365日の顛末

こころとからだの健康、不妊治療、キャリア。試行錯誤の365日の記録。

【不妊治療振り返り】治療スタートと検査ラッシュ(2020年3月〜4月:40歳2〜3ヶ月)

2020年に1月にクリニックに初診予約の連絡を入れ、2月に説明会に参加して、ようやく不妊治療のスタートラインに立ちました。

 

今回は2020年3月の診療記録です。

 

わたしが勤める会社では2020年2月下旬から、コロナ禍をうけて在宅勤務が始まりました。なので、平日でも喫緊の出社の必要がなければ、自宅での業務です。

わたしは自宅から徒歩10分ほどのクリニックに通っていたため、在宅勤務・リモートワークがデフォルトになったことは不幸中の幸いでした。

※仕事と不妊治療の両立という観点から、自宅・もしくは職場からアクセスしやすい場所のクリニックを選ぶことは、不妊治療を続ける上で重要なポイントだと思っています。クリニックを選ぶ時のポイントはこちらの記事にまとめています。

 

2020/3/7(2周期目

前回の診察時に「次は生理開始日から12日後に予約を入れてくださいね。前日に夫婦生活を持ってください」と指示を受けていました。

12日後の9:30に、診察を予約し、受診です。

 

コロナの影響もあって受診される方の人数は減っているようだけれど、それでもまだまだ混雑している院内。密を避けるために椅子は感覚を開けて座るオペレーションになっているため、土曜日とあればすぐに席が埋まってしまい、10時を過ぎると立って順番を待つ方の姿もちらほらいました。

もう少し席数が多いといいのだけどな。

 

【解説付き】ヒューナーテスト

まずは、ヒューナーテストを受けました。

ヒューナーテストとは

排卵日に合わせて性交を行わせ、2~3時間後に受診し、後膣円蓋の貯留液、頸管粘液を採取し、顕微下で精子の有無と運動率を観察する[1][2]。後膣円蓋の潮流液に精子を認めれば、確実に膣内に射精できておりかつ無精子症を否定でき、頸管粘液で25個以上/HPF認められれば、本試験陽性とされる

上記のWikiの説明には「2−3時間後」とありますが、実際はもっと時間が経っていても大丈夫です。(病院によるかもしれませんが、確か10時間以内くらいだったかな)

子宮頸管は精子の通過点であり、その先にある子宮、卵管を通って卵子を目指して進んでいきます。頸管粘液の中を精子が泳いでいくイメージです。このとき、入り口である子宮で精子がブロックされてしまうことで、なかなか妊娠ができないことがあります。

要は、子宮頸管の粘液を採取して、生き残っていて元気に動いている精子が確認できれば、自然妊娠できる可能性が高い、ということです。

この検査によって、子宮頸管粘液不全(頸管粘液が十分に分泌されていない)や、抗精子抗体が強い場合(精子は本来、異物ではないですが、精子を抗原と認識して女性の体内に抗原ができて、精子の動きを妨げるなど)は人工授精にステップアップしよう、という判断ができる形です。

 

子宮頸管粘液をとって、顕微鏡の見たときの様子を見せられたのですが、おたまじゃくしが動いていない。 姿は確認できるのですが、動いていない。「うーん、これは動いていないのでねぇ」と先生。

「早めに精液の検査をして、精子の数が少ないようであれば、早めに人工授精に切り替えていきましょう」と先生に言われた。「精液検査に出すから、早く持ってきてね」と念押しされてしまいましたよ。

ちなみに、頸管粘液はたっぷり分泌されているので問題ありません、とのことでした。

 

【悩み】精液検査を夫に頼みづらい

不妊の原因は男性にある場合と女性にある場合が半々ずつだと言われています。なので、不妊治療クリニックに最初に足を運ぶのが女性であっても、治療が進む過程で男性側も検査を受けることになります。

まずは精液検査。精子の濃度や運動率、奇形率などを確認する検査です。

不透明なジャー型のプラスチックカップをクリニックで渡され流ので、そこに採取したものを持ち込んで検査に出すか、あるいはクリニックの個室で採取して、そのまま検査に提出することもできます。

 

