、自分の心のセイフティーネットとして自分の感情もじんわり漏らしておくことは必要だな、とも感じた。

共感・共有してくれる人がいないと「なんで自分ばかり」というような惨めな気持ちになりがちだけれど、そこで共感を示してもらえるだけで、不思議なことに踏ん張りが効いたりするものなのだ。

 

 

結局、クライアントとの調整は、要望の一部を受け入れ、一部は来期の予算を確保して対応する形で、クライアントの承諾を経た。要求に応え切れてはいないが、来期も発注する気があることを表明してくれたのは担当者として喜ばしいかぎりだ。

何段階かに分けての交渉、クライアントのメンバーへの根回し、自社内での上席の説得やら何やら面倒だったけれど、そういう立ち回りや段取り含めて完遂できたことは、自信回復の柱になった気がしている。

 

 

年末の大きな谷と再発の兆し

「苦労しましたが、無事山を越えました」的に書いたが、年末は再発の兆しも顔を覗かせていた。仕事をしていて、無茶なオーダーを回避するたびにクライアントからの名指しで批判されている時期は、自信も自尊心も切り裂かれていたためか、仕事後になんとも言えない感情になって涙が溢れることあった。

夜は眠れなくなり、睡眠薬の処方は倍に増やした。それでもすんなりとは寝付けなかったりしたし、とにかく夜中に1、2時間おきに目が覚めた。早朝4時に目が覚めると、そこからはうつらうつらできる日もあるが、そのまま寝付けなかったりもする。入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒のトリプルコンボ。

夢の中でまで仕事をしていたし、起きている最中、土日も少し時間ができてぼんやりしていた時に無意識で仕事の不安を繰り返し考えてしまっていた。反芻思考ってやつである。ネガティブなことを反復して考え自分に刷り込むことで、かえって事態が重大で不安なものに思えてくる、負のスパイラル。

 

ストレスフルな状況に加えて良質な睡眠が確保できていないために、日中に頭が働かず、ぼーっとしてしまうことも増えてきた。自分で話していて、何を話していたのかがよく分からなくなってしまったり、短期記憶が悪化したり。要は脳味噌のワークメモリが足りていない状態。

休職する前にも同じような状態が続いていたので、「このままだと再発する、むしろすでに再発しかけているかもしれない」という自覚はあった。そして、メンタルクリニックの主治医にもそのような体調の変化を伝え、「このままのペースで仕事を続けると、いつ倒れてもおかしくないよ」と忠告された。

 

ゆっくり時間をかけて、ようやくここまで回復してきたのである。ここで再び倒れてしまって、また振り出しに戻ってしまったら堪ったものではない。

早速、困った状況にあることを直属の上司に伝えたが、あまり真っ当なアドバイスは得られなかった。これまでも上司に相談したことはあったが、現場感を考慮した助言が得られたことはなかった。わたしが知りたいのは総論や理想論ではなく、あるべき姿に現実を掛け合わせた時の妥当な着地点と、クライアントにそれを納得させるための道筋だ。今回もなしのつぶてだった。

いい年なんだから上司の指示など仰がずに自分で判断すべきなのかもしれないとも思った。この際、具体的な指示を求めることはやめて、単純にプロジェクトの増員を依頼してみたりもしたが、10日後に上司に増員調整の進捗を尋ねた時に「いや、特に何もしていないですよ」と回答された。本当になんの調整も試みてくれていなかったらしい。

え、なんで。それマネジメントの仕事でしょ。

それを知った時には、心が折れる音を聞いた。ひどく乾いた、軽い音だった。

 

これ以上、直属の上司に仁義を通す必要もなかろうと、わたしはさらに上の部門長に相談した。「今わたし一人では捌き切れないボリュームの調整事項を抱えています。メンバーを追加してください」

秋以降、同じチーム内に2人も休職者が発生していて、それでなくとも年末なので社内のリソースは全体的に逼迫していた。それでも、部門長はすぐにメンバー追加の調整を計ってくれた。

こういう時の対応のフットワークの軽さは、ヘルプを訴えている側からすると非常に心強く重要なものだった。その迅速さに「わたしが抱いている危機感が伝わった」と実感したし、支援してくれようとしていると感じたことで「あと少し頑張ろう」という気持ちも湧いた。

 

そういう事情も踏まえつつ、何が一番よかったかというと、年末年始にたっぷりと休めたことだった。

いわゆる寝正月。夫の実家に帰省したので、持ち前の神経の図太さでとにかく眠った。時折会話に参加しつつ、うつらうつらし続け、美味しいものを食べ続けた。

義両親は内心「なんて嫁だろう」と思ったかもしれないが、他人になんと思われようが気にしない精神を身に付けたわたしは、義両親の思いより現在の自分の体調重視である。

 

そして実際、年末休暇に入って数日で、わたしは熟睡できるようになった。夜中に目が覚めることもない。日中、時間を持て余すと仕事のことを考えがちになるので、年内は大掃除に精を出した。朝から晩まで家の中の片付けをして、手足を動かす。それもよかったのかもしれない。

 

年明け仕事を再開したタイミングで、また不眠がぶり返すのではないかとも思ったが、年が明けるとクライアントの態度もなぜか軟化して、先に書いた通り、来期に向けた合意を交わすことができた。

日々何かしら想定外の事態が起こったりもするが、それも許容範囲。年末のように切迫した状況でもなく、かといって暇を持て余して自分の存在価値を疑ってしまうようなこともなく。程よく忙しい今は、凪の海のようだなぁと思う。

 

 

振り返ってみると

ようやく、何となくではあるけれど、適応障害にかかる前と同じような仕事ぶりができている自信がついてきた。最初に適応障害で休職したのはもう4年前になるのだし、「同じ」ことに安堵せずに前進していたいところだけれど、この際欲は出さない。

健康に働き続けるだけで及第点なのである。

 

加えていうならば、わたしは昨年から不妊治療を初めて、「仕事と不妊治療が重なった時には、基本的に自分の個人的な思いを優先する、つまりは治療を優先する」と個人的にルールを決めていた。仕事を第一優先にしない、わたしの人生を楽しくするためには、仕事が第一優先であってはならない、そう自分に何度も言い聞かせてきた。

これも仕事が辛い時期を乗り越えるための土壌として、大きかったと思う。「でもまぁ、仕事のことだしな。やらなきゃならないことを淡々とやって、できないことはどうしたってできないのだし。ビジネスだし」と自分を納得させた。

 

そして「働く」ということに関しては、この会社の社員として働き続けるべきかという点で、少し腑に落ちていない部分は残っている。

今のような、繁忙期になると1日仕事だけで力尽きる生活を長期間にわたって続けていく働き方を、5年後には脱していたいと単純に思うのである。

 

この先1年で不妊治療の成否にも目処がつきそうだし、今年と来年は今後5年、10年スパンでのこの先の自分の働き方をぼんやり模索してみてもいいかもしれないな、などと思っている。

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寝室デスクスペースをマイナーチェンジ

在宅勤務にあたって、自宅寝室の片隅にもうけたワークスペース。

リモートワークを快適にするために、必要な物を買い揃えてデスク周りを整備した話を先日投稿した。

 

