365日の顛末

こころとからだの健康、不妊治療、キャリア。試行錯誤の365日の記録。

【不妊治療ログ】8周期目 採卵周期D4:ERA / EMMA / ALICE検査あれこれ(2021年1月:41歳1ヶ月)

2/19は採卵周期の診察でした。

今回も16時半に予約を取り、採血等の検査をしてきました。

 

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採血検査 → 診察

E  2 :  58 pg/mL

FSH:11.5 mIU/mL

 「ホルモンの値も正常です。次は採卵周期ということでよいですね」と医師に確認され、いつものようにクロミッドを10錠処方されました。

 

今回は、今後の治療方針について、ERA、EMMA、ALICE検査を、先に受けておくべきかという自分の中の疑問に対するヒントが欲しかったので、その質問もしてみることにしました。

 

以前も書いた通り、「良好胚盤胞を得るためには26個採卵する必要がある」と仮説を立てたとして、1回で2個ほどの採卵しか望めない低刺激で採卵するには、相当な時間がかかります。

以前のクリニックでPPOS法で採卵した際には4〜5個の採卵数だったので、低刺激以外にも対応してくれるリプロダクションクリニック東京への転院も検討しており、追加検査や今後の診療方針について、改めて医師からどのような提示があるかを確認してみようと思っていました。

 

医師とのやり取り

今回は30代後半〜40代前半と思しき、男性医師でした。

「直近2回の採卵では、採卵数が2個ほどで、

 いずれも胚盤胞・凍結に至ってはいない状態です。

 胚盤胞を得るために採卵を繰り返す必要があることは理解していますが、

 採卵数を増やす、胚盤胞到達率を上げるために、

 何か他にできることはありませんか

と質問すると、

年齢を重ねると採卵数や胚盤胞到達率が下がるのは

 仕方がないことなので、特にないですね。

 採卵を重ねていくことです。」

と回答されました。

前回の採卵後にも別の医師に同じ質問をしましたが、

ほとんど同じ言い回しの回答でした。

加藤レディスクリニック は毎回医師が変わるシステムですが、

どの医師も同じ回答をするというのはブレがないという意味で、

捉えようによっては望ましいことかもしれないですね。

 

さらに踏み込んで質問してみます。

「では、仮にこの先、胚盤胞が得られて移植する時のことを考えて、

 今のうちに受けておくべき検査などはありますか?」

医師からの「特にありません」という回答を受けて、

少し突っ込んでみます。 

「胚盤胞に至るまでにそれ相応の時間がかかるのであれば、

 いざ移植周期に入ったときに、窓ずれなどによって着床しない可能性を

 排除しておきたいなとも考えたのですが、

 例えばERA、EMMA、ALICEなどを今の段階で受けておくことが

 有効だったりはしないでしょうか

 

この質問への医師の返答は「NO」でした。

 

ERA、EMMA、ALICE検査についての医師の見解

受けたければもちろん受けることはできるが、現段階で受ける必要性はない、というのが医師の見解でした。

なぜ現段階で受ける必要がないかというと、

  • 通常は胚盤胞移植がうまくいかなかった場合に、何らかの反復着床不全の要因があることを疑われてから受けるべき検査であるため
  • ERA、EMMA、ALICEについては、まだ診断結果の有用性が不確かで、例えば5年、10年経ったときには、行われなくなっている検査の可能性もあるため
  • 仮に今の時点でERA、EMMA、ALICE検査を受けるのだとすると、可能性のあるすべての検査を受ける必要が出てきてしまう。

ということらしいです。

1点目については、加藤レディスクリニック に転院後は移植を行なっていないので、合点がいきます。

2点目については少し疑問を持ちました。医療の世界は日進月歩ですから、現時点で有効とされている検査よりより正確性の高い方法が出てくることはあり得るとは思いますが、「診断結果の有用性」を疑うレベル感ではない理解でいました。

(っていっても、素人が書籍などを読んで得た知識なので、プロの判断が妥当だとは思うのですが)

 

 

書籍「不妊治療Q&A」におけるEMAの説明

困ったときは書籍をあたれ!ということで、毎度お世話になっている「不妊治療Q&A」を読み返してみました。


 

染色体正常胚の移植によっても、約4割が着床しないという論文(*)もあるそうです。

-Hartman GL, et al: Diminished effect of maternal age on implantation after preimplantation genetic diagnosis with array comparative genomic hybridization