実は2月にヒューナーテストをした時にも、クリニックからは夫の精液検査を勧められていました。クリニックで採精用のジャーカップを渡されたのですが、検査を勧められたことと、採取してほしいことを夫に伝えると、夫は一気に不機嫌に。わたしの伝え方が下手だったのかもしれませんが、不機嫌になられることに納得が行かず、内心モヤモヤしていました。

あまりしつこく催促するとかえって心理的抵抗が高くなりそうだと思い、その後はあまり触れないでいたのですが、クリニックから催促されたとあれば、夫に改めてお願いしなければならないわけで。帰り道に気が重かったことをよく覚えています。

検査の件は、帰宅後にさらりと夫に伝えました。
次回は、夫の検査です。

 

あと、先生から具体的に「人工授精」というワードが飛び出したときに、何とも言えない感情になったのを覚えています。

タイミング法はもうそろそろ終了して次のステップへということなのですが、いったん不妊治療というベルトコンベアに乗ると、そのレールから降りない限り、否応なしに次の段階へと運ばれていくものなんですね(あ、もちろん、ステップアップせずに、いまの治療を続けますと主張することはできると思います。ただ結果に結びつかないですよね。。)

ステップアップの時には葛藤とか逡巡とか、もう少しいろいろな感情が渦巻くものかと思ってたんですが、「(ステップアップを)為さねば成らぬ」わけなので意外と自分の感情は淡々としていて、そんな自分に少し驚いたりもしました。

「為さねば成らぬ」のは事実だとして、「為しても成らないことも多い」のが不妊治療のつらいところです。

 

本日の会計 

保険適用:  890円

保  険  外:1,760円

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合 計 :2,650円

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累 計 :21,220円

 

 

2020/3/31(3周期目)

夫の精液検査をしました。自宅で採取したものを、朝一番にクリニックに提出する形です。

結果は次の診察時に教えてくれる、とのことで提出だけしてこの日は終了でした。

 

本日の会計

 

保  険  外:2,200円

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合 計 :2,200円

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累 計 :23,420円

 

 

2020/4/1

尿検査でLH値を確認して、エコーで内診するいつものコースです。

 

【気付き】採血検査をアウトソースするクリニックもある

ちなみに、梅ヶ丘産婦人科はクリニック内に血液検査ができるラボを持っていません。なので、血液検査をする時には、院外にアウトソースしています。なので、採血して検査に出した結果は当日には分からず、次回の診察時に伝えられる形です。

これは、わたしも通院してみて初めて知ったことでした。

排卵タイミング確認のためのLH値測定や、着床判定のための検査は採血で行うスタイルのクリニックも多いですが、梅ヶ丘産婦人科は基本的には尿検査でした。

 

精液検査の結果

そして、前日に提出した精液検査の結果です。

量と、濃度、運動率の3つの数字が検査項目です。

 

今回の結果は以下の通り。

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WHOが基準値として定めているのは、

量:1.5ml以上

濃度:1500万/ml以上

運動率:40%以上

 で、我が家は量と運動率が基準値よりも低い結果となりました。

 

これは、自然妊娠は難しい、ということになるのでは?

とはいえ、精液検査結果は同一人物でもタイミングによってかなりばらつきもあるそうで、例えば睡眠不足や前日の飲酒量、禁欲期間なども関係しているとのことでした。

 

「旦那さんに男性不妊外来で受診するように伝えてください」と主治医から言われました。

うーむ、これはなかなか難儀しそうだぞ。

 

本日の会計

保険適用:2,130円

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合 計 :2,130円

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累 計 :25,550円

 

2020/4/4

予約のとおり10時にクリニックへ。

10時を過ぎると、クリニックの席はすべて埋まっています。この時期は仕事の繁忙期で疲れ果てていたので、立って何十分も待つのはちょっと苦痛でした。

とは言え、立って診察を待っている方はわたしの他にもたくさんいるわけで、奥様の付き添いで来院されていて、椅子に座っている男性の方をみると「席ゆずってあげれば良いのにな」などと心の闇が出てきてしまう。。

 

血液検査の結果

採血で感染症検査を受けました。

結果は後日渡される形でしたが、問題なしでした。

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人工授精、後は顕微へのステップアップを打診される

診察はエコーで内診。

前回の精液検査の結果を踏まえて、やはり自然妊娠は難しそうだという判断になりました。

数よりも運動率が悪いことが理由とのこと。運動率が悪いということは、子宮までたどり着けない精子が多いということです。人工授精であれば、子宮まで届く管を通して精子を戻すので、運動率の影響を受けにくい、ということになります。