さらに使いやすくするために、何点か変更を加えてみることにした。

 

 

まずはBefore・Afterの比較から。

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間違い探しみたい。笑

赤枠で囲った部分にご注目。

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以前はAmazonの段ボールに、治りきらないCDを収納していた。

うちは最低でも週に1回はAmazonから何らかの荷物が届く。コロナ禍にあって、Amazonの利用頻度はさらに上がっているし、段ボールには事欠かない。

段ボールをそのまま利用するという、わたしらしい(?)ズボラ感満載の収納法である。

 

これをKOKUYOのNEOSシリーズの蓋つきファイルBOXに入れ替えてみた。

先日7inchレコードの収納用にKOKUYOのNEOSのファイルBOXを使用した話を書いたが、そのBOXの使い勝手がとてもよかった。そして、ひょっとしてこのBOXは、デスク周りの収納にも使えるのでは、と思った次第だ。

 

 

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比較してみると、白いBOXに変える事で統一感も出たし、BOXの容量自体は大きくなったけれど圧迫感が減ったように感じる。

かつ、デスク天板分の高さの違いがあるものの、テーブル面と、BOXのふた面の高さが近くなった。

 

椅子に座ってデスクに向かった時の視界も白が多くなってスッキリした。

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デスク天板と同色の白いBOXなので、天板が拡張したような印象も受ける。

いいじゃない。

 

 

実は、このBOXの上には仕事用の鞄を置いていることが多い。

出社の機会は減ったものの、名刺や手帳・メモ帳、筆記具、充電コネクタなどを入れて持ち歩けるように準備してある仕事用の鞄は、在宅勤務時も手元にあると何かと便利だったりするのだ。

 

BOXに鞄を置くとこんな塩梅である。

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これでも十分便利なんだけれど、仕事用PCの脇にプライベート用PCを広げて、さらにメモを取るためのノートや、書籍を広げようとすると、流石にデスクが手狭になる。

そんな時に、書籍やノートをBOXの上にちょい置きできたらいいのにな、と思うようになった。

 

それで購入してみたのがこちら。

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バッグハンガーである。これを使って、バッグをデスクに吊り下げ、BOXの上は書籍やタブレットなどのちょい置きスペースにする魂胆。

 

で、早速接してみると。。

 

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とてもよい感じに収まった。

以前だとバッグの中から物を取り出すのに、乗り出したり立ち上がったりする必要があったけれど、これならば鞄が低い位置にあるので中身が覗き込みやすい。椅子に座ったままものの出し入れができる。

そして何より、デスク面が広々した。

 

今回使ったバッグハンガーはリヒトラブのバッグハンガー

  • デスクの設置面に滑り止めが付いていて、ずれ落ちにくい
  • 対荷重がそこそこあり(5kg)、丈夫そう
  • デスク面から上のでっぱりが比較的少ないデザイン
  • デスク面と同色の白・ベージュがあること

この4点が気に入って選んだもの。

 

色展開は白の他に、黒・オレンジもある。

 

加えて、デスクなどではなく、棚にも使用できる機能性も気に入った。

↓商品パッケージの説明の左上の「2way」の箇所を参照

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 接地面の首になる部分をひねればフラットな状態になるので、持ち歩くときにもかさばらなさそうである。

 

 

一段と使い心地がよくなったデスク周り。

少しの工夫で日々の暮らしがぐんと便利になったりする。

それを発見するたび、ちょっとした達成感と一緒にしあわせな気持ちが沸き起こるのは、わたしだけかな。

 

【不妊治療振り返り】治療スタートと検査ラッシュ(2020年3月〜4月:40歳2〜3ヶ月)

2020年に1月にクリニックに初診予約の連絡を入れ、2月に説明会に参加して、ようやく不妊治療のスタートラインに立ちました。

 

今回は2020年3月の診療記録です。

 

わたしが勤める会社では2020年2月下旬から、コロナ禍をうけて在宅勤務が始まりました。なので、平日でも喫緊の出社の必要がなければ、自宅での業務です。

わたしは自宅から徒歩10分ほどのクリニックに通っていたため、在宅勤務・リモートワークがデフォルトになったことは不幸中の幸いでした。

※仕事と不妊治療の両立という観点から、自宅・もしくは職場からアクセスしやすい場所のクリニックを選ぶことは、不妊治療を続ける上で重要なポイントだと思っています。クリニックを選ぶ時のポイントはこちらの記事にまとめています。

 

2020/3/7(2周期目

前回の診察時に「次は生理開始日から12日後に予約を入れてくださいね。前日に夫婦生活を持ってください」と指示を受けていました。

12日後の9:30に、診察を予約し、受診です。

 

コロナの影響もあって受診される方の人数は減っているようだけれど、それでもまだまだ混雑している院内。密を避けるために椅子は感覚を開けて座るオペレーションになっているため、土曜日とあればすぐに席が埋まってしまい、10時を過ぎると立って順番を待つ方の姿もちらほらいました。

もう少し席数が多いといいのだけどな。

 

【解説付き】ヒューナーテスト

まずは、ヒューナーテストを受けました。

ヒューナーテストとは

排卵日に合わせて性交を行わせ、2~3時間後に受診し、後膣円蓋の貯留液、頸管粘液を採取し、顕微下で精子の有無と運動率を観察する[1][2]。後膣円蓋の潮流液に精子を認めれば、確実に膣内に射精できておりかつ無精子症を否定でき、頸管粘液で25個以上/HPF認められれば、本試験陽性とされる

上記のWikiの説明には「2−3時間後」とありますが、実際はもっと時間が経っていても大丈夫です。(病院によるかもしれませんが、確か10時間以内くらいだったかな)

子宮頸管は精子の通過点であり、その先にある子宮、卵管を通って卵子を目指して進んでいきます。頸管粘液の中を精子が泳いでいくイメージです。このとき、入り口である子宮で精子がブロックされてしまうことで、なかなか妊娠ができないことがあります。

要は、子宮頸管の粘液を採取して、生き残っていて元気に動いている精子が確認できれば、自然妊娠できる可能性が高い、ということです。

この検査によって、子宮頸管粘液不全(頸管粘液が十分に分泌されていない)や、抗精子抗体が強い場合(精子は本来、異物ではないですが、精子を抗原と認識して女性の体内に抗原ができて、精子の動きを妨げるなど)は人工授精にステップアップしよう、という判断ができる形です。

 

子宮頸管粘液をとって、顕微鏡の見たときの様子を見せられたのですが、おたまじゃくしが動いていない。 姿は確認できるのですが、動いていない。「うーん、これは動いていないのでねぇ」と先生。

「早めに精液の検査をして、精子の数が少ないようであれば、早めに人工授精に切り替えていきましょう」と先生に言われた。「精液検査に出すから、早く持ってきてね」と念押しされてしまいましたよ。

ちなみに、頸管粘液はたっぷり分泌されているので問題ありません、とのことでした。

 

【悩み】精液検査を夫に頼みづらい

不妊の原因は男性にある場合と女性にある場合が半々ずつだと言われています。なので、不妊治療クリニックに最初に足を運ぶのが女性であっても、治療が進む過程で男性側も検査を受けることになります。