良好胚盤胞を得るために必要な採卵は26個ですが、着床の打率6割ということは着床までで計算すると36個の採卵ってことですね。。さらに妊娠までで計算すると、、うーん、眩暈がしてきた。。 

 

時折、Webなどでも「ARTを数年間繰り返してきたが実を結ばず、ERA検査を受けたら窓ズレが判明し他ものの、ときすでに遅し」という夫婦の話を目にします。

金額にもよりますが、そういったリスクを減らすことができるのであれば、受ける意味はあると思うので。

 

EMMA、ALICEについては手元にある書籍には詳しい説明が載っていなかったのですが、少なくとも着床ウィンドウ(window of implantation:WOI)のずれ(移植時の子宮内膜が、肺を受容する状態にない)を調べるERA検査については、受けておく意味があるのではないかとわたし自身は思ってしまいます。

以下は、「不妊治療Q&A」からの抜粋です。

反復着床不全患者の約3割にWOIのずれを認め、移植時期を補正しpETを行なった場合の妊娠率は約50%だった。

(中略)

良好な妊娠成績が報告されている一方、ERA開発者以外からの論文発表は未だ少ない

(中略)

2018年のヨーロッパ生殖医学会(ESHERE)に置いて、着床前検査(PGT-A)とERAを組み合わせた前方私的パイロット研究の結果が報告された。正常胚を過去に移植し不成功だった15名に対しERAを行なった結果、86.7%がNRであり、WOIを補正して正常胚を移植(pET)したところ、100%が妊娠判定陽性、73.3%が出産あるいは妊娠継続に至った。 

うーん、やっぱり受けておきたい。

 

 

追加検査についてのパンフレットをもらった

↑のやりとりをして食い下がっていたところ、医師が追加検査のパンフレットを手渡してくれました。

「パンフレットを渡すと、クリニック側が検査をすることを勧めているように受け取られかねないのですが、あなたがどうしても受けたいというならば受けられるので、お渡しするだけです。こちらは一切すすめていないので誤解しないでください」と何度も念押しされました。

 

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ERA、EMMA、ALICEは移植周期を1周期潰して受ける必要があります。
子宮鏡+内膜の病理組織学検査と免疫寛容検査であれば、採卵周期に採卵に向けた準備と並行して受けることができそうです。

 

「次に来院した際に、この検査を受けたいという話を別の医師にされると、「何で前回の医師は(本来検査を進めるべきではないこの患者に)検査を進めたんだ」という疑問を持たれると思うけれど、こちらは一切検査を勧めていませんからね」と最後にまた念を押されました。

 

クリニックの方針や、医師間での刺し合いなどがあったりするのかな。。なんて勘ぐっちゃいますが、こちらが質問したことにはちゃんと答えて、ご本人は本意ではない様子ながらパンフレットも渡してくださったので、いい医師だなぁと思います。

 

本日のお会計

今日は会計なしでした。

 

 

これからどうするか

次回の診察はD11の2/26です。それまでに、加藤レディスクリニック で採卵するかどうかを医師明確にしておく必要があります。 

直近でリプロ東京の初診を申し込む予定もあるので比較して決めたいところですが、今周期での転院は難しそうなので、採卵を見送るか、もしくは現クリニックで採卵するか、ちょっと迷っています。

 

 

通院の日は感情の振れ幅が大きくなる

ここからは余談です。

通院した日の夜、Netflixで「ステップ」という映画を見ました。
山田孝之が主演で、ある日突然に妻に先立たれてしまった父親が、男⼿⼀つで幼い娘を育てていく10年間を描いた映画です。

 

幼い子どもの子どもらしい視点や、強がって背伸びする大人びた姿、戸惑いながらもそんな娘の様子を見つめ受け止める父親の姿を見ていたら、涙が出て嗚咽が止まらなくなってしまいました。 

なんだろう、感動したというだけではない複雑な心境。

「自分は本当に子どもがほしいんだな」

「戸惑うことが毎日起こるとしても、子どもを育てるという経験をしたいな」

「でも、それが叶わない可能性も多分になるんだな」

そんな事実を改めて感じて、涙が込み上げてきてしまった感じでした。

 

不妊治療にも次第に慣れてきて、以前に比べるとずいぶんと治療に対するストレスは減っているように感じていますが、それでもクリニックに通院した日は、妊娠や育児、子どもに関連の情報に感情を揺さぶられて、制御が効かなくなる時があります。

 

ふぅ。

強いことがよいことだとも限らないですが、こういうときに「わたしって弱いんだなぁ」と痛感します。

 

 

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