先日実家に帰省した際、株分けしたハオルチア・オブツーサ(Haworthia obutusa)の株の幾つかを1鉢に植えたものを、父への手土産にした。
株分けしたオブツーサたち。
右下のものが親株で、残り3鉢が子株。
↓オブツーサの株分けについてはこちらで記事にしています
父からゆずりうけた多肉
そのお返し、というわけではないと思うけど、父がわたしが育てていない多肉植物で父が何鉢か育てているものを2種類、持たせてくれた。
ハオルチア・レツーサ(Haworthia retusa)
ひとつはこの子。
ハオルチア・レツーサ(Haworthia retusa)。詳しい品種名はわからない。
ハオルチア・レツーサ ツルピカ寿 Haworthia retusa kotobuki
実はハオルチア・レツーサを父からもらうのは初めてではない。
10年以上前にも「ツルピカ寿」という品種のものを分けてもらったことがある。
こんな子。
10年間の間にどんどん子株を吹いて、株分けしたものは植物好きな友人にお裾分けしたりしている。
今回ゆずりうけたレツーサと以前のツルピカ寿、姿形はよく似てるけれど並べてみるとそれぞれ全然違う個性があって、面白い。
今回父からもらったのは左上のもの。一枚の葉のサイズが全然違っている。
(話がそれてしまうけれど、厚みのあるこういった形状の葉を「枚」で数えるのって、なんか違和感がある。普通は「枚」って薄いものを数える時に使いますよね。でも葉っぱだし、これででいいのかな)
新入りの人は葉が大きくて、より肉厚。
緑色の具合も、新入りは深いモスグリーンに近い色だけれど、ツルピカ寿はもう少し明るい緑で、黄色の要素が強い。
窓(※)の部分の白い筋の入り方も、ツルピカ寿は一本線がすっと伸びているように見えるけれど、新入りはひび割れ模様のように見える。
※窓:多肉植物、とくにハオルチア属の葉の上の、水晶のように透明な部分のこと。葉の先が透明なのは、葉先が大きなレンズの役割をすることで、少ない光でも光を集めることができるようにするためらしい。
↓ 新入りの横顔。渋くてすてき。
ハオルチア・トランカータ 玉扇(Haworthia truncata)
10年前にツルピカ寿と当時にゆずりうけたのが、ハオルチア・トランカータ(Haworthia truncata)、日本だとトランカータよりも”玉扇”の呼称のほうが馴染みがあるかも。
この人。
クランプ株として育てようと思って、10年強株分けせずに育てていた状態がこの写真。
写真だとサイズ感がわかりにくいと思うけれど、鉢の直径は20cm以上ある。
去年、国際多肉植物協会主催の多肉植物バザールに行った時に、ナーサリーの方から「クランプで育てていると、病気になった時に全滅してしまう可能性もあるので、クランプ株の他に1株は別の鉢で育てておいたほうがいい」とアドバイスをもらった。
それを受けて今年ようやく株分けしたものがこの写真。
こうしてみると、やっぱり大きい。
Bowiea volubilis(蒼角殿)
今回もうひとつ譲ってもらったのはこの子。
蒼いタマネギから細いツタのような茎?葉?を伸ばす蒼角殿。
多肉植物の中に含まれるのか、少し自信はないけれど。
塊根植物なのかな。
よーく見ると、二株いる。
英語圏ではClimbiming Onionとも呼ばれているらしい。
確かに、タマネギの先端から出た芽が、蔓のように上に上に伸びていく姿は、”登る”って表現がぴったりかも。
タマネギの成長の過程で、タマネギの外側の皮に亀裂が入ったりすることがあるらしく、その皮が乾燥する前に葉刺しすると、小さな緑色の雫みたいな子株を吹くらしい。
子株を育ててみるのが楽しみ。
父と娘の会話
父とわたしの共通の趣味は、植物栽培と音楽。
そして、父はこうしてときどき、自分が育てている植物を分けてくれる。
以前は、スピーカーを譲り受けたこともあった。
実家に帰ると、「そういや、あの時に持って帰った植物どうなった」とか「こんな植物を新しく育て始めた」とか、「あのスピーカーの調子はどうだ」とか「最近はこういうジャンルの音楽を聴いている」とか、趣味の会話を必ず交わす。
そんな会話をしているときの父はとてもうれしそうに見える。
他の楽しい話や喜ばしい話をしている時のうれしそうな顔とは、また少し違う表情を浮かべているように、わたしには見える。
子どもが自分と似たような趣味を持っているって、どんな感覚なんだろう。
わたしには子どもがいないので、父の気持ちはよくわからない。
でも、植物や音楽の話をしてうれしそうに笑っている父の姿を見ていると、わたしもなんだかホッとする。
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