まずは精液検査。精子の濃度や運動率、奇形率などを確認する検査です。

不透明なジャー型のプラスチックカップをクリニックで渡され流ので、そこに採取したものを持ち込んで検査に出すか、あるいはクリニックの個室で採取して、そのまま検査に提出することもできます。

 

実は2月にヒューナーテストをした時にも、クリニックからは夫の精液検査を勧められていました。クリニックで採精用のジャーカップを渡されたのですが、検査を勧められたことと、採取してほしいことを夫に伝えると、夫は一気に不機嫌に。わたしの伝え方が下手だったのかもしれませんが、不機嫌になられることに納得が行かず、内心モヤモヤしていました。

あまりしつこく催促するとかえって心理的抵抗が高くなりそうだと思い、その後はあまり触れないでいたのですが、クリニックから催促されたとあれば、夫に改めてお願いしなければならないわけで。帰り道に気が重かったことをよく覚えています。

検査の件は、帰宅後にさらりと夫に伝えました。
次回は、夫の検査です。

 

あと、先生から具体的に「人工授精」というワードが飛び出したときに、何とも言えない感情になったのを覚えています。

タイミング法はもうそろそろ終了して次のステップへということなのですが、いったん不妊治療というベルトコンベアに乗ると、そのレールから降りない限り、否応なしに次の段階へと運ばれていくものなんですね(あ、もちろん、ステップアップせずに、いまの治療を続けますと主張することはできると思います。ただ結果に結びつかないですよね。。)

ステップアップの時には葛藤とか逡巡とか、もう少しいろいろな感情が渦巻くものかと思ってたんですが、「(ステップアップを)為さねば成らぬ」わけなので意外と自分の感情は淡々としていて、そんな自分に少し驚いたりもしました。

「為さねば成らぬ」のは事実だとして、「為しても成らないことも多い」のが不妊治療のつらいところです。

 

本日の会計 

保険適用:  890円

保  険  外:1,760円

ーーーーーーーーーーーーー

合 計 :2,650円

ーーーーーーーーーーーーー

累 計 :21,220円

 

 

2020/3/31(3周期目)

夫の精液検査をしました。自宅で採取したものを、朝一番にクリニックに提出する形です。

結果は次の診察時に教えてくれる、とのことで提出だけしてこの日は終了でした。

 

本日の会計

 

保  険  外:2,200円

ーーーーーーーーーーーー

合 計 :2,200円

ーーーーーーーーーーーー

累 計 :23,420円

 

 

2020/4/1

尿検査でLH値を確認して、エコーで内診するいつものコースです。

 

【気付き】採血検査をアウトソースするクリニックもある

ちなみに、梅ヶ丘産婦人科はクリニック内に血液検査ができるラボを持っていません。なので、血液検査をする時には、院外にアウトソースしています。なので、採血して検査に出した結果は当日には分からず、次回の診察時に伝えられる形です。

これは、わたしも通院してみて初めて知ったことでした。

排卵タイミング確認のためのLH値測定や、着床判定のための検査は採血で行うスタイルのクリニックも多いですが、梅ヶ丘産婦人科は基本的には尿検査でした。

 

精液検査の結果

そして、前日に提出した精液検査の結果です。

量と、濃度、運動率の3つの数字が検査項目です。

 

今回の結果は以下の通り。

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WHOが基準値として定めているのは、

量:1.5ml以上

濃度:1500万/ml以上

運動率:40%以上

 で、我が家は量と運動率が基準値よりも低い結果となりました。

 

これは、自然妊娠は難しい、ということになるのでは?

とはいえ、精液検査結果は同一人物でもタイミングによってかなりばらつきもあるそうで、例えば睡眠不足や前日の飲酒量、禁欲期間なども関係しているとのことでした。

 

「旦那さんに男性不妊外来で受診するように伝えてください」と主治医から言われました。

うーむ、これはなかなか難儀しそうだぞ。

 

本日の会計

保険適用:2,130円

ーーーーーーーーーーーー

合 計 :2,130円

ーーーーーーーーーーーー

累 計 :25,550円

 

2020/4/4

予約のとおり10時にクリニックへ。

10時を過ぎると、クリニックの席はすべて埋まっています。この時期は仕事の繁忙期で疲れ果てていたので、立って何十分も待つのはちょっと苦痛でした。

とは言え、立って診察を待っている方はわたしの他にもたくさんいるわけで、奥様の付き添いで来院されていて、椅子に座っている男性の方をみると「席ゆずってあげれば良いのにな」などと心の闇が出てきてしまう。。

 

血液検査の結果

採血で感染症検査を受けました。

結果は後日渡される形でしたが、問題なしでした。

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人工授精、後は顕微へのステップアップを打診される

診察はエコーで内診。

前回の精液検査の結果を踏まえて、やはり自然妊娠は難しそうだという判断になりました。

数よりも運動率が悪いことが理由とのこと。運動率が悪いということは、子宮までたどり着けない精子が多いということです。人工授精であれば、子宮まで届く管を通して精子を戻すので、運動率の影響を受けにくい、ということになります。

「タイミング法と並行して人工授精も入れる形に切り替えましょう。年齢も40歳を超えていますので、人工授精を1、2回試してみて、早めに顕微受精に切り替えた方が良いかもしれないですね」と主治医から明示的に提案されました。

 

【解説付き】体外受精と顕微受精のおおまかな違い

ここで、体外ではなく顕微受精を打診されたのも、量・運動率が関係しています。

体外受精は採取した卵子に精子をふりかけて(よく”ふりかけ”と呼ばれる所以です)培養するので、受精卵が育つかどうかは精子の数や運動率に大きく依存します。

一方で、顕微受精は、運動している精子を1つピックアップして、卵子の中に入れて、物理的に融合させてしまう形。運動率の影響は低く、元気な精子が少ない場合にも受精できる可能性が高いんです。

 

とはいえ、わたしの年齢も考慮すると体外受精か顕微受精が必要になることは想定の範囲。やらないことには授かれないので、前に進むのみです。

 

ということで、人工授精に関する同意書を渡されました。

夫とわたしの自筆署名に捺印をした上で、次回の診察時に持参することになります。

 

本日の会計

保険適用:  380円
保  険  外:9,460円

ーーーーーーーーーーーー
合 計 :9,840円

ーーーーーーーーーーーー
累 計 :35,390円

 

 

2020/4/8(夫の通院)

男性外来の受診をすすめられたことをうけて、夫の外来通院がスタートしました。

まずは、感染症検査です。

 

結果を渡されたのは後日でしたが、異常なしでした。

ほっ。

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不妊治療初期は、毎回何らか検査をします。

今回の検査の結果で異常値が出たら、妊娠するのは難しいって言われたりするのかなと考えてしまったりして、この時期は検査の結果を聞くたびにドキドキしていました。

この頃は初々しかったな…。今では検査にもすっかり慣れました。

慣れる前に授かって不妊治療を卒業したかったけれど、なかなかうまくはいかないもんですね。

 

本日のお会計

保  険  外:7,700円

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合 計 :7,700円
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累 計 :43,090円

 

 

2020/4/27

予約通り、9:00に受診しました。

通常のエコーによる内診を行ったのですが、この日に先生とどんなやりとりをしたのか記録に残しておらず、、。

 