「タイミング法と並行して人工授精も入れる形に切り替えましょう。年齢も40歳を超えていますので、人工授精を1、2回試してみて、早めに顕微受精に切り替えた方が良いかもしれないですね」と主治医から明示的に提案されました。

 

【解説付き】体外受精と顕微受精のおおまかな違い

ここで、体外ではなく顕微受精を打診されたのも、量・運動率が関係しています。

体外受精は採取した卵子に精子をふりかけて(よく”ふりかけ”と呼ばれる所以です)培養するので、受精卵が育つかどうかは精子の数や運動率に大きく依存します。

一方で、顕微受精は、運動している精子を1つピックアップして、卵子の中に入れて、物理的に融合させてしまう形。運動率の影響は低く、元気な精子が少ない場合にも受精できる可能性が高いんです。

 

とはいえ、わたしの年齢も考慮すると体外受精か顕微受精が必要になることは想定の範囲。やらないことには授かれないので、前に進むのみです。

 

ということで、人工授精に関する同意書を渡されました。

夫とわたしの自筆署名に捺印をした上で、次回の診察時に持参することになります。

 

本日の会計

保険適用:  380円
保  険  外:9,460円

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合 計 :9,840円

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累 計 :35,390円

 

 

2020/4/8(夫の通院)

男性外来の受診をすすめられたことをうけて、夫の外来通院がスタートしました。

まずは、感染症検査です。

 

結果を渡されたのは後日でしたが、異常なしでした。

ほっ。

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不妊治療初期は、毎回何らか検査をします。

今回の検査の結果で異常値が出たら、妊娠するのは難しいって言われたりするのかなと考えてしまったりして、この時期は検査の結果を聞くたびにドキドキしていました。

この頃は初々しかったな…。今では検査にもすっかり慣れました。

慣れる前に授かって不妊治療を卒業したかったけれど、なかなかうまくはいかないもんですね。

 

本日のお会計

保  険  外:7,700円

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合 計 :7,700円
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累 計 :43,090円

 

 

2020/4/27

予約通り、9:00に受診しました。

通常のエコーによる内診を行ったのですが、この日に先生とどんなやりとりをしたのか記録に残しておらず、、。

 

自分、ズボラなもので。すみません。。

 

本日のお会計

保険適用:  380円
保  険  外:1,760円

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合 計 :2,140円

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累 計 :45,230円

 

 

2020年3月〜4月:40歳2〜3ヶ月の不妊治療通院まとめ

2月に治療をスタートして、3月4月は検査ラッシュでした。

その中で、夫の男性不妊の可能性が出てきたりと、検査してみないことにはわからないことが山ほどあるな、と実感した2ヶ月でした。

 

「卵子の質」と年齢の話

治療がスタートして受診すると2回に1回は「年齢が…」と主治医に言われます。うん、知ってる、自分の年齢は知ってるけれど、それでも妊娠したいから受診しているわけで。いまから7年前、結婚したばかりのわたしに「今のうちに妊活を!」と伝えたいですが、時間は戻せません。

 

不妊治療経験者のBlogなどを読んでいると、「タイミング法を数年継続していたけれど、体外・顕微受精でないと妊娠しにくいことが検査してみて初めてわかった」というような話もチラホラ目にします。

年齢を重ねるほど「卵子の質」は落ちていき(※)妊娠の可能性は低くなるわけで、自然妊娠が難しいとわかれば、早めに次のステップに切り替えた方が時間は有効に使えますよね。

 

不妊治療では何かと「卵子の質」というワードが出てきます。

で、結局のところ「卵子の質ってなんなの」と思うわけですが、以下のページの説明がわかりやすく、理解できました。

高齢になると染色体異常の卵子の割合が増えていきます。染色体異常の卵子(もしくは精子)は受精しても胚分割が進まなかったり、着床しなかったりすることがほとんど。なので、高齢になると採取できる卵子の数も減りますが、採卵数が確保できても卵子のうち妊娠できる質の高い卵子の割合が低くなります。

 

 わたしの主治医の「早めに人工授精に切り替え、それでも難しければ顕微にステップアップしましょう」という判断は妥当だったなぁと改めて思います。

 

