365日の顛末

こころとからだの健康、不妊治療、キャリア。試行錯誤の365日の記録。

【不妊治療】治療に役立った、不妊治療の参考書籍(内容の紹介つき)

わからないとすぐにググるわたしですが、こと不妊治療についてはネットの情報ってにわかに信じられなかったりします。

ネットって匿名性も高いですし、妊娠したい気持ちを利用してビジネスにつなげるような怪しげな情報もちらほら。

やっぱり安心できるのは書籍の情報なので、不妊治療の基本的な知識を得るために、顕微受精にステップアップするタイミングで、書籍を読むことにしました。


わたしが読んだ不妊治療関連書籍の中から参考になったものを紹介します。

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書籍で知識を身につけようと思った理由2つ

情報を制するものはなんとやら。効率のよい不妊治療はきっと情報戦。

顕微受精にステップアップするときに、通院中のクリニックからの説明が不十分に感じられたことを書きました。

クリニックの対応を一方的に非難しているわけではなくて、質問すれば、もちろん先生も看護師さんも答えてくれるのです。

ただ、如何せん不妊治療を始めたばかりのど素人のわたしは、診察で先生からの説明を受けてもメモを取るので精一杯、その場でその言葉の意図を読み取り、自分の頭の中にある情報と付き合わせて質問するということはできませんでした。

なにせ、自分が何がわかっていないのかも、わからないのです。質問のしようがないわけです。

 

加えて、体外受精・顕微受精というステップになると、普段の生活では耳慣れない医学的なワードも飛び出してきたりします。そうなるともう、何を説明されているのかちんぷんかんぷんでした。

 

体外受精・顕微受精となると、1周期あたりに必要な費用も数十万単位になってきます。ちゃんと理解して、自分なりに納得した上でないと、治療を進める気にならない金額になってきました。

先生に「次回はこうしますが、いいですかね」と確認されても、いいか悪いか、その妥当性も根拠も、わたしにはわからないのです。通常はどんな選択肢があって、その中からその診療方針を採用した根拠が何なのか説明してもらえるといいのですが、なかなか具体的な説明は得られません。

もちろん、病院側もインフォームドコンセント的な観点から、患者に十分な説明をした上で進行するべきだと思いますが、自分の無知を病院側の責にするのも無責任な話で。

 

ちゃんと、不妊治療の基礎を理解して治療を進めようと思ったのが、不妊治療に関する書籍を読み始めたきっかけです。

 

「こころの闇」の解消法も、やっぱり知識と理論武装だと思う。

加えていうならば。

不妊治療って沼です。通院している方はみんな必死だし、投資金額も大きいので、誤解を恐れずにいうならば「よいビジネスになる」はずなんです。不妊治療を継続している人を対象にした、一見怪しげなサプリや、心理カウンセリングのサービスなんかもあったりします。

怪しいなぁとは思うのです。それでも、数百万円を不妊治療につぎ込んでも妊娠できずに、年齢的に治療継続を諦めていく方の体験談もたくさん目にしている中で、数万円のサプリ、数十万の投資で授かれるならば、と思ってしまう瞬間があるのは、とても理解できるのです。

そういった「不妊様に群がる商売」を目にしながら、治療結果が芳しくない状態が続くと、だんだんクリニックに対しても不信感を持ってしまいがちになるんですね。この医師たちも結局金儲けという視点で患者を見ていたりするのかな、と。

いわゆる疑心暗鬼状態。不妊治療の「こころの闇」のひとつだと思います。

 

正直、わたしもクリニックに対して不信感を持ってしまう時期というのは今までに何回かありました。クリニックを信用できないときに、もっと信用できる情報を頼るということができればまだ気持ちは楽なのですが、「信用し切れないものの、クリニックのみに頼らざるを得ない」というのが、わたしには結構なストレスでした。

こういう疑心暗鬼な心理状態や、闇雲に美味しい話に乗っかりそうになったりするのは、無知が原因してると思うわけですよ。ある程度、自分に知識がつき、現実的な判断ができるようになってきた自信がつくと、不安や疑念が湧き起こる頻度は下がるはずなんです。

知識をつけた上で疑問に思ったことは、論理的に質問して解消すれば良いし、回答に信憑性がないと判断したなら、そのときは転院を考えればいい。

いましんどいのは、わたしの無知のためだ。そう考えて、書籍を読んで耐えました。

っていうか、今も進行中なので、過去形じゃないな。

今もなんとか耐え忍ぼうとしてる感じです。笑 

 

 

おすすめの書籍

で、早速、おすすめの書籍です。

 

不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」 (ブルーバックス) (日本語) 新書 -  浅田 義正 (著), 河合 蘭 (著)

不妊治療を考えたら読む本 科学でわかる「妊娠への近道」 (ブルーバックス) | 浅田 義正, 河合 蘭 |本 | 通販 | Amazon

Amazonで買えます。わたしはKindle版を購入。

 