自分、ズボラなもので。すみません。。

 

本日のお会計

保険適用:  380円
保  険  外:1,760円

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合 計 :2,140円

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累 計 :45,230円

 

 

2020年3月〜4月:40歳2〜3ヶ月の不妊治療通院まとめ

2月に治療をスタートして、3月4月は検査ラッシュでした。

その中で、夫の男性不妊の可能性が出てきたりと、検査してみないことにはわからないことが山ほどあるな、と実感した2ヶ月でした。

 

「卵子の質」と年齢の話

治療がスタートして受診すると2回に1回は「年齢が…」と主治医に言われます。うん、知ってる、自分の年齢は知ってるけれど、それでも妊娠したいから受診しているわけで。いまから7年前、結婚したばかりのわたしに「今のうちに妊活を!」と伝えたいですが、時間は戻せません。

 

不妊治療経験者のBlogなどを読んでいると、「タイミング法を数年継続していたけれど、体外・顕微受精でないと妊娠しにくいことが検査してみて初めてわかった」というような話もチラホラ目にします。

年齢を重ねるほど「卵子の質」は落ちていき(※)妊娠の可能性は低くなるわけで、自然妊娠が難しいとわかれば、早めに次のステップに切り替えた方が時間は有効に使えますよね。

 

不妊治療では何かと「卵子の質」というワードが出てきます。

で、結局のところ「卵子の質ってなんなの」と思うわけですが、以下のページの説明がわかりやすく、理解できました。

高齢になると染色体異常の卵子の割合が増えていきます。染色体異常の卵子(もしくは精子)は受精しても胚分割が進まなかったり、着床しなかったりすることがほとんど。なので、高齢になると採取できる卵子の数も減りますが、採卵数が確保できても卵子のうち妊娠できる質の高い卵子の割合が低くなります。

 

 わたしの主治医の「早めに人工授精に切り替え、それでも難しければ顕微にステップアップしましょう」という判断は妥当だったなぁと改めて思います。

 

【悩み】不妊治療は夫との二人三脚。足並みを揃えるのに難儀する

2020年3月〜4月は、夫もわたしも仕事の繁忙期でした。仕事が忙しいとそれだけで気持ちのゆとりがなくなります。そんな中でも続ける不妊治療。

男性外来の受信や、検査に出すための採取など、当時は夫に説明して理解してもらい、行動してもらうことに難儀しました。なにせ、センシティブな話題です。責めていると受け取られないようなコミュニケーション、プライドを傷つけない表現を心がけて、協力して欲しいという姿勢で伝えるようにしました。

 

とは言っても、不妊治療は夫婦で取り組むものだという考えは、常にわたしの頭の片隅にあって。本来的には「夫に協力してもらう」のではなく、「夫にもっと当事者意識を持ってほしい」と思っていたのが正直なところです。

でも、「もっと主体的になれ」などと言われたら誰だってカチンとくるので、どうしたら抵抗なくこちらの望むように行動してもらえるかを考えていた気がします。

ちなみに、男性不妊に通い始めて2、3ヶ月を減ると、夫の理解も深まってきて、今ではずっと協力的になりました。

 

【悩み】日程調整の難しさ

まず、通院の頻度。月に2、3回は受診する必要があり、かつそれが突発的に決まることもあります。

治療が進むと、例えば生理開始の3日後に受診しなければならない、ということが毎月になってきます。わたしは生理がわりと定期的に訪れてくれるので、大体の予定の目処は立つのですが、とはいえ2、3日の誤差は出ます。なので、仕事の会議や作業の合間に通院をねじ込むための業務調整には苦心しました。

(この時期はまだタイミング法をとっていて、採卵はしていなかったので、受診日がずれることにさほど影響はなかったと思うのですが、体外・顕微受精のステップになると、ピンポイントでその日に受診できることが非常に重要な意味を持つようになります)

このあたりは、職場に不妊治療をすることを伝えるかどうかによって、調整のしやすさが変わってきそう。わたしの場合は、職場の誰にも不妊治療を伝えていないので(理由はまた別に記事にしようと思います)、自分から前のめりなくらいにガシガシ予定調整をしていました。

 

【悩み】タイミング法ならではの苦労も

タイミング法というのは妊娠しやすいタイミングで夫婦生活を持つ方法なので、言わずもがな、やることをやらないと授かれないわけです。

夫婦ともに仕事の繁忙期だったのは先に書いた通りですが、朝から晩まで働いた後に「おっしゃ、やるか!」という気になるかというと、「疲れた、今はとにかく眠りたい」という気持ちが押し寄せるわけで。

かつ、その「やる気」のバイオリズムには夫とわたしの2つの曲線があるわけです。「あー、波が合わねーわ」ということもあります。

 

また、後から夫に聞いたことですが、やはり「この日」とピンポイントに指定されるというのは、男性にとってはなかなか心理負担が大きいようです。こればかりは、女性側には理解しきれない心情、かつ変わってあげることもできないので、どうしようもないのですが。

治療ステップが進み、顕微受精を2回くらい試している時期に「いや、実はタイミング法はけっこうキツかった」と夫がこぼした時に、キツい思いさせて申し訳ないなという気持ちが沸き起こったのと同時に、「あ、不妊治療についてもちゃんと本音を言い合えるようになってきたな」とちょっとうれしかったりしました。

 

 

ということで、2020年3月〜4月:40歳2〜3ヶ月の不妊治療記録でした。

 

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快適な在宅勤務・リモートワークのために。買ってよかったもの。

コロナ禍での昨年の大きな変化は「在宅勤務のスタート」だった。

 

わたしが勤める会社では2020年の2月の下旬から在宅勤務を中心とするリモートワークに移行して、以来ずっとそれが継続している。

もちろん、クライアント先への訪問や、法務契約書類の受け渡しなどで月に1、2回は出社・外出しての業務も発生することもあるけれど、それ以外はリモートワークで事足りている。

 

会社が契約しているシェアオフィスのスペースを予約して利用することもできるが、シェアオフィスまでの移動時間を考えると、結局自宅で仕事をするのが一番効率が良かったりする。

(休憩を兼ねて仕事の合間に5分・10分だけ家事をするのが、ちょうど良い気分転換になったりもしている)

 

わたしが在宅勤務になって間も無く、夫の会社でも在宅勤務がスタートした。

これまでの我が家は寝室に小さなデスクスペースがあるだけ。

仕事用のチェアもデスクスペースに1脚あるだけだった。

 

1人はそのスペースで仕事をするとして、もう一人はダイニングテーブルと椅子で仕事をすることになる。当然、ダイニングテーブルにはモニターもないので、業務効率は悪い。加えて、ダイニングテーブルに合わせて使っている椅子だと、朝から晩まで座って仕事をしていると腰が痛くなってしまう。

 

それでなくとも運動不足で肩こり、腰痛が起こりがちな在宅勤務である。

ちりも積もれば何とやら。

毎日のことだし、リモートワークはまだまだ続きそうだしで、正しい姿勢で仕事ができるように、思い切って自宅のワークスペースを整えることにした。 

 

 

