365日の顛末

こころとからだの健康、不妊治療、キャリア。試行錯誤の365日の記録。

【不妊治療振り返り】治療スタートと検査ラッシュ(2020年3月〜4月:40歳2〜3ヶ月)

2020年に1月にクリニックに初診予約の連絡を入れ、2月に説明会に参加して、ようやく不妊治療のスタートラインに立ちました。

 

今回は2020年3月の診療記録です。

 

わたしが勤める会社では2020年2月下旬から、コロナ禍をうけて在宅勤務が始まりました。なので、平日でも喫緊の出社の必要がなければ、自宅での業務です。

わたしは自宅から徒歩10分ほどのクリニックに通っていたため、在宅勤務・リモートワークがデフォルトになったことは不幸中の幸いでした。

※仕事と不妊治療の両立という観点から、自宅・もしくは職場からアクセスしやすい場所のクリニックを選ぶことは、不妊治療を続ける上で重要なポイントだと思っています。クリニックを選ぶ時のポイントはこちらの記事にまとめています。

 

2020/3/7(2周期目

前回の診察時に「次は生理開始日から12日後に予約を入れてくださいね。前日に夫婦生活を持ってください」と指示を受けていました。

12日後の9:30に、診察を予約し、受診です。

 

コロナの影響もあって受診される方の人数は減っているようだけれど、それでもまだまだ混雑している院内。密を避けるために椅子は感覚を開けて座るオペレーションになっているため、土曜日とあればすぐに席が埋まってしまい、10時を過ぎると立って順番を待つ方の姿もちらほらいました。

もう少し席数が多いといいのだけどな。

 

【解説付き】ヒューナーテスト

まずは、ヒューナーテストを受けました。

ヒューナーテストとは

排卵日に合わせて性交を行わせ、2~3時間後に受診し、後膣円蓋の貯留液、頸管粘液を採取し、顕微下で精子の有無と運動率を観察する[1][2]。後膣円蓋の潮流液に精子を認めれば、確実に膣内に射精できておりかつ無精子症を否定でき、頸管粘液で25個以上/HPF認められれば、本試験陽性とされる

上記のWikiの説明には「2−3時間後」とありますが、実際はもっと時間が経っていても大丈夫です。(病院によるかもしれませんが、確か10時間以内くらいだったかな)

子宮頸管は精子の通過点であり、その先にある子宮、卵管を通って卵子を目指して進んでいきます。頸管粘液の中を精子が泳いでいくイメージです。このとき、入り口である子宮で精子がブロックされてしまうことで、なかなか妊娠ができないことがあります。

要は、子宮頸管の粘液を採取して、生き残っていて元気に動いている精子が確認できれば、自然妊娠できる可能性が高い、ということです。

この検査によって、子宮頸管粘液不全(頸管粘液が十分に分泌されていない)や、抗精子抗体が強い場合(精子は本来、異物ではないですが、精子を抗原と認識して女性の体内に抗原ができて、精子の動きを妨げるなど)は人工授精にステップアップしよう、という判断ができる形です。

 

子宮頸管粘液をとって、顕微鏡の見たときの様子を見せられたのですが、おたまじゃくしが動いていない。 姿は確認できるのですが、動いていない。「うーん、これは動いていないのでねぇ」と先生。

「早めに精液の検査をして、精子の数が少ないようであれば、早めに人工授精に切り替えていきましょう」と先生に言われた。「精液検査に出すから、早く持ってきてね」と念押しされてしまいましたよ。

ちなみに、頸管粘液はたっぷり分泌されているので問題ありません、とのことでした。

 

【悩み】精液検査を夫に頼みづらい

不妊の原因は男性にある場合と女性にある場合が半々ずつだと言われています。なので、不妊治療クリニックに最初に足を運ぶのが女性であっても、治療が進む過程で男性側も検査を受けることになります。

まずは精液検査。精子の濃度や運動率、奇形率などを確認する検査です。

不透明なジャー型のプラスチックカップをクリニックで渡され流ので、そこに採取したものを持ち込んで検査に出すか、あるいはクリニックの個室で採取して、そのまま検査に提出することもできます。