去年の5月末に購入して以来、何度も繰り返し読んでいます。

医師とのやりとりでに難儀した時に、基礎知識をつけようと思って読んだ本です。

語り口もわかりやすくて、読みやすいです。内容は、臨床データに基づいたエビデンスのある話が土台なので、説得力もあります。具体的な数値データや実績値も掲載されているので、「こういうケースが何割程度の確率で起こりうるのか」などを考えるのにも役立ちました。

6章からなるのですが、簡単に内容を以下に記載します。

 

目次より

1、日本の不妊治療の実態を踏まえた課題

2、妊娠の医学的なメカニズム(基礎的な内容なのに、意外と知らない情報がたくさんありました)

3、不妊検査の最新事情

   不妊治療に関わる検査の種類や、それぞれの検査でどういったことがわかり、

   その結果を踏まえてどのような診療方針が選択肢として考えられるかなど

4、一般不妊治療と卵巣刺激法

   タイミング法・人工授精・体外受精・顕微受精というステップ

   様々な卵巣刺激法の違いと、それぞれのリスクなど

5、体外受精と顕微受精

   そもそも、体外や顕微をすすめられる人とは?

   治療の流れとスケジュール

   胚の評価方法

6、胚の移植と凍結

   独身なら卵子凍結しておくべき?

   2つ移植するか、1つ移植するか

   いよいよ卵子がなくなってきたときの”最終手段”

   40代の胚で妊娠率を上げるコツ

   子宮内膜を妊娠しやすい状態に整える

   妊娠判定

さらっと目を通していただければおわかりいただける通り、治療ステップ基づいて、一連の治療の流れの説明を網羅しつつ、具体的な数値やデータも含めた実例も紹介している、とても参考になる書籍でした。 

各章には、不妊治療に関するFAQも掲載されています。

 

加齢が妊娠にどのような悪影響を与えるかという耳が痛い話も具体的な数字とともに説明されていました。あまり具体的にクリニックで説明してもらえたことがないので、言葉の定義の解釈に迷う「卵子の質」の問題ですね。

一つの良好胚盤胞を得るには平均13個の卵子が必要で、年齢を重ねるほど、良好胚盤胞になる可能性も低下する事実などが、具体的な数値ともに述べられています。

目を背けたくなりますが、良薬口に苦しですね。事実として受け入れないといけないな、と思ってインプットしました。

 

 

 

今すぐ知りたい! 不妊治療Q&A 基礎理論からDecision Making に必要なエビデンスまで (日本語) 単行本 – 久慈 直昭 (著)

今すぐ知りたい! 不妊治療Q&A 基礎理論からDecision Making に必要なエビデンスまで | 久慈 直昭 |本 | 通販 | Amazon

こちらは年が明けてから購入しました。

受け身にならないために、治療の選択肢を理解したい

数打ちゃ当たる理論で同じ治療を続けて妊娠すればよいのですが、もし不妊の原因をある程度突き止められるとしたら、そしてそれに対して対策を講じられるのであれば、それに越したことはないですよね。

2度の顕微受精で陰性が出た後、ひょっとして、そういった診療方針の変更・示唆をクリニック任せにしていてはいけないのでは、と感じていました。

例えば着床の窓ずれがあったのに、それに気づかずに結果につながらない移植をしていたのだとしたら?不妊治療経験者のBlogを読んでいると、妊娠が難しくなる年齢になって不妊原因が特定できて、「前もってあの検査をしておけば」と後悔されている内容のものも散見します。

 

クリニックの医師とやりとりしていて思うのは、こちらから「●●という方法を選択することはできますか」「●●の可能性はないでしょうか」などと質問すれば答えてくれるのです。ただ、こちらから言い出さないと、余程親切な医師でない限り上記のような示唆を受けるのは難しそうだ、と痛感しました。

 

1ヶ月に数百人の通院者を相手にする医師からすれば、患者一人一人のオーダーメイドを考えていたらキリがないのかもしれません(高い治療費を払っているのだから、医学的見地からの示唆出しは担保してほしいところですが)。

なので、自分から積極的な選択・選別ができるようにしたいと考えたことが読むきっかけです。

なかなか胚盤胞に至らない、移植しても着床しないという場合に、何が原因として考えうるのか、どんな選択肢を取りうるのかを、もう少し深く理解しておきたいな、と思ったのです。

 

Amazonの商品説明分

Amazonの商品説明分にも以下のような文章があります。

知識を整理し深め臨床でその知識を使えるように,

さらに不妊治療に携わる看護師・胚培養士・カウンセラー,

あるいはインターネットで様々なことを調べたが何が本当かわからないと悩む患者さんにも,

疑問をQ&Aから見つければ,一通りの知識が得られるように工夫して編集。

 ネットで得た情報が正しいのか、自分で判断できずに困ることは多かったので、めっちゃ刺さりました。

そもそも、本のタイトルが「Decision Making に必要なエビデンスまで」ですよ。医師の説明を受けて、どうDecisionをMakingすれば(ルー大柴)よいかわからずにヤキモキしていたので、ドンピシャです。