寝室の小さなデスクスペースで使用していたデスク・チェアを取り払い、同じスペースを引き続き1人のワークスペースとして使用する。

同じように、リビング・ダイニングの片隅にもデスクスペースを設けることに。

それぞれ、利用する部屋を分ければ、テレカンが重なっても問題ない。

 

 

 

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画像はAERAdotさんにお借りしました。

 

ということで、在宅勤務・リモートワークの環境を整えるにあたって、買ってよかったものを紹介していく。

 

高さ・角度などが調整できるチェア

腰痛問題にダイレクトに効きそうだな、と思って、優先順位が高かったのが、チェア。

自分のからだのサイズや姿勢に合わせて角度や高さを調整できるものを、ネットでいろいろ探した結果、我が家はIKEAのJÄRVFJÄLLET イェルヴフェレットという椅子に落ち着いた。

www.ikea.com

 

以下、IKEAサイトの商品説明からの抜粋。

10年品質保証。
角度調節ができるシートと背もたれ(シートと背もたれは連動)。調節した角度を固定できるので、どの位置でも安定感があります。
背もたれは通気性の高いメッシュ素材。長時間座っても背中が蒸れません
シートの位置を前後に調節できます。背もたれは腰当て付きなので、背中を快適にサポートできます。
体型や好みに合わせてヘッドレストと腰当ての位置を調節できます。
安全キャスターは感圧式ロック機能付き。立ち上がるとチェアが動かないようロックがかかります。座るとロックが解除されます。

特にポイントとなったのは、以下の三点。

  1. 背もたれの角度調節ができること
  2. シートの前後位置の調整ができること
  3. 座面の高さ調整ができること

会社のデスクで使用している椅子も、上記の3つのポイントの調整が可能な仕様で、自分の姿勢にカスタマイズして使用すると楽だったので、この点を重視して選んだ。

座面の高さや、調節範囲なども、IKEAのサイトで事前にチェックした。

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短足のわたしなので、欲をいえば座面の高さは40cmぐらいが理想ではあるのだけれど、足裏が床につかない場合には、フットレストを置くことで解決することにした。

 

 

実はIKEAのMARKUS マルクスという椅子と少し迷った。

MARKUSも、背もたれの角度、座面の高さの調整はきくのだけど、シートの前後位置は変更できない。この点がJÄRVFJÄLLET イェルヴフェレットとの大きな違いで、それが決め手になった。

 

店舗で両方座り比べてみたが、やはりシート位置の調整ができると座り心地が随分と良くなるので、JÄRVFJÄLLET イェルヴフェレットを選ぶことにした。

 

JÄRVFJÄLLET イェルヴフェレットは現在はAmazonでは販売していないようだが、MARKUS マルクスはアマゾンでも購入可能。

 

高さ調整機能つきのデスク

以前は省スペースにするために、本棚デスクの上に奥行きの浅い本棚を設置して利用していたのだが、毎日作業を行うとなると、デスクの奥行きがあった方が効率がいい。

ということでこの際、デスクも合わせて購入することに。

 

我が家は2年以内に引っ越しをする予定でいるので、その際に引越先の間取りに合わせて買い替えることも考えて、デスクは低コスト重視。

 

結果として、こちらもIKEAのLINNMON リンモンというデスク天板と、OLOV オーロヴというデスク脚を組み合わせることにした。

LINNMON リンモンは横幅が100cm×奥行き60cmとちょうどいいサイズ。奥行きも60cmあれば、モニターを設置しても作業スペースが十分確保できる。

 

OLOV オーロヴは足の長さを60〜90cmの間で調整可能なのものうれしい。

我が家は椅子の座面の高さとのバランスを見て、70cmにして使用している。

 

天板、脚はそれぞれ色違いも販売していて、天板は幅120cmの商品も展開している。

 LINNMON リンモンOLOV オーロヴはそれぞれ、Amazonでも購入可能。

 

ディスプレイ・モニター

モニター があるのとないのでは、作業効率が全く違う。

夫もわたしもPCやデータありきでの仕事なので、日々の業務のためにモニターは必須。

我が家には、1台しかPC用モニターがなかったので、1台追加購入することにした。

こちらは、目が疲れないように非光沢の画面にすることと、フレームレスという点以外には拘らず、あとはコスパでAcerのモニター ディスプレイ AlphaLine 21.5インチをチョイス。

 

ディスプレイ・モニターアーム

夫とわたしと、作業する場所を入れ替えて気分転換したりもしたいので、モニターの位置を簡単に調整できるといいね、という話になった。

そこでモニターに合わせてアームも購入することにした。

実は、モニターアームを買うのは初めて。せいぜい5,000円くらいのものだろうと思っていたら、10,000〜15,000円の価格帯のものが主流で面食った。

でも、実際に設置してみるとモニターが可動になることで便利に感じることがとても多い。購入してよかったと思う。

 

ノートPC用スタンド

ノートPC用を開いて仕事をしていると、どうしても視線は下向きになるので、気づくと背筋が丸まっていることも。

でも、ノートPC用のスタンドがあれば、PC画面の高さと向きを自由に変えられるので、正しい姿勢を保ちながら仕事できる。加えて、外付けのディスプレイ・モニターの高さとラップトップ本体のディスプレイの高さを合わせられると、視線の移動が横移動だけになるので楽でおすすめ。

 

選ぶときに重視したポイントは、

  • 放熱性が高いこと
  • 軽量(持ち歩く可能性も考慮して)であること

 の2つ。

 

結果として、こちらのIVSO PCスタンド 折り畳み式を選んだ。

素材がアルミニウムなので軽量な上に、ボード型ではなく棒状なので熱が篭りにくい。

加えて、上に載せるPCを支える際にPC本体と接触する部分にはシリコン性のクッションがついているので、PC本体を傷つけてしまう可能性も低そう。

ここまでのものを設置して、デスクの高さ、椅子の高さを調節してみたのだけれど、悲しいかな脚の短いわたしは、椅子の座面の高さを一番低く設定しても、足の裏がしっかりと床につかず、宙に浮いた状態になってしまう。

そうなると、座った姿勢の時に、太腿の裏側が圧迫されて、血行が悪くなるらしい。

 

ということで、追加でフットレスト(脚置き)を購入することにした。

 

フットレスト(脚置き)

選んだのはサンワダイレクトのスチール製フットレスト

スチール製なのでとにかく丈夫。もちろん、それなりの重量はあるけれど、こちらは持ち歩きするものでもないので問題ない。

床と接触する部分にはゴムが貼り付けられていて、滑り止め・床の傷つき防止にもなっている。

 ただのフットレストにしては少しお値段が張るけれど、こちらを足下に設置してから明らかに腰と脚が楽になったので、買ってよかったと思っている。

 

 

ここまで紹介したアイテムで整備したワークスペースがこちら。

コロナウイルスの影響を受けた在宅勤務、リモート勤務のために自宅のワークスペース・デスクスペース・仕事スペースを改善するために、買ってよかったアイテムを紹介します。PCモニター、ディスプレイ、チェア、椅子、デスク、モニターアーム

 

PCを置くとこんな感じになる。

コロナウイルスの影響を受けた在宅勤務、リモート勤務のために自宅のワークスペース・デスクスペース・仕事スペースを改善するために、買ってよかったアイテムを紹介します。PCモニター、ディスプレイ、チェア、椅子、デスク、モニターアーム