【悩み】不妊治療は夫との二人三脚。足並みを揃えるのに難儀する

2020年3月〜4月は、夫もわたしも仕事の繁忙期でした。仕事が忙しいとそれだけで気持ちのゆとりがなくなります。そんな中でも続ける不妊治療。

男性外来の受信や、検査に出すための採取など、当時は夫に説明して理解してもらい、行動してもらうことに難儀しました。なにせ、センシティブな話題です。責めていると受け取られないようなコミュニケーション、プライドを傷つけない表現を心がけて、協力して欲しいという姿勢で伝えるようにしました。

 

とは言っても、不妊治療は夫婦で取り組むものだという考えは、常にわたしの頭の片隅にあって。本来的には「夫に協力してもらう」のではなく、「夫にもっと当事者意識を持ってほしい」と思っていたのが正直なところです。

でも、「もっと主体的になれ」などと言われたら誰だってカチンとくるので、どうしたら抵抗なくこちらの望むように行動してもらえるかを考えていた気がします。

ちなみに、男性不妊に通い始めて2、3ヶ月を減ると、夫の理解も深まってきて、今ではずっと協力的になりました。

 

【悩み】日程調整の難しさ

まず、通院の頻度。月に2、3回は受診する必要があり、かつそれが突発的に決まることもあります。

治療が進むと、例えば生理開始の3日後に受診しなければならない、ということが毎月になってきます。わたしは生理がわりと定期的に訪れてくれるので、大体の予定の目処は立つのですが、とはいえ2、3日の誤差は出ます。なので、仕事の会議や作業の合間に通院をねじ込むための業務調整には苦心しました。

(この時期はまだタイミング法をとっていて、採卵はしていなかったので、受診日がずれることにさほど影響はなかったと思うのですが、体外・顕微受精のステップになると、ピンポイントでその日に受診できることが非常に重要な意味を持つようになります)

このあたりは、職場に不妊治療をすることを伝えるかどうかによって、調整のしやすさが変わってきそう。わたしの場合は、職場の誰にも不妊治療を伝えていないので(理由はまた別に記事にしようと思います)、自分から前のめりなくらいにガシガシ予定調整をしていました。

 

【悩み】タイミング法ならではの苦労も

タイミング法というのは妊娠しやすいタイミングで夫婦生活を持つ方法なので、言わずもがな、やることをやらないと授かれないわけです。

夫婦ともに仕事の繁忙期だったのは先に書いた通りですが、朝から晩まで働いた後に「おっしゃ、やるか!」という気になるかというと、「疲れた、今はとにかく眠りたい」という気持ちが押し寄せるわけで。

かつ、その「やる気」のバイオリズムには夫とわたしの2つの曲線があるわけです。「あー、波が合わねーわ」ということもあります。

 

また、後から夫に聞いたことですが、やはり「この日」とピンポイントに指定されるというのは、男性にとってはなかなか心理負担が大きいようです。こればかりは、女性側には理解しきれない心情、かつ変わってあげることもできないので、どうしようもないのですが。

治療ステップが進み、顕微受精を2回くらい試している時期に「いや、実はタイミング法はけっこうキツかった」と夫がこぼした時に、キツい思いさせて申し訳ないなという気持ちが沸き起こったのと同時に、「あ、不妊治療についてもちゃんと本音を言い合えるようになってきたな」とちょっとうれしかったりしました。

 

 

ということで、2020年3月〜4月:40歳2〜3ヶ月の不妊治療記録でした。

 

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不妊治療に必要な栄養素と、クリニック推薦のサプリ。

クリニックの説明会で葉酸をサプリで摂るように言われたことは前回のエントリーに書いた通りです。 

 

クリニックでも妊娠するために必要となる栄養素について、説明会で教えてもらいましたが、ネットで不妊治療に取り組んでいる人の情報を見ていると、他にもいろいろサプリを摂っている人もいて、「わたしも他のサプリも飲んだ方がよいのかも」と思ったりしました。

 

最近は妊娠を望む人が摂るべき栄養素をミックスして「この一種類だけ飲んでおけば安心」というサプリもたくさん販売されてるし。

例えば、後に転院する加藤レディスクリニックでは、バイエル製薬が出している「エレビット」を薦められました。エレビットについては、後ほど詳しく書きます。

 

そこで、病院から説明があったサプリや、必要な栄養素について整理してみました。

 

 