 

ちょいとお値段お高めの5,500円です。なぜならば、医療者向けの医学書籍だから。Amazonのレビューを見てみると医療従事者が購入しているケースも少なくない様子。とはいえ、文章は平易でわかりやすく説明されています。

 

また、目次が細かく整理されているので、知りたい情報が記載されているページから読み進めても理解できるように編集されている点もよかった。医学書籍で、それなりのボリュームもあるので、かいつまんで読める構成は、非常に助かりました。

 

目次より

1章:不妊治療を開始するポイント

2章:不妊治療を開始する前に

3章:不妊治療における一般的な検査と治療

4章:生殖補助医療

5章:反復着床不成功の原因と治療終結

6章:不妊治療とサプリメント・代替医療・生活習慣

7章:配偶子提供・代理懐胎

8章:妊孕性温存法

9章:その他、不妊治療に関わる規制・法律など

10章:不育症の原因と治療 

治療開始前から治療のステップそれぞれを説明しつつ、5章ではARTの陰性が続いた場合に何を疑えば良いか、例えばPTGーAや、ERA検査(着床ウィンドウのずれを確認するもの)についても紹介しています。

男性・女性それぞれの年齢が上がることが、妊娠率などにどう影響するのかも、データ・グラフを基に詳細に解説されています。

 

また、不妊治療に関する書籍だと、クリニックで受けられる治療を中心に記載していて、代替医療には触れない内容のものが多い印象があったのですが、こちらではビタミン・サプリ、健康食品、ホメオパシー、漢方・東洋医学、レーザー治療、ミトコンドリア移植などが、妊娠率向上に影響するかといったことが書かれています。どういった症例に適応するかにも触れられているので、自分に必要そうか、そうでないかも理解しやすいです。

以下は抜粋です。

妊娠に向けて有効なサプリメント

 1)抗酸化サプリメント

  ①メラトニン

  ②レスベラトロール

  ③Lカルニチン

 2)DHEA

 3)エビデンスの不明なもの

  ミトコンドリア、プラセンタ、イソフラボンには、

  現時点では不妊治療に有効という明らかなエビデンスはない

 不妊に効果のある健康食品は?

不妊に有効とされるビタミン剤やサプリメントをのぞき、evidenceのある特定の健康食品や「トクホ」は今のところない。妊娠に向けては、健康食品に頼るより、バランスのよい食生活が重要である

過剰摂取に注意するもの

  • 健康によいイメージの大豆製品だが、イソフラボンの一種にステイン摂取で妊娠率低下の報告があり、豆乳を飲み過ぎると月経周期が乱れるとの報告もある
  • ビタミンAは体内で合成できなく。胎児の発達に必須の因子だが、動物性ビタミンAの過剰摂取は胎児形態異常の危険がある。

不妊に関するホメオパシーの効果は?

ホメオパシー専門誌であったり、岩塩や黄体ホルモンなどのレメディが処方され有効であったといった個々の症例報告レベルであり、明らかなエビデンスは認められない

漢方・東洋医学

ラットを中心とした動物実験で、漢方薬投与により黄体形成ホルモン(LH)や卵巣刺激ホルモン(FSH)、プロゲステロン(P4)などのホルモン分泌が促進されるなどの効果が示され、人でも同様な効果が認められている。

漢方医療と肩を並べる治療法に鍼灸治療がある。胚移植当日に進級量を併用することで妊娠率が優位に改善したという報告もあり、(中略)東洋医学は胚質改善の観点からも不妊治療に有効であると考えられる。

 

妊娠できるならば藁にでもすがりたい不妊治療者の心情を利用するようなビジネスも存在する中で、不要なものは不要とバッサリ言い切ってくれるのは、ありがたいですね。

 

 

日本で実現するにはまだまだ諸々のハードルがありますが、配偶子提供(要するに精子提供)、代理懐胎(妊娠を望む不妊夫婦の受精卵を妻以外の女性の子宮に移植する代理母など)についても触れています。

子どもがほしい夫婦であれば不妊治療で望む結果が得られなかったときに検討する可能性のある選択肢だと思うので、こういった情報にも触れているのは、本書が不妊治療について網羅的にカバーしていることの表れだと思います。

 

また、不妊治療で妊娠したのちに気をつけることなどについても、整理して記載されています。

 

わたしは、現段階では自分が欲しかった情報を十二分に得ることができたと感じています。

5,500円の価格は決して高くなかった!

 

今後も、不妊治療についての書籍で、読んでみてよかったものがあれば紹介していきます。

 

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