 

カレンダーがあると日程調整の際に重宝するので、デザインがシンプルな無印良品のミニサイズのカレンダーをデスク上に置いている。

コロナウイルスの影響を受けた在宅勤務、リモート勤務のために自宅のワークスペース・デスクスペース・仕事スペースを改善するために、買ってよかったアイテムを紹介します。PCモニター、ディスプレイ、チェア、椅子、デスク、モニターアーム、

 

この写真は寝室の一角なのだけれど、このセットと同じものをリビングダイニングの片隅にも設置して、それぞれわたしと夫で使用している。

 

ひとつひとつのアイテムを吟味していくのは面倒かなとも思ったけれど、快適な空間を作るためにお気に入りのアイテムを探していくのは思いの外楽しい作業だった。

そして何よりも、作業環境が整うと効率が上がるし、気分も上がる。

 

これからまだまだ続きそうなリモートワークと在宅勤務。

今後もより使いやすく、居心地よくするために、少しずつ工夫をしていきたいと思っている。


もし、「こんなものを買ったら、自宅で仕事しやすくなったよ」というものがあれば、コメントいただけるとうれしいな。

その後の治療経過。

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随分とBlogから離れていた。

 

うつの回復期が続いている。

ときどき、調子の悪い日もある。
とはいえ、ずいぶんと調子は良くなってきた。

なんだか仕事に集中できない日や、物悲しい気分になる時は健康な人にもあるわけで、自分ではその範疇に収まっていると思っている。



仕事は、コロナの影響で3月から在宅勤務が日常となった。

以前と変わらず1日に何度か打ち合わせはあるものの、ほとんどのやりとりはオンラインで行われる。月に1、2度出社やクライアントとの対面での打ち合わせが発生するかな、というペースである。

 

 

仕事では、以前のチームマネージャーとの相性があまり良くなかったこともあり、同じ部内の別のチームへの異動希望を出し、7月から異動が受理された。

在宅勤務の中でなので、異動の実感はあまりないのだが、新しいプロジェクトのPMを務めながら、日々バタバタと過ごしている。

新規プロジェクトへのアサインが重なった9月、10月は、プロジェクトの産みの苦しみによる「眠れない日々」を存分に味わった。
もちろん、「眠れない」といっても、深夜まで仕事しているわけではない。

諸々の調整事項・交渉などが錯綜する中で、プロジェクトの先行きの見えなさによる不安とストレスが原因で、深夜覚醒や早朝覚醒を繰り返した時期もあった。

でも、それも何とか乗り越えて、大きく体調を崩すことはくここまで来れている。

 

仕事を通しての、自己肯定感と自身の回復

前職でも前々職でも、マーケティング関連システムの活用コンサルティングや、導入プロジェクトのPMを担当してきた。

前職では、PMとしての業務を全うできずに適応障害・うつによる休職、退職となった。そんな経緯もあって、これまでは常に「今の会社で”自分の裁量でPM業を全うできた”という成功体験を積まなければ、職務に対する恐怖心や、シュリンクした自己肯定感を克服できない」という考えが常に頭の中にあった。

大概のプロジェクトでそうであるように、今担当しているクライアントもそれなりに癖があり、それなりに我が儘ではあるのだが、今のところはクライアントの満足感も悪くない状態で進行できている。

 

PMという職務上は、最低限の当たり前のことなのかもしれないけれど、わたしにとってこれは、とても重要な意味を持つことだ。

小さな成功体験や自信につながる経験が自らの傷を癒してくれている。

たとえプロジェクトで満身創痍になりながらでも、その傷を治しながら前進して、それなりに悪くない着地点に到達できること。

そんな日々の繰り返しが、自己効力感や自己肯定感を育んでくれて、何事に対しても「わたしにはできないのではないか」と及び腰になってしまう不安を薄めてくれていると思う。

 

とはいえ、例えば4年ほど前、適応障害になる前のように、夜中の3時まで平気で働いて翌日も元気に出勤する、ということは全くできなくなった。

それが、病気によるものなのかは分からない。年齢的にも40代を迎えたし、体力の低下によるものかもしれない。
でも、以前のように働かなければと考えることがそもそもなくなった。良し悪しはさておき、わたしの考えが「変化した」のだと思う。
つい1、2年ほど前までは「病前に戻りたい」と思うことが頻繁にあった。毎日仕事やら何やらにときめいて、やりたいこととエネルギーに溢れていて貪欲だったあの時期を思うと、とても日々がきらめていたと思うし、いまでも時々その眩しさが懐かしく恋しく思えることはある。

でもふと気づくと、同じような働き方、動き方をしたいと思うことは、ここ1年ほどでほとんどなくなっていた。自分が理想として追い求める姿と、現実の自分との間に解離があることは、わたしにとって大きなストレスだった。それがなくなったという意味で、好ましいことだと思って受け止めている。

 

自分の直感に自信が持てると、決断疲れが減ってが楽になる

加えて、忙しかった9月ごろと、いま現在のわたしも、精神的に大きく変わったと思う。

人の顔色を伺ったり、人の意見に左右されたりすることがずいぶんと少なくなった。変わったというよりは、ストレスを減らすために「意識して変えた」という方が正確かもしれない。単刀直入にいうと、自分本位になったと思う。

仕事以外でも言えることだが、他者と関わり合う以上、そこには意見や見識の相違や摩擦が発生する。

そういったシーンで「自分では何となく違うと思っているけれど、声の大きい人の意見に流される」ということがなくなってきた。

物事がうまく進まない際に、自分のやり方を疑って、関係者の助言を求めそれに従うことも多かったのだが、関係者が自分よりも事態を把握した上での判断ができる保証など何もないのだ。

もちろん、こまめに相談の機会を設け、皆の意見を拾うことは大切なのだが、他者の意見に従って行動した結果を引き受けるのは自分なのだから、自分が納得のいく決断をしないと後悔が残る。

特に、わたしが所属する組織では「船頭多くして」という場面も多々あり、意見が発散して収集がつかないまま、方向性を見失うという状態が散見されていた。

そんな中で、他者の意見に従ってうまく運ばなかった物事が、自分の直感や考えに従って行動したらスムーズに解決するような場面もいくつか経験し、それを通して「自分が正しいと思えることをしよう」と自然と思えるようになった。

わたしは、わたしの意見や直感、判断にもっと自信を持ったほうがいい。実体験を通してそう思えるようになったことは、とても大きな収穫だった。

そして、他の意見を確認するものの、良くも悪くも他人に期待をしなくなった。

 

日々は小さな決断の積み重ねで、その小さな決断のたびに迷いが発生すると、当然消耗する。そんな時に、(もちろんひとつひとつ、真剣に検討・吟味するんだけれど)自分の判断を信じることができるだけで、ものすごくストレスは減るのだ。

 

そして、ひとたび合意をとって決断したら、他人がどう思うかはあまり気にしないこと。わたしの知らないところで誰が何を思っていようが、何を言っていようが気にしないこと。
人の気持ちを慮ることは大切だし、相手の気持ちに配慮したコミュニケーションは重要だけれども、メンバーの心情を優先して判断ができるシーンは非常に少ない。そういう場面では、(必要な配慮はした上でだが)極論、伝えようという意思を持って発信された情報以外は、拾う義理はないのだ。