葉酸

絶対必要なやつ。妊活に必要な栄養素って聞いて最初に思い浮かぶのが葉酸です。

一般に、1日に必要な葉酸の摂取量は400μgですが、妊活中は600μgくらいとるのが理想だと、梅ヶ丘産婦人科では説明されました。

女性だけでなく、男性も飲んだ方がよいらしいです。 

 

わたし夫婦はAmazonでも購入できるディアナチュラ 葉酸 を飲んでいます。

不妊治療スタート時に通っていた梅ヶ丘産婦人科クリニックでは、「葉酸はドラッグストアで販売されているサプリメントで充分」と説明されました。

 

加藤レディスクリニック では、具体的に接種しているサプリのブランド名も確認されたのですが、「ディアナチュラであれば、含まれているのは栄養素のみで、余分な成分は入っていないので大丈夫です」と丁寧にお墨付きをいただいたので安心。

こちらの葉酸サプリには、葉酸の働きを助けるビタミンB6、B12(後述)も配合されています。

 

葉酸の働きを助ける5つの栄養素

上記の葉酸を体内にとりこむためには、他の栄養素も必要になってきます。葉酸と合わせて飲むことで、葉酸の効果を高める栄養素です。

各栄養素については、エレビットのサイトに掲載されていたので、引用します。

 

亜鉛

タンパク質の合成や免疫機能、糖代謝に深く関係しているミネラルです。食物に含まれる葉酸を体内に取り込むために酵素の働きが必要ですが、この酵素の働きを亜鉛が助けます。

 

ビタミンC

美容のためのビタミンとしておなじみですが、体の細胞と細胞の間を結ぶコラーゲンというたんぱく質をつくるために不可欠な栄養素です。葉酸との関連では、生体内で活性化された葉酸を維持するために欠かせません。

 

ビタミンB6

タンパク質を合成し、筋肉や血液をつくるときに必要なビタミンです。また、タンパク質の代謝にも深く関わっており、不足すると皮膚炎や口内炎などを起こします。生体内で活性化された葉酸の代謝にも関わっています。

 

ビタミンB2

生体内では糖質、脂質、タンパク質を代謝してエネルギーにしていますが、このエネルギー代謝に深く関わっています。生体内での葉酸の代謝にも必須のビタミンです。

 

ビタミンB12

生体内では葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビンの生成に深く関わっていて、不足すると貧血などを起こします。また、葉酸の代謝サイクルの最終段階で、葉酸の再生成に関わる酵素の働きを助けます。 

 

 

2020年3月から、夫の男性不妊外来通院が始まり、葉酸の他にその他に亜鉛もとったほうがよいという話になり、ディアナチュラのアミノ マルチビタミン&ミネラルも飲み始めました。

亜鉛の他、ビタミンC、B2、B6、B12などのビタミン類、アミノ酸、ミネラルも含まれています。

 

さらに、男性不妊外来を受診した夫がクリニックに薦められたということで、Baby & MeのアンチオキシダントフォーメンVer.3を飲んでいた時期もありました。

(こちらは、クリニックで購入しています。)

 

注意した方がよいサプリメント

加藤レディスクリニックの初診時には、接種しているサプリについてブランド名含めて具体的に確認されました。なんでも、 サプリの中には、妊娠に悪影響を及ぼす可能性のある成分が含まれているものもあるそうです。特に美容目的を謳っているサプリ、海外製のものには、そういった成分が含まれるケースがあるようで、注意するように言われました。

具体的な成分も聞いておけばよかったな。

 

どこまでサプリ摂取が必要なのかの判断が難しい

不妊治療について調べると、医学的根拠が乏しい情報も含めて、いろいろな情報がヒットします。どれが本当に自分に必要な処置・処方なのかを自力で確認するのってなかなか現実的ではないのが実際。少しでも妊娠の可能性が高まるならば、とつい様々な製品に手を伸ばしそうになったりもします。

 

ラクトフェリンは不要らしい(KLC情報)

わたしは腸内環境を整える目的でラクトフェリンを摂取していて、加藤レディスクリニック では、「ラクトフェリンは膣内環境を整える目的ですか?」と質問されました。説明を聞くと、胚移植の前のタイミングで必要に応じて、膣内環境を整えるための膣剤を処方してくれるそうです。なので、膣内環境を整える目的でのラクトフェリン摂取は不要です、とのことでした。