 

実は2月にヒューナーテストをした時にも、クリニックからは夫の精液検査を勧められていました。クリニックで採精用のジャーカップを渡されたのですが、検査を勧められたことと、採取してほしいことを夫に伝えると、夫は一気に不機嫌に。わたしの伝え方が下手だったのかもしれませんが、不機嫌になられることに納得が行かず、内心モヤモヤしていました。

あまりしつこく催促するとかえって心理的抵抗が高くなりそうだと思い、その後はあまり触れないでいたのですが、クリニックから催促されたとあれば、夫に改めてお願いしなければならないわけで。帰り道に気が重かったことをよく覚えています。

検査の件は、帰宅後にさらりと夫に伝えました。
次回は、夫の検査です。

 

あと、先生から具体的に「人工授精」というワードが飛び出したときに、何とも言えない感情になったのを覚えています。

タイミング法はもうそろそろ終了して次のステップへということなのですが、いったん不妊治療というベルトコンベアに乗ると、そのレールから降りない限り、否応なしに次の段階へと運ばれていくものなんですね(あ、もちろん、ステップアップせずに、いまの治療を続けますと主張することはできると思います。ただ結果に結びつかないですよね。。)

ステップアップの時には葛藤とか逡巡とか、もう少しいろいろな感情が渦巻くものかと思ってたんですが、「(ステップアップを)為さねば成らぬ」わけなので意外と自分の感情は淡々としていて、そんな自分に少し驚いたりもしました。

「為さねば成らぬ」のは事実だとして、「為しても成らないことも多い」のが不妊治療のつらいところです。

 

本日の会計 

保険適用:  890円

保  険  外:1,760円

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合 計 :2,650円

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累 計 :21,220円

 

 

2020/3/31(3周期目)

夫の精液検査をしました。自宅で採取したものを、朝一番にクリニックに提出する形です。

結果は次の診察時に教えてくれる、とのことで提出だけしてこの日は終了でした。

 

本日の会計

 

保  険  外:2,200円

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合 計 :2,200円

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累 計 :23,420円

 

 

2020/4/1

尿検査でLH値を確認して、エコーで内診するいつものコースです。

 

【気付き】採血検査をアウトソースするクリニックもある

ちなみに、梅ヶ丘産婦人科はクリニック内に血液検査ができるラボを持っていません。なので、血液検査をする時には、院外にアウトソースしています。なので、採血して検査に出した結果は当日には分からず、次回の診察時に伝えられる形です。

これは、わたしも通院してみて初めて知ったことでした。

排卵タイミング確認のためのLH値測定や、着床判定のための検査は採血で行うスタイルのクリニックも多いですが、梅ヶ丘産婦人科は基本的には尿検査でした。

 

精液検査の結果

そして、前日に提出した精液検査の結果です。

量と、濃度、運動率の3つの数字が検査項目です。

 

今回の結果は以下の通り。

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WHOが基準値として定めているのは、

量:1.5ml以上

濃度:1500万/ml以上

運動率:40%以上

 で、我が家は量と運動率が基準値よりも低い結果となりました。

 

これは、自然妊娠は難しい、ということになるのでは?

とはいえ、精液検査結果は同一人物でもタイミングによってかなりばらつきもあるそうで、例えば睡眠不足や前日の飲酒量、禁欲期間なども関係しているとのことでした。

 

「旦那さんに男性不妊外来で受診するように伝えてください」と主治医から言われました。

うーむ、これはなかなか難儀しそうだぞ。

 

本日の会計

保険適用:2,130円

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合 計 :2,130円

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累 計 :25,550円

 

2020/4/4

予約のとおり10時にクリニックへ。

10時を過ぎると、クリニックの席はすべて埋まっています。この時期は仕事の繁忙期で疲れ果てていたので、立って何十分も待つのはちょっと苦痛でした。

とは言え、立って診察を待っている方はわたしの他にもたくさんいるわけで、奥様の付き添いで来院されていて、椅子に座っている男性の方をみると「席ゆずってあげれば良いのにな」などと心の闇が出てきてしまう。。