意思決定をせず、責任を引き受けるつもりもないのならば、黙って応援し見守ってくれ、くらいの気持ちでいること。

そう考えられるようになることで、いろいろな決断が格段に楽になった。

 

 

時期を同じくして、気が進まない他人からの依頼ごとを容易に引き受けることが減った。

これも、考え方の根底は一緒で「自分の直感や判断に従う」ということなのだと思う。

自分を大切にしてくれる人のことは大切にする。そうでない人からの依頼はほどほどにスルーする。

それは、自分を大切にすることの延長線上にある行動で、断ることに罪悪感を覚えなくても良いと思えるようになった。

この考え方の転換だけで、とっても生きやすくなる。日々、いろいろな物事と折り合いをつける中での、自分の心の中の摩擦係数が減った感覚がある。

 

 

これから

いま現在の服薬は、ジェイゾロフトとマイスリーのみ。

2月ごろから不妊治療を始めたこともあって、妊娠への影響が少ないこの2種類の薬に落ち着いている。

たまに、採卵と受精卵移植の間に少し効きの良い睡眠薬を頓服的に服用することはあるが、サインバルタなど胎児への影響の臨床研究が進んでいない薬剤の使用は止めている。

 

これからのわたしがどこに向かうのかは、まだ分からない。

今は不妊治療と仕事を全うすることに精一杯なのが、正直なところだ。

 

コロナの影響を受けて、外出の機会は格段に減ったし、知人・友人と会う機会もめっぽう少なくなった。自由になる時間で何か楽しみを見つけて活動するということも少なくなってしまった。
音楽も、植物も変わらずすきな気持ちはあるのだが、アナログレコードに針を落としてゆっくりと聴きたいという欲求はあまり湧かなくなったし、植物の手入れもずっとおざなりなままだ。

 

在宅勤務で運動量も減ったため、筋力・体力が減る一方で、気づけば体重のみが増加している。時折、こころに霧がかかったように感じる時には、自宅や近隣で思い切り体を動かして汗を流す。

目下の楽しみといえば、夏頃から始めた筋トレやエクササイズ・ストレッチで自分の体がどう変化していくかを観察するというささやかなもの。そして時々、幸運にも子どもを授かれた後の暮らしを妄想することくらいだ。

もう少し、何か打ち込めるような物事、考えると心躍るような何かがあるといいのかな、と思ったりもする。でもそれが何なのかは、まだよく分からない。 

 

これからどこに向かうとしても、そんなに悪い場所ではないんじゃないかと思っている。

そう思えるようになったことが、何よりの回復の証なのだと思う。

回復を実感した1月、2月(うつ、その後)

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新しいプロジェクトのPMを担当することになり、11月後半くらいから仕事が慌ただしくなった。
入社して半年が経過したとはいえ、知らないことばかりの環境の中で、他部署との調整や、関係会社との契約、プロジェクトの立ち上げなどに追われて平日は帰宅するとぐったり、12月の週末は眠ってばかりいた。

 

年末年始を実家でゆっくり過ごし、東京に戻ってきてしばらくしたころ、40歳の誕生日を迎えた。

だからと言うわけでもないけれど、「これからのわたしの人生を、どのような方向に進ませるのも自分なんだよな」という当たり前のことを考えたりした。

 

かといって、大きくて具体的な目標というものは頭に思い浮かばなかった。

できれば、仕事はずっと続けたい。

でも、仕事ばかりにならずに、趣味や日々の暮らしに割く時間も大切にしたい。

日々ここちよく、なるべく笑って、少しずつでいいからより良い方向に進んでいっているという実感を持って生きていきたい。

粒度の大きな物事を考え始めると具体性を欠くものになってしまうので、ひとまず理想の一日を書きだしてそれを目標にしてみることにした。朝は7時半に起きる、ちゃんと朝食をとる、通勤時間を活用して英語のPod Castを聞く、帰宅したら疲れていても湯船につかる、風呂上がりにはしっかりと肌のケアをしてリラックスする、寝る前にストレッチをする、23時には就寝する、とか、そういう他愛もないことである。

そして眠る前に、「理想の一日」に照らし合わせて今日はどんな具合だったかを振り返る。

 

そういうことを繰り返しているうちに、徐々に気分は落ち着いてきて、やりたいことが増えてきた。「やりたいこと」といっても、これまたたいしたことではない。

冬のセール中のうちにストールを買い足したいとか、レコードが欲しいとか、部屋をきれいにしたいとか、そういったレベルのことである。やりたい気持ちに背中を押されて行動しているうちに、次第に週末の過ごし方が活動的になってきた。
昼前に街に出て買い物をして、カフェでコーヒーをすすり、本屋によって帰る。そんな週末の過ごし方をするようになってきている。

 

少し前までは、週末にわざわざ電車に乗って外出するような気力はなかった。

買い物もさほどする気が起きなかった。もちろん、必要に迫られてものを購入することはあったのだけれど、自分の気に入るものを探して歩きまわるなんてことをする気にはならなかった。(そもそも、たくさんある選択肢の中から一つ最適と思われるものを選んで購入する、その思考プロセスも面倒くさく感じられていた)

 

 

仕事は、相変わらずそこそこ忙しい日もあったりするが、週末には家で食事を作る気力が湧くようになった。

 

他人にどう思われてもいい、という開き直りが出てきたところもある。

自分がこうしたい、こうあるべきと思うことと、他人に期待されるものがぴったりと合致することなど、そうそうない。なので、合致しないこと自体にストレスを抱いても仕方がないのだ。自分はどう考えているか、どうしたいか、そのために、相手にどうしてほしいかを言葉を尽くして伝える。それで相手が動いてくれないのは相手側の判断があってのことだし、それはそれで仕方ないと思えるようになった。

薬は一部減薬になったものの、いまも飲み続けている。

それでも「ここからわたしは回復していけるな」と思えるようになった。12月までは「わたしはまだ鬱状態から完全に抜け出せていない。いつになったら、このトンネルから完全に抜け出せるのだろうか」と悶々とする日も多かったのに、不思議だ。

 


個人的には、細かく日常のあるべき形をリスト化して、それを着実にこなすようにしたことが効いたように思う。ちゃんとお風呂に入ると疲れが取れる、ちゃんと肌のケアをすると肌の調子がよくなる、毎日英語を聞けばヒアリング能力が上がる。些細なことではあるけれど、自己効力感の積み重ね。

 

加えて、仕事の場でも小さな蓄積の効果が現れたことも、良いように働いたかもしれない。

プロジェクト立ち上げ時に、指示を素直に受け入れてくれなかった若手がいた。報告しない、連絡しない、相談しない、という三拍子そろったメンバーである。引っ込み思案なのかもしれない。