少し脱線しますが、この時の加藤レディスクリニック の対応には感動しました。「もし膣内環境を整えるためだけにラクトフェリンを摂取しているならば、サプリもそれなりの金額ですし、不要ですよ」と言われてなんて親切な案内だろうと、思ったのを覚えています。

不要なものをはっきりと不要だと医学的プロが指導してくれるのは、ありがたい!誠実な対応だなと思います。 

 

ちなみに、梅ヶ丘産婦人科では、移植前の膣剤処方はありませんでした。この辺り、クリニックによって方針が違うかもしれないので、確認したほうがよいかもしれません。

 

これひとつ飲んでおけば安心:エレビット

いろいろな栄養素のサプリを飲むのはそれなりに面倒。最近は妊娠を望む人が摂るべき栄養素をミックスして「この一種類だけ飲んでおけば安心」というサプリもたくさん販売されています。

例えば、いま通っている加藤レディスクリニックでは、初診時にバイエル製薬が出している「エレビット」を薦められました。カルシウムなど、妊娠後に必要になる栄養素も含まれているので、出産まで飲み続ける方も多いとか。(ただし、ディアナチュラでも問題ないですよ、という補足付きです。営業色が強くなくて好印象だった)

 

【44%OFF】エレビットをお得に購入できるクーポンコード

エレビットは不妊治療の人ならば皆知っている妊活サプリ。

不妊治療を開始した時に調べて知ったのですが、30日分で4,500円とそこそこのお値段。これはディアナチュラの方が安いなぁ、とずっとディアナチュラを利用していたんですが。

 

加藤レディスクリニックでは、エレビットのサンプル(3錠)と割引購入できるクーポンコードを手渡されました。このクーポンを使って定期購入すると、4,500円⇨2,480円の割引価格で購入できちゃいます。

そして、この価格を見て、わたしはエレビットに乗り換えました。(現金なひと)

 

このクーポンは、おそらく加藤レディスクリニック 初診の方全員に配布しているものだと思います。(ちなみにわたしは2020年12月時点で受け取りました。)

他のクリニックに通院している方、もしくは通院先選びに迷っている方は初診だけ受けてみて、クーポンコードを手に入れるのもアリだと思いました。

 

 

【不妊治療振り返り】予約/説明会/初診まで怒涛の診察ラッシュ。気になる費用と症例実績(2020年1月〜2月:40歳1〜2ヶ月)

前回、通院する不妊治療クリニックを選ぶときに着目するポイントについて書いてみました。

 

わたしは、梅ヶ丘産婦人科に通院することに決めたところまでは、前回のエントリーに書いた通りです。

 

 

初診予約ができるのは1ヶ月後だった

梅ヶ丘産婦人科は完全予約制なので、不妊治療の受診を希望する場合には、まずは電話で予約をする形。

わたしが電話をしたのは年明け早々、最初の診察開始日だった。

電話した週の週末に受診できるかなと思っていたのだけれど、わたしの考えが甘かった。初診の予約枠はすっかり埋まってしまっているらしく、最短の週末に初診予約ができるのは1ヶ月後の2月初旬だった。

最初はそんなに待つのかと面食らったけれど、初診予約がいっぱいで最初の通院が先送りになるケースは、他のクリニックでも多いみたい。

※ 2回目以降の診察予約はWeb上からできるようになる。

 空き時間に電話なしで予約ができるのはやっぱり便利。

 

ちなみに、初回は不妊治療に関する説明会のようなものも兼ねていて、診察を受けた上で説明会にも参加する形になると案内された。

 

初診&説明会

説明会

まずは他の初診の方数名と合わせて2階に案内され、不妊治療についての解説プリントが配布され、説明を受ける。

大まかな内容は以下。

  • 特定不妊治療助成制度について
  • 治療のステップ
  • 取るべき栄養素や(このクリニックはBaby & Me押し)

 

特定不妊治療助成制度について

特定不妊治療助成制度を利用する際に、(1)制度利用の資格があるか(条件の確認)、(2)申請する際に必要になる書類についての説明があった。

※ 注意 ※

 以下の資格情報は2020年2月時点での情報です

 2021年1月以降に終了した治療について制度申請資格の条件が緩和されています。

 詳細は東京都特定不妊治療費助成の概要 東京都福祉保健局 で確認してください。

 

