コウモリランのハンギングを育てている。
2016年の冬に、花屋の知人から譲り受けたものだ。
趣味で花屋をやっている知人が、ハンギング用のバスケットに植えつけて管理していたものを、引越しを機に手放すというので、安価で譲り受けた。
↓2016年12月、譲り受けた当時のコウモリラン↓
品種は確認していないけれど、一般に流通しているビフルカツムだと思う。
春〜秋はベランダで、真冬は屋内に入れて管理していると、あっという間に大きくなって、1年後の2017年11月下旬にはこんな感じになった。
バスケットをビカクシダの貯水葉が覆い始めている。
このままぐんぐん成長の勢いは衰えることがなかったのだけれど、次第に枯れた貯水用にしっかり水を溜め込む大株になってきて、水やり後の重量もそこそこ重くなってきた。
と同時に、木製のハンギングバスケットも経年劣化で壊れつつあった。バスケットと、アイアンチェーンの接合部もその重量に耐えられなさそうなので、バスケット自体とチェーン部分をビニールテープで補強したりしていた。
↓こんな具合に↓
補強したときはビニールテープが目について、見た目がイマイチになるのだけれど、1年も育てるとビニールテープの上を貯水葉が覆ってくれるので、気にならなくなる。
そんな感じで3年ほど経過した。
が、ついにアイアンチェーンが錆で腐食して千切れてしまった。
Oh..., これは千切れてますな。
3本のチェーンで支えられていたバスケット、1本のチェーンが切れたことによって、本来とは90度異なる角度でぶら下がっている状態。
今回はこれを修理して行く。
長くなるので、前後編分けて紹介します。
↓先に紹介すると、こんな風に仕上がった↓
完成度高くないですか?ほぼ理想通りに作れた。これ、売れる気がしてきた。
夫に「業者かよ」って言われたので、「会社に退職願出してくるわ」って答えた。
大株ハンギングの作り方は検索しても出てこない
いつかこうなるだろうなぁ、と予想はしていたので、コウモリランを譲ってくれた花屋の友人に「バスケットが腐食してきそうなんだけれど、どうすればいいのかな」と相談したところ「貯水葉が覆ってくれて自然と補強されるはずだから、特に補強しなくてもいいんじゃないかな、知らんけど」とのことだった。
貯水葉の成長とバスケットの腐食とどちらが早いかだなぁと思っていたけれど、腐食が先でした、はい。
で、だ。
よく、店舗装飾などにも用いられているようなコウモリランの大株って、とても頑丈そうなステンレス(?)か何かの金属のパーツで、天井から吊り下げられていたりする。
なので、そんな感じのパーツに付け替えられないかな、とか、仕立て直す方法を知りたいなと思ってネットで検索するのだが、求めている情報が載っていないのだ。
先のようなおしゃれなハンギングの画像はある。が、作り方がない。
作り方が掲載されているのは、小ぶりなハンギングバスケットを使うものや、苔玉を使って針金や、麻紐などの華奢な素材で吊るす方法ばかりである。
うちのコウモリランは、枯れ葉にたっぷり水分を含んだ水上げ後に片手で持ち上げようとすると腕がプルプルと震えるほどの重量なので、そんな華奢な奴らに体重を預けるのは心許ない。
で、仕方ないので、庭にロープやタープを張るときに利用するような、腐食に強い防錆・防水加工のなされた金属パーツを購入して、自分で試行錯誤しながら補強してみることにした。
完成のイメージ
無計画に材料を買い集めて無駄にしてしまうのもアレなので、どのようにしてコウモリランの重量を支えるかを事前にイメージしてみる。
あとはデザイン的なものも。どんな見た目に仕上げたいか。
なるべくシンプルでスッキリ見せたい。
↓このくらいシンプルだと理想的なんだけれど、これは対荷重3kgなので全然足りない。
こちら↓の吊るし方や仕立て方が知りたいけれど、書いてないなぁ。
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なかなかピンとくる画像がない。
本当は金属のパーツ1本で吊せるとシンプルで見栄えもいいけれど、重量を支えるという視点で考えると心許ないかもしれないとも思う。
やっぱり、ハンギングバスケットの半球状の部分を包むようにして支えるのが妥当という結論に至った。
絵にしてイメージしてみると、こんな感じ↓
右上にある図が真上から見た様子、右下が下から見た図。
ネットで、上記に使えそうなパーツを探してみた。
フックの部分や、吊るす箇所はそれなりの荷重に耐えられる素材を使いたい。屋外での使用を前提に作られた、防錆・防水・耐腐食が施されたステンレススチールが良さそう。
かつ、ハンギングの底面の半球を支える部分は、水やりなどの後はしばらく湿った状態が続くので、できれば金属の使用は避けたい。
耐水性も考えて、太めで丈夫そうな結束バンドを使うことにした。
↓こんな感じにしたいんです。
よーし、そうとなれば材料探しだ!
