1/31に採卵した2つ、ひとつは受精ならず、ひとつは受精したものの初期胚盤胞の段階で成育が止まってしまったのですが、その際の請求書が届きました。
今日は、その請求書のお話。
そして、不妊治療とは全く別件で医師から説明を受ける機会があって、診療方針について「知る」「知らせる」ということについて改めて感じたことがあったので、今日はそれについて書きます。
高度不妊治療と培養の請求書(加藤レディスクリニックの場合)
加藤レディスクリニック では、ART段階で採卵・移植周期には毎回の診察時の精算は発生しないことが多いです。(初診のときは別ですが)
1回の採卵のためにD3,D10くらいのタイミングで受診しますが、その際の費用は採卵時にまとめて精算になります。
採卵時の消耗品4万円はその場で現金払い、その他の費用は現金・クレジットカード払いのいずれかを選ぶことができます。
その上で、凍結に至った個数に応じて、培養費用(体外・顕微)が発生し、こちらは後日郵送で請求書が届き、銀行振り込みします。
郵便物はこんな形で届きます。
一見、「加藤さんからの郵便物」。不妊治療の請求書だとはわからないですね。
2世帯で、ご両親には治療を伝えていない方、夫には伝えずに検査等を受けている方もいらっしゃると思うので、そういった事情にも配慮されているのだろうな、と思います。
そして、肝心の請求書はというと…
費目:胚盤胞培養中止費用
費用:88,000円(税込)
「胚盤胞培養中止費用」という表現をされると、結果に結びつかなくともかかったコストはきっちり請求されるという現実を突きつけられるようで、虚しさが募りますね。
もう少し、「培養・凍結なし」とか、なんつーかちょっとマイルド?な表現がありそうなものですが…、まぁ、費目がなんであれ出費は一緒なので、 完全にイチャモンではありますが。苦笑
本日の会計
ということで、精算です。
顕微・培養費用: 88,000円
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累計 :2,019,001円
ついに200万円の大台に乗っちゃいました。
やれやれ、仕事がんばります。
今年、わが家では不妊治療と並行して、中古マンションを購入してリノベする計画が進行中で、週末になると夫とふたり、中古マンションの内見に出かけたりしています。
不動産の購入という大きい買い物を前に、「頭金があと200万円あれば手が届くけれど、今の状態でこれを購入すると苦しいかなぁ」という場面にも出くわします。
そんな時に、ちらと「不妊治療費用が…」という思いが頭をかすめるのです。
もちろん、不妊治療はわたしがやりたくてやっていること。
治療を受けずに自然に授かれるに越したことはないのですが、それを言っても始まらない。できないのであれば、授かるためにできることをやるのみ、と考えて、自分から始めた治療なので、納得していないわけではないのです。
それでも、結果につながらず費用だけが膨らんでいく現状を思うと、やはり心にモヤがかかってしまいますね。
慶應病院での診察(夫の付き添い)
不妊治療から話題が変わりますが。
昨年夫が受けた人間ドックで不調が見つかり、その検査入院をするかどうかの判断のため、この週末は夫の慶應病院受診に付き添いました。
難病指定となっている疾患で、投薬が始まれば薬の費用が月10万円ほど、難病疾病申請をすると都道府県から補助が出るのですが、それでも月3万円ほどの出費になるそうです。
不妊治療をしていると、医療費に対する金銭感覚が狂ってきて、月数万円ならば痛くも痒くもないような気になってしまいますが、これからずっと毎月3万円の出費が続くとなると、実際には小さい金額ではないと思っています。(3年で100万円ですからね。)
その投薬を受けるかどうかの検査入院についての説明を受けるため、夫の受診に付き添いました。
担当の医師の方はとても熱心で、質問にも細やかに応えてくれました。実際の臨床データや、過去のケースの平均値も交えて、納得できるように説明してくださっていたと思います。
驚いたことに、こちらから質問した際に、まず「ありがとうございます、それはですね、、」と受けとめてくださる。
(質問に対して「ありがとうございます」と返されると、まるで営業担当者と話しているような気分になったりもして、最初はかえって警戒心を煽られましたが、ただ情熱的な医師で、親身になってくださっているだけでした。わたし猜疑心強すぎでごめんって思った。)
質問に対して、面倒臭そうな表情を見せずに、誠実に応えてくださるのって、大切ですよね。なんというか、信頼感を醸成する土壌の一つとして、重要な要素だと思うのです。
かつ、
- 難病申請を受けるかどうか
- 投薬を受けるかどうか
この2つの項目でそれぞれ異なる選択をした際のメリデメも整理して説明してくださいました。取りうる選択肢と、それぞれの良い点・リスクをちゃんと伝えたうえで、「納得のいく選択をしてください」と判断をこちらに委ねるような形でした。
不妊治療をしていると「次は〇〇(採卵・移植)でいいですね?」と医師から聞かれることが多く、その度「他に何かできることはあるのかな」「次に採卵する場合と、移植する場合とで、それぞれのメリデメはあるんだろうか。採卵が続いて、卵子の質に影響するってことはないのかな?」などと疑問が頭に浮かぶわけですが、その疑問を口にする前に、医師から積極的な説明を受けたことは、わたしはまだありません。
質問したとしても、納得のいく回答をくださる医師はごく一部で「皆さんそうされてますから」やら、「お好きに決めてください」やらという、もはや回答にもなってないような返答が来ることも多いです。
医療従事者の側でも、不妊治療においては、まだまだ「インフォームド・コンセント」に対する意識や水準が低いんだな、というようなことを感じた1日でした。
ふー。
とはいっても、医療側が変わるのには時間がかかりますからね。
そういうものだと事実は受け止めつつ、この状況でも有益な情報を医師から引き出せるように努めようと思います。後悔しない妊活ライフを送りたいものです。
そして、5年後、10年後に不妊治療を受ける方々が、少しでも晴れやかな気持ちで治療に向き合えるようになっているといいな、と思わざるを得ません。
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