彼に対してわたしは、一貫して「わたしはPMという立場上、どうしてほしいかを言語化して君に伝えなきゃいけない。だからときどきは無茶なことも言うかもしれないし、君の考えと合致しない主張をするときもあると思う。合致しないときは、ちゃんと主張してくれていい。ただし理由も添えて説明してほしい。」という立場を取っている。
彼はエンジニアとして、わたしには理解できない類の知識を持っている。だから、その部分についてわたしの理解が至らないがために無理な要求をしようとすることがあれば、それを指摘してほしいのだ。ただ、プロジェクト全体の方向性については話しあった上で、わたしが判断を下す。そして一度判断がくだったら、それには従ってもらわないとならない。

意見が食い違うと不機嫌になり、自分の意見の誤りを指摘されると拗ねる。人間感情の複雑さを垣間見せてくれていた彼だが、彼の業務が回らないときにフォローしたりを重ねているうちに、ようやく素直に意見を聞き入れてくれるようになった。
自分が根気よく働きかければ、チームもまとまっていく。これも、自己効力感に大きくつながった。

 

加えて。
鬱まっさかりのころに、わたしを思い悩ませてた「出産問題」。これにも手を付け始めた。
もともと欲張りな性格なのである。仕事は続けたいし、子どもも育ててみたい。休職中に通っていたリワークでも、そのスタンスを崩さないわたしは、「諦めなきゃいけないこともある」「あなたは欲張りだ」と指摘された。鬱状態だった当時は、仕事復帰をしたり転職をしたりして、新しい環境で体調が安定する保証はないし、もう出産は諦めないとならないかもしれないなと思ったこともあった。

年齢的に出産を考えるリミットも近かったので、仕事復帰をせずに出産を優先することを検討した時期もあったが、出産を理由に仕事を辞めたとしたら、子供が大きくなり自分の時間を持てるようになった頃に後悔するのではないかと思って、最終的に仕事を優先し、転職することにした。今すでに存在している命「わたし」がある程度幸せでないことには、生まれてくる子どもだって幸せにすることはできない。

 

なんやかんやで転職し、そのまま後回しにしてきた出産問題だったが、体調もずいぶんと落ち着いて、不調の波も小さくなってきているので、今年の2月から不妊治療を始めた。

やっぱり子どもがすきなのだ。もし幸運にも子どもを産むことができたら、わたしが想像する100倍は大変な日々になるのだろう。それでも、育ててみたい。まっさらな瞳でものを見て、世界を一から覚えていく様を、側で見守ってみたい。その想いは変わらなかった。
授かるかはわからないが、授かりたければそのために行動しないことには仕方がない。

授かったとしても授からなかったとしても、やるだけやったという思いでいたい。そんなこざっぱりとした気持ちで不妊治療を進行している。

 

 

こうして振り返ると、わたしはこの2か月でずいぶんと行動的になっていて、適応障害になる前とさほど変わらないレベルの気力・体力まで戻ってきているように思う。

1月には夫から、「以前とほぼ変わらないレベルまで来たね。よく笑うようになった」と言われた。

 

まだ多少の波はある。

でも、無理のない範囲で少しずつ自分にできることを増やして、心地よく暮らしていきたいな、と思う。

うつの経過と近況(転職、そして勤務継続中)

随分更新を怠っていた。

 

2018年11月からリワークに通い、リワーク中に復帰と転職との二つの選択肢で迷いながらも、やはり以前の会社に復帰したいとは思えないため、転職活動を開始したのが2019年1月中旬。

 

応募したのは内資系広告代理店の子会社と、外資系ITベンダーと、内資系アパレルメーカーの3社で、最終的に内資系広告代理店の子会社から2019年2月下旬に内定をいただいた。

休職中であることは明示的には伝えず(在籍はしていたので、前職に在籍中と伝えたのみ)、通常の雇用枠で採用され、2019年5月から現在の会社で働いている。

 

リワークに通い始める前の頃、2018年9月頃〜年末にかけての体調悪化や、リワークでのあれこれ、転職後のことなど、思い返せばいろいろと分岐点はあったと思うのだけれど、そちらについては細切れになるがおいおい記事にしていければと思う。

 

 

相変わらずメンタルクリニックに通院しており、増薬や減薬をくりかえしながら服薬は継続中である。

休職中に随分と体力が落ちてしまったし、適応障害〜うつ発症前のように仕事に楽しんで取り組めるほどにはなっていない。家事も発症前ほどしっかりとはこなせていないのがなんとか及第点といったところか。

それでも、毎日通勤して何とか残業もこなし、新しい環境で戸惑いながらも自分に与えられた仕事は何とかこなせるところまできた。

 

この年末年始にゆっくりと休養したためか、年明けから少し気持ちも上向きになって、Blogを再開してみようという気になってきた。

 

これまでの記事とはTopicが変わって、日常生活の中で感じたことや考えたことを中心とした徒然になりそうだが、自分の記録として時々更新していければと思う。

他人の視座を借りて自身の不安のナンセンスに気づく。仕事へのスタンスを変えることについて。


先日のこと。

 

知人からfacebookのメッセージで連絡があった。

以前、休職して4週間目、わたしがひどく沈んでいるときに連絡をくれた彼だ。

↓詳細はこちらのエントリーから

 

彼からの連絡は、それまで「うつ病」だと診断されていたけれど、新しい病院では「うつ病ではないかもしれない」と言われ、カウンセリングを受けていること、そして「EMDR」というあたらしい治療法を試していることなどが書かれていた。

彼なりのわたしへの配慮なのだろう。前回のやり取りでカウンセリングに興味を持っている旨を伝えていたので、それに絡める形で連絡をくれたのだと思う。「以上、カウンセリングの途中共有でした」と彼からの連絡は締められていた。

 

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やりたいこと優先で日々のルーチンを怠ったのをきっかけに、「没頭」や仕事への向き合い方について考える。(休職7週目の反省)

休職して丸7週間が経過した。

 

ここ最近は以前からすきだったことの一部には興味・関心を持てるようになってきている。(でも、まだ読書はあまりする気が起きないのが、個人的な気がかりではある)

例えば、植物の植え替えをしたりとか、ちょっと出かけた先で目にしたものに関心を持ち、新しく何かをやってみたいと考えたりとか。

 

そういったことを、やりたいことリストに加えてみたことを、先日のエントリーに記載した。

 

やりたいことが増えてくると、それはそれで問題が起きる。

他の人はそんなことにならないのかもしれないけれど、アホなわたしは優先順位を誤って「やりたいこと」に没頭し、「やるべきこと」つまり日々のルーチンがおろそかになった。

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父の冗談はときどき滋味深い

自分のことに精一杯で、今年の父の日は何も贈れなかった。

そのことに気づいて、夜10時過ぎに父の携帯に電話したら、電話に出なかった。父の携帯は、父自身が電話するためのツールであって、誰かからの連絡を誰かのタイミングで受信するものではない。なぜなら、父は携帯を携帯しないから。おおかた、書斎のデスクの上にでも置きっぱなしになっているのだろう。

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こころが折れるとき。

「ストレッチした仕事をやらなきゃいけないのに、周りのヘルプが望めなくて、期待に応えられるアウトプットが出せるかどうか不安でたまらなくなって、徐々に頭が回らなくなる。チーム構成にフィージビリティがないのが原因です。」

と、わたしの適応障害での2回目の休職について、夫に指摘された。

 

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