材料
- 金属パーツセット(ステンレス製)
- 結束バンド(長さ30cm)
- シンブル(ステンレス製)
- 丈夫なペンチ
1.金属パーツセット(ステンレス製)
イメージ図を描いて、ワイヤー、吊り金具、ハンギング本体とワイヤーをくっつけるパーツが最低でも必要になるなと思った。
Amazonを中心にネット通販を検索してみて、ちょうどよかったセットがこちら。
セットの内容は以下、赤字で記載されているのがパーツの名称。
初めて見る名前ばかりで、自分にこれが使いこなせるのかやや不安。。
↓こんな状態で届いた
2. 結束バンド(長さ30cm)
100均のものでもいいかなと思ったのだけれど、耐久性を重視してTRASCOのものを購
長めの30cm。iPhoneと比較すると結構長いのがわかる。
3.シンブル(ステンレス製)
ワイヤーロープを取り付けるにあたって必要になる金具がシンブル(写真左)。
こんな感じで使用する。
購入したセットに含まれている個数だと、シンブルが足りなくなりそうだったので、追加パーツとして購入した。
4.頑丈なペンチ
ステンレスワイヤーを切ったり、そこそこ頑丈なステンレスパーツ シンブルをこじ開けたりする必要があるので、家にある小ぶりなペンチだと心許ない。
そこで、ちょっと頑丈なものを購入。これはDAISOの500円商品をチョイス。
ちょっと話はそれるが、このペンチ、歯の部分を収納してコンパクトに折り畳むことができる。ペンチって工具箱の中で歯が開いてしまって、かさばる印象があったので、この工夫はうれしい。
↓このギミック感動した↓
これで材料は揃った。
早速制作していく。
制作工程
大まかな工程は以下のような流れ。
- バスケット部分の上部をぐるりと囲むように、連結した結束バンドを一周させる
- バスケット部分の、1で取り付けた結束バンドの下の箇所に、ネジ型のアイフックをバスケットをねじ込み、取り付ける
- 2で取り付けたアイフックと1の結束バンドとを、新たな結束バンドで連結する
- 結束バンドで輪を作り、バスケット部分の底を支えるパーツを作る
- 1で取り付けた結束バンドと、4で作った結束バンドパーツを、結束バンドで連結する
- シンブルをこじ開け、2で取り付けた、ネジ型のアイフックに取り付ける
- アイフックとアイ/アイターンバックをワイヤーでつなぎ、クリンピングループスリーブで固定する
- ワイヤーのバランスを調整して、完成
では早速、制作スタート!
1.バスケット部分の上部をぐるりと囲むように、連結した結束バンドを一周させる
バスケット部分の円周に合わせて結束バンドを数本つなげて、長い1本を作った上で作業するとやりやすい。
葉が邪魔になっていて、この写真だとわかりづらいかもしれませんが、黒い結束バンドで、バスケットのハチの部分をぐるりと一周させている。
ちなみに、後でこの工程で取り付けた結束バンドとバスケットの間にさらに結束バンドを通していくので、この段階ではあまりきつく締めすぎないようにするのがポイント。
結束バンドと本体の間に少し隙間が空いてるくらいでちょうどいい。
2.バスケット部分の、1で取り付けた結束バンドの下の箇所に、ネジ型のアイフックをバスケットをねじ込み、取り付ける
↓このアイフックを
先ほど一周させた結束バンドのすぐ下の部分に捻りながら差し込んでいく。
ハンギングしたときにうまくバランスを保つためには。4箇所差し込む位置がそれぞれ90度になるようにする必要がある。
かつ、コウモリランの株の成長点を傷つけないように、成長に影響がなさそうな箇所を選んで取り付けるように注意。
可愛がって育ててきたコウモリランなので、貯水葉にとフックを差し込んでいくときには心が痛んだ。
ちなみに、差し込んだ感触は「ザク、ザクリ」という感じで、キャベツに包丁を入れたときの感触に似てた。
3.2で取り付けたアイフックと1の結束バンドとを、新たな結束バンドで連結する
アイフックを差し込んだだけでは、少し心許ないので、最初にぐるりと取り付けた結束バンドとアイフックを固定していく。
ここはギュッと固く締めてしまって問題ない。
でも、最初に一周させた結束バンドはまだ隙間がある状態で、締めないでおく。
4.結束バンドで輪を作り、バスケット部分の底を支えるパーツを作る
これもハンギングのサイズと結束バンドの長さ次第だが、わたしは30cmの長めの結束バンドを使ったので、1本をくるっと丸めただけ。
この説明だけだと、何のこっちゃ訳がわからないと思うけれど、次の工程の写真を見ていただくと、おわかりいただけると思う。
5.1で取り付けた結束バンドと、4で作った結束バンドパーツを、結束バンドで連結する
最初にぐるりと一周させた結束バンドと、本体の隙間に結束バンドを通す。
その上で、先ほど作った結束バンドの輪っかを通して、固定する。
こんな状態。
これを、全体のバランスを見ながら、何箇所か繰り返していく。
そうすると、そこから見るとこんな状態で、そこを支える状態になる。
これで、バスケットを支える部分はほぼ完了!
ここまできたら、最初に一周させた結束バンドをギュッと固く閉めて大丈夫。
前半はここまで!
後半では、これを吊るせるように仕立てていく方法を紹介します。
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