以前から、不妊治療で現在通院している加藤レディスクリニック(以下KLC)から、リプロダクションクリニック東京(以下リプロ)への転院を検討しようかと思っていましたが、
具体検討のために先日リプロの初診を受けました。
リプロダクションクリニックについて、転院検討の理由
東京(新橋)と大阪(日本橋)にある不妊治療専門クリニックです。
不妊治療のあれこれについてWeb検索した際にリプロ東京の公式blogがヒットすることも多く、そういった意味では以前からお世話になっていました。
(医学的な情報に関しては、クリニックが責任もって発信している情報 or
根拠としている参照論文が記載されている情報 以外は、
気にしすぎないように努めています。クリニックの口コミはまた別です。)
また、個人のBlogやSNSなどでの先人の不妊治療戦士のクチコミを見ていると、
KLCで胚盤胞ができずに、リプロへ転院して胚盤胞を得た方を
多く見かけるように感じています。
Twitterでは、30台前半の方はさほどフォローしておらず、
比較的年齢の近い30代後半〜40代の方をメインでフォローしているので、
かなり情報バイアスがかかっている自覚はあるのですが、
特に年齢層が高めの方や着床窓ずれなどの事情がある方は、
他院で期待する結果を得られずにリプロでうまくいっているケースが目につきます。
KLCは自然周期・低刺激法での採卵を強く推奨する方針をとっていますが、
採卵数が減ってきているわたしには結構きついというのが実感です。
加えて、これまでの通院経過から
- DHEAサプリについての問答
- その他採卵数や胚盤胞発生率を上げるためにできることがないかを聞いても、「年齢が高いからそんなものです」との回答が続き、医師からは何の示唆も得られないこと
- 男性不妊に関するフォローが皆無
などを踏まえて、リプロ転院を検討することにしました。
↓ KLCでDEHAやEMMA/ERA/ALICEについて質問した際に医師から説明された
KLCの診療方針については、以下の記事に詳細を記載しています。
誤解しないでいただきたいのですが、KLCの方針を批判しているわけではないです。
採卵数の多い方、若い方は、KLC方針で試すという選択も有効だと思います。
(35歳以下ならばKLCの大きな特徴のひとつである
成功報酬制のお得な料金プランも選択できますしね)
わたし個人の事情を離れた一般論としては、
医療に限らず、一定水準のサービスを出来るだけ低コストで提供しようとすれば、
個々のケースでのカスタマイズせずを最小限に抑えて、
同じプロセスでオペレーションした方が効率的なのは言うまでもないですし、
そういう形で培養技術の評判が高いKLCが治療コストを抑えているのは、
不妊治療の検討層全体に対して、とても意味があることだと思っています。
一方、わたしはさほど時間に猶予がないので、
院内で確立された手法から外れた「個々人に合わせたアプローチ」が
期待できないクリニックは不向きだと判断した次第です。
初診までの流れ
初診申し込みのステップは、以下のような形でした。
- 初診申し込みのための問診票に記入して、リプロに送付する
- リプロに電話して初診予約する
- 過去の検査結果のコピーを用意して初診に備える
1. 初診申し込みのための問診票に記入して、リプロに送付する
初診を申し込むにあたって、事前に問診票に記入する必要があります。
リプロのWebサイトから問診票をDLして記入します。
わたしはメール送付用のExcelフォーマットに記入しましたが、
郵送用のpdfのものもありました。
記入済の問診票と合わせて、保険証の画像(郵送ならコピー)を合わせて送付します。
2. リプロに電話して初診予約する
①の問診票を送付した後に、電話で予約を入れます。
郵送の場合は定かではないのですが、問診票の確認に
1営業日のタイムラグがあるらしいので、翌日に電話するとよいと思います。
わたしは送付後すぐに電話してしまったため、問診票を受付で確認できていないらしく