 

血液検査の結果

採血で感染症検査を受けました。

結果は後日渡される形でしたが、問題なしでした。

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人工授精、後は顕微へのステップアップを打診される

診察はエコーで内診。

前回の精液検査の結果を踏まえて、やはり自然妊娠は難しそうだという判断になりました。

数よりも運動率が悪いことが理由とのこと。運動率が悪いということは、子宮までたどり着けない精子が多いということです。人工授精であれば、子宮まで届く管を通して精子を戻すので、運動率の影響を受けにくい、ということになります。

「タイミング法と並行して人工授精も入れる形に切り替えましょう。年齢も40歳を超えていますので、人工授精を1、2回試してみて、早めに顕微受精に切り替えた方が良いかもしれないですね」と主治医から明示的に提案されました。

 

【解説付き】体外受精と顕微受精のおおまかな違い

ここで、体外ではなく顕微受精を打診されたのも、量・運動率が関係しています。

体外受精は採取した卵子に精子をふりかけて(よく”ふりかけ”と呼ばれる所以です)培養するので、受精卵が育つかどうかは精子の数や運動率に大きく依存します。

一方で、顕微受精は、運動している精子を1つピックアップして、卵子の中に入れて、物理的に融合させてしまう形。運動率の影響は低く、元気な精子が少ない場合にも受精できる可能性が高いんです。

 

とはいえ、わたしの年齢も考慮すると体外受精か顕微受精が必要になることは想定の範囲。やらないことには授かれないので、前に進むのみです。

 

ということで、人工授精に関する同意書を渡されました。

夫とわたしの自筆署名に捺印をした上で、次回の診察時に持参することになります。

 

本日の会計

保険適用:  380円
保  険  外:9,460円

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合 計 :9,840円

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累 計 :35,390円

 

 

2020/4/8(夫の通院)

男性外来の受診をすすめられたことをうけて、夫の外来通院がスタートしました。

まずは、感染症検査です。

 

結果を渡されたのは後日でしたが、異常なしでした。

ほっ。

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不妊治療初期は、毎回何らか検査をします。

今回の検査の結果で異常値が出たら、妊娠するのは難しいって言われたりするのかなと考えてしまったりして、この時期は検査の結果を聞くたびにドキドキしていました。

この頃は初々しかったな…。今では検査にもすっかり慣れました。

慣れる前に授かって不妊治療を卒業したかったけれど、なかなかうまくはいかないもんですね。

 

本日のお会計

保  険  外:7,700円

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合 計 :7,700円
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累 計 :43,090円

 

 

2020/4/27

予約通り、9:00に受診しました。

通常のエコーによる内診を行ったのですが、この日に先生とどんなやりとりをしたのか記録に残しておらず、、。

 

自分、ズボラなもので。すみません。。

 

本日のお会計

保険適用:  380円
保  険  外:1,760円

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合 計 :2,140円

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累 計 :45,230円

 

 

2020年3月〜4月:40歳2〜3ヶ月の不妊治療通院まとめ

2月に治療をスタートして、3月4月は検査ラッシュでした。

その中で、夫の男性不妊の可能性が出てきたりと、検査してみないことにはわからないことが山ほどあるな、と実感した2ヶ月でした。

 

「卵子の質」と年齢の話

治療がスタートして受診すると2回に1回は「年齢が…」と主治医に言われます。うん、知ってる、自分の年齢は知ってるけれど、それでも妊娠したいから受診しているわけで。いまから7年前、結婚したばかりのわたしに「今のうちに妊活を!」と伝えたいですが、時間は戻せません。

 

不妊治療経験者のBlogなどを読んでいると、「タイミング法を数年継続していたけれど、体外・顕微受精でないと妊娠しにくいことが検査してみて初めてわかった」というような話もチラホラ目にします。

年齢を重ねるほど「卵子の質」は落ちていき(※)妊娠の可能性は低くなるわけで、自然妊娠が難しいとわかれば、早めに次のステップに切り替えた方が時間は有効に使えますよね。

 