(1)制度利用の資格があるか

 ①申請可能な年齢か

 ②戸籍上婚姻関係があるか

 ③夫婦の所得(手取り)額の合計が905万円未満か

 ④申請する自治体=夫婦のうち、より収入が高い方の住民票がある自治体

 

(2)申請する際に必要になる書類等にについて

  • 各自治体が発行する医療機関が証明する証明書(助成事業受診等証明書)を用意する。証明書は各自治体のホームページからダウンロード可能。
  • 助成事業受診など証明書と合わせて、受付に依頼する(作成には10日ほどかかるとのこと)

 

うちはフルタイムの共働きなので、助成対象外だった。無念。

 

治療のステップ

タイミング法→人工授精→体外受精→顕微受精という段階で、治療がステップアップしていきますよ、というお話。

「体外受精説明書」というA4サイズ20ページの印刷物が渡されて、詳細はその内容を読んでおくように、と案内された。


サプリで摂取すべき栄養素(クリニックから説明されたこと)

任孕力を高めるために取るべき栄養素について。葉酸や鉄分を取りましょう、といった説明を受けた。

クリニックによって、おすすめするサプリブランドが違うというような話を聞いたことがある。梅ヶ丘産婦人科は「Baby & Me」というサプリを推している(待合室の壁にも紹介ポスターが掲示されている)ようで、説明会でも唯一具体的なブランド名を挙げて紹介されていた。説明してくれたスタッフさんは「葉酸などのサプリメントについては、ドラッグストアでも販売されているので、それを購入いただく形でも大丈夫です」と補足していた。

 

初診(=タイミング法1周期目スタート)

そして、初診。わたしを担当してくれるのは院長だった。

もともと、健康診断で子宮筋腫が見つかったことが不妊治療スタートのきっかけになっていたこともあり、それを伝えて内診で子宮筋腫も見てもらった。

子宮筋腫の位置、サイズ的に、妊娠への影響はないだろうと言われて一安心。

「それよりも年齢がねぇ」と言われたのが印象的だった。

「それで40まで不妊治療はしていないわけですねぇ。まだこれから先、いつかって感じなんですかねぇ」と先生。

いや、作る気になったから受診しているんですけれども、と内心苦笑いした。

先生は穏やかで物腰は柔らかい。でも、時々柔らかい口調のまま、さらりと煽ってきたりする。その後の診察でも同じようなことを言われたことがあった。

 

診療方針が決まる

まずはタイミング法からスタートするのがこのクリニックの習わし。

とは言えわたしも40歳なので、「タイミングは2、3回で、早めに人工授精や体外にステップアップしていうようにしましょう」と先生。妥当だと思った。

「まずは次の火曜日に夫婦生活をしてください。次の受診日は水曜日ね。帰りに受付で予約を取ってください」とのこと。

”夫婦生活”と表現するのか、という驚きと、ピンポイントで日付を指定されるのだな、という戸惑いを抱えながら、ヒューナー検査、頸管粘液一般検査、AMHなどを受ける。検査結果は次回の受信時に教えてくれるとのこと。

本日のお会計

保  険  外: 5,890円

保険適用: 5,870円

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合 計 :11,760円

 

 

診察2回目(初診4日後)

予定通り2回目の診察を受ける。

9:00に診察の予約をしていたのだけれど、朝10時半までに完了しないといけない作業があったので、早朝に自宅で仕事をして、9:00から診察を受けて、その後出社する流れにした。

ヒューナーテスト

ヒューナーテストを受けた。

残念ながら採取した子宮頸管粘液の中に、動いている夫のおたまじゃくしはいない、と先生に告げられる。「まだ排卵日が先なので、粘液が分泌されていないからかもしれませんね」と先生。金曜日にもう一度夫婦生活をもち、土曜日に来院するようにと言われる。

前回受けた、抗ミュラー管ホルモン検査・血液検査のフィードバックを受ける。

抗ミュラー管ホルモン(AMH)検査

※抗ミュラー管ホルモン(AMH)検査とは

AMHとはアンチミューラリアンホルモンの略で、採血で測定する。

現在の卵子の在庫=卵巣内にどれぐらい卵の数が残っているかを反映する。つまり、AMH検査で卵巣の予備能がどれほどかを知ることができる。 数値が大きい方が卵子の在庫が多い。