「明日改めて予約の電話をしてください」と案内されました。
ちなみに、業務を調整する都合もあって、初診申込の電話から平均何日後の枠から
予約できるのか質問したところ、平均2,3営業日後と回答いただきました。
最初に通ったクリニックは予約から1ヶ月待ちだったので、早さにびっくり。
実際にわたしが予約した時も、最短で電話の3日後から予約できました。
3. 過去の検査結果のコピーを用意して初診に備える
電話で予約した際に、初診時に過去の検査結果のコピーを
持参するようにと言われました。
別の院で受けた検査結果を、夫のもの、妻のものを分けてコピーしておきます。
その他
当初は紹介状や治療履歴のようなものの作成をKLCの医師に依頼するか迷いましたが、
事前に送付した問診票の項目が細かかったので、用意しませんでした。
並行してKLCでも治療進行中なので、迷っている段階であえて
転院を仄めかさなくても良いかなと思ったのと、
紹介状作成料などのコスト削減も理由のひとつです。
いざ初診
初診当日は受付 → 内診 → 問診 → 採血 →会計 という流れでした。
汐留シティセンター内にある院内は、天井が高くて、窓も多く明るい雰囲気。
2階と3階の一部がリプロのフロアですが、
6フロアにまたがっているKLCよりはこじんまりとした印象でした。
待合スペースにデスク席は少ないので、がっつり仕事しながら順番待ちするのは
難しいかもしれないです。
(KLCでも結局はソファー席で膝の上にPC置いて作業してましたけど)
受付
診察券を受け取り、過去の検査結果のコピーを手渡し、
次回以降の再診際の受付方法、予約方法、待合室利用や呼び出しについての
説明を受けます。
その後、待合室で自分の番号が呼び出されるのを待ちます。
内診
担当は男性医師でした。
「子宮筋腫がありますねー、これまでに言われたことありますか?」と医師。
わたし「はい、いくつもあるって聞いています」
医 師 「大きいのは34mmくらいありますね。同じくらいの大きさの他にもあるな」
医 師 「チョコレート嚢胞って言われたことはありますか?」
わたし「いえ、一度も。初めて言われました」
というやりとりがありました。
内診の際に、診察台が上がるまで医師との間をさえぎるカーテンを
引いてもらえない点が少し気になったのと
(慣れつつありましたが、その後問診で顔を合わせるにしても、
これから脚を開く部屋で男性医師と顔合わせるのって少し抵抗ありませんか?)、
隣り合わせの問診の声が内診しつに丸聞こえなのは気になりました。
(壁はあるのですが、天井近くでつながっている構造でした)
誰がどの部屋に入ったかなんていちいち気にしないので問題ないと思いますが、
問診室で話す内容ってかなりプライバシーに抵触する話だと思うので。
内診後は問診を待ちます。
問診
KLCと同様、リプロも担当医制ではなく、毎回担当医師が変更になるスタイルです。
今回は40代と思しき女性の医師が担当してくださいました。
問診票に記入した内容や、飲んでいるサプリ、過去の診察履歴などを確認されました。
問診票は、前回採卵の2/28の前に記入していたので、
2/28にも採卵していることを伝えました。
「(リプロ転院理由として)加藤さんのやり方だと採卵数が2個だから、
もう少し採卵数を増やしていきたいということですね」と医師。
そういう患者さんが多いんですかね、察しがいいです。
「良好な卵子を作るための栄養素で何か不足しているものがないかと合わせて、
着床する際にボトルネックとなる点があるかを確認する検査オプションもあるので
今後は診察を進めながら、この辺りの検査も検討していきましょう」と医師。
子宮収縮検査(エコー動画検査)は排卵後1週間ほど後に、
慢性子宮内膜炎検査(B-CE検査)は採卵日に行うことができるそうです。
慢性子宮内膜検査については、KLCではこちらから ERA,EMMA,ALICE検査について
質問して渡された資料に掲載されていただけだったので、