不妊治療では何かと「卵子の質」というワードが出てきます。

で、結局のところ「卵子の質ってなんなの」と思うわけですが、以下のページの説明がわかりやすく、理解できました。

高齢になると染色体異常の卵子の割合が増えていきます。染色体異常の卵子(もしくは精子)は受精しても胚分割が進まなかったり、着床しなかったりすることがほとんど。なので、高齢になると採取できる卵子の数も減りますが、採卵数が確保できても卵子のうち妊娠できる質の高い卵子の割合が低くなります。

 

 わたしの主治医の「早めに人工授精に切り替え、それでも難しければ顕微にステップアップしましょう」という判断は妥当だったなぁと改めて思います。

 

【悩み】不妊治療は夫との二人三脚。足並みを揃えるのに難儀する

2020年3月〜4月は、夫もわたしも仕事の繁忙期でした。仕事が忙しいとそれだけで気持ちのゆとりがなくなります。そんな中でも続ける不妊治療。

男性外来の受信や、検査に出すための採取など、当時は夫に説明して理解してもらい、行動してもらうことに難儀しました。なにせ、センシティブな話題です。責めていると受け取られないようなコミュニケーション、プライドを傷つけない表現を心がけて、協力して欲しいという姿勢で伝えるようにしました。

 

とは言っても、不妊治療は夫婦で取り組むものだという考えは、常にわたしの頭の片隅にあって。本来的には「夫に協力してもらう」のではなく、「夫にもっと当事者意識を持ってほしい」と思っていたのが正直なところです。

でも、「もっと主体的になれ」などと言われたら誰だってカチンとくるので、どうしたら抵抗なくこちらの望むように行動してもらえるかを考えていた気がします。

ちなみに、男性不妊に通い始めて2、3ヶ月を減ると、夫の理解も深まってきて、今ではずっと協力的になりました。

 

【悩み】日程調整の難しさ

まず、通院の頻度。月に2、3回は受診する必要があり、かつそれが突発的に決まることもあります。

治療が進むと、例えば生理開始の3日後に受診しなければならない、ということが毎月になってきます。わたしは生理がわりと定期的に訪れてくれるので、大体の予定の目処は立つのですが、とはいえ2、3日の誤差は出ます。なので、仕事の会議や作業の合間に通院をねじ込むための業務調整には苦心しました。

(この時期はまだタイミング法をとっていて、採卵はしていなかったので、受診日がずれることにさほど影響はなかったと思うのですが、体外・顕微受精のステップになると、ピンポイントでその日に受診できることが非常に重要な意味を持つようになります)

このあたりは、職場に不妊治療をすることを伝えるかどうかによって、調整のしやすさが変わってきそう。わたしの場合は、職場の誰にも不妊治療を伝えていないので(理由はまた別に記事にしようと思います)、自分から前のめりなくらいにガシガシ予定調整をしていました。

 

【悩み】タイミング法ならではの苦労も

タイミング法というのは妊娠しやすいタイミングで夫婦生活を持つ方法なので、言わずもがな、やることをやらないと授かれないわけです。

夫婦ともに仕事の繁忙期だったのは先に書いた通りですが、朝から晩まで働いた後に「おっしゃ、やるか!」という気になるかというと、「疲れた、今はとにかく眠りたい」という気持ちが押し寄せるわけで。

かつ、その「やる気」のバイオリズムには夫とわたしの2つの曲線があるわけです。「あー、波が合わねーわ」ということもあります。

 

また、後から夫に聞いたことですが、やはり「この日」とピンポイントに指定されるというのは、男性にとってはなかなか心理負担が大きいようです。こればかりは、女性側には理解しきれない心情、かつ変わってあげることもできないので、どうしようもないのですが。

治療ステップが進み、顕微受精を2回くらい試している時期に「いや、実はタイミング法はけっこうキツかった」と夫がこぼした時に、キツい思いさせて申し訳ないなという気持ちが沸き起こったのと同時に、「あ、不妊治療についてもちゃんと本音を言い合えるようになってきたな」とちょっとうれしかったりしました。

 

 

ということで、2020年3月〜4月:40歳2〜3ヶ月の不妊治療記録でした。

 

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