先々を見据えてとりうる治療や、受けるべき検査のマイルストーンを前もって教えて頂けるのは
非常にありがたく安心しました。
その他、採血結果が1週間後に出るので、結果確認を兼ねた再診予約と、
自己注射の説明会の予約をしてください、と案内されました。
これまでに皮下注ペンでの自己注射は経験がありますが、
リプロの自己注射はではなくアンプル&注射針を使う本格タイプ。
先端恐怖症なので、やや不安です。。
採血
試験管6,7本分、採血しました。
血液内の銅・亜鉛などの含有量も検査するとのこと。
検査項目はKLCよりも細かそうです。
会計の前に。チョコレート嚢胞について
ここからはちょっと余談です。
内診の際に尋ねられたチョコレート嚢胞については、問診で特に触れられず。。
知人にチョコレート嚢胞の方もいますし、病名はこれまでにも耳にしていましたが、
具体的にどんな症状・影響のある病気か理解できていなかったので、
内診後にスマホで調べました。
チョコレート嚢胞(卵巣子宮内膜症性嚢胞)は、本来、子宮の内側にあるはずの子宮内膜が、卵巣に発生することで起きる子宮内膜症の一つです。
(中略)
子宮内膜症患者の30~50%が不妊症になるとされ、妊娠を望む場合は大きな問題となります。
(中略)
悪性腫瘍の可能性がある場合は、MRIやCT、腫瘍マーカーなどの検査を行います。
チョコレート嚢胞(卵巣子宮内膜症性嚢胞)とは(症状・原因・治療など)|ドクターズ・ファイル:慶應義塾大学医学部産婦人科学教室 教授 青木 大輔 先生 より
これを見たときには正直、血の気がひきました。
情報にたどり着くまではドキドキして冷や汗をかいていたのですが、
不妊治療に大きな影響がありそうなことを読んで知った後はむしろ諦観が強くなって、
「いよいよ、この後の人生を夫とふたり、どのように楽しく過ごすかを
考える方向に振る判断をしないといけないかもな」とか
「チョコレート嚢胞だった場合に、夫や両親にそのことを
どのように伝えればよいか」などと考えたりしていました。
今回は初診で、診察の流れを把握できていなかったため、
採血後に再度問診があるのかな、と思っていたのですが、
採血の後に会計へと案内されてようやく、
今日の問診はさっきの1回で終了だったことに気付きまして。
「チョコレート嚢胞について」、わたしはその疑いがあるのか、
確実に該当する/しないのか、1週間もモヤモヤを抱えて過ごすのは嫌だなと思い、
受付に確認したところ、先生がもう一度問診してくれることに。
結果的に「内診の段階では2/28採卵を把握していなかったために、
内診医師がチョコレート嚢胞の可能性を疑ったんだと思う。
採卵後であれば子宮の腫れ・出血があるのは当然なので問題ない」とのこと。
ほっと胸を撫で下ろしました。
本日のお会計
保険内: 2,600円
自 費:34,045円
-------------------------
合 計:36,645円
-------------------------
累 計:2,289,356円
転院検討について
血液検査の項目が多いようなので妥当なのかもしれませんが、
KLC の初診が18,000円弱だったのに対して、
若干割高な印象ですかね。
とはいえ、全体として初診の満足度はとても高かったです。
少なくとも、患者さんに合わせて治療をカスタマイズしようとする方針は
リプロの方が数歩リードしていると感じました。
実際のところ、少し割安だったとしても妊娠につながらなければ
投資に対する回収はゼロ、意味がないわけですから、
今はかなり転院に気持ちが傾いています。
リプロは他院に比べると費用が高額だという話もよく耳にしますが、
料金表もいただいたのでKLCと比較しつつ転院を具体検討しようと思います。
費用や料金体型についてのKLCとリプロの比較も、今後記事にしていきますので、
興味がある方はご期待ください。
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