 わたしの数値は2.05ng/mlだった。ピンとこないが、40歳の平均値は1.47で、2.05という数値は、37歳の平均値よりは低く、38歳よりは高い数値とのこと。「年齢の割には数値は高く出てるので、うまくいくといいですね」と先生に言われる。

ここで注意しなければいけないのは、AMHの値は卵子の「在庫数」の予測値にはなるけれど、その値に卵子の「質」は全く反映されないということ。年齢を減るほど卵子の質は下がるといわれている。なので、採卵して受精卵を移植して妊娠に至るには、①卵子が取れること、②その卵子が受精して着床できるだけの力を持っていること(=質)という2つの壁がある。AMHで予測できるのは、卵子の在庫数、つまり卵子が取れそうかどうかという点のみだ。

 

↓AMH検査の結果

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血液検査

特に異常はなかった。

↓血液検査の結果

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本日のお会計

保  険  外:   890円

保険適用: 1,760円

----------------------------

合 計 :2,650円

----------------------------

累 計 :14,410円

 

 

3回目診察(初診の1週間後)

9:30〜別の病院の予約をしていたので、それが終わってから10:30に梅ヶ丘産婦人科に通院。

日記を確認したところ、座る椅子がないくらいに混雑していた様子。この頃は仕事が繁忙期で、空席を見つけて座った途端に睡魔に襲われて眠った、と書いてある。

診察に呼ばれたのは結局11:30頃だった。

※ちなみに、土曜日は混雑するので、診察を済ませた後に、院外で時間を潰すこともできる。受付を済ませると、受付番号が印字された紙を受け取るのだが、土曜日のみ現在受信中の受付番号が20分おきにWebで更新される。駅前のカフェで時間を潰し、自分の番号が近づいたらクリニックに戻ることもできる。

 

産婦人科はいろいろな女性がいて面白い。年齢も雰囲気も服装も様々で十人十色だけれど、ここにいる全員が子供を授かることを望んでいるのだと思うと、不思議な感慨が湧く。なんだかそのエネルギーというか気概のようなものに圧倒されるような思い。

いや、わたしもその中の一人で、圧倒されている場合ではないのだけれども。

 

内診

エコーで子宮の壁の厚みを測ったところ、厚くなっていて、排卵は今日か明日だと予想された。「今日か明日のどちらか、夫婦生活を持ってくださいね」と言われた。

「次回は生理開始から12日目に受診してください。受診の前日に夫婦生活もってね」と指示を受けて、診察終了。

 

本日のお会計

保  険  外:   590円

保険適用: 1,760円

----------------------------

合 計 : 2,350円

----------------------------

累 計 :16,760円

 

梅ヶ丘産婦人科の説明資料・費用テーブル

説明会で手渡された20ページちょっとの資料はとても参考になった。

掲載されていた情報は主に

 

  1. 体外受精・顕微受精・胚凍結保存について
  2. 卵巣刺激法別の、採卵までのスケジュール
  3. 2015〜2017年の治療実績
  4. 体外受精・顕微受精・胚凍結保存に関わる費用について
  5. 印刷物内の用語の説明

というものだった。

 

※ 注意 ※

以下に記載指定ある情報は、2020年1月時点で受け取った書類に掲載されていた内容です。それ以降の変更は反映されていませんので、ご注意を。

 

1.体外受精・顕微受精・胚凍結保存について

各ステップでどんなことをどのように行うのか、治療のリスクや発生しうる事態などを説明しているもの。治療周期の考え方や、各ステップの治療の流れなどを文章で説明しているもの。

文字ばかりだけれど、説明自体はとてもわかりやすい。今となっては基礎的な内容だと思うけれど、治療開始当時はまだ理解が進んでいなかったので、治療の流れを前もってイメージできる資料があるのは、心強かった。

 

2.卵巣刺激法別の、採卵までのスケジュール

Short法、アンタゴニスト法、クロミッド法、自然周期の4種類が掲載されていた。

結局わたしは上記のどれでもなく、PPOS(Progestin-primed Ovarian Stimulation)法で採卵した。PPOSは比較的新しい採卵方法のようだし、配布された資料は「2018年5月」の日付になっていたから、情報が古いのかもしれない。

 

各刺激法の違いや特徴、PPOSの説明は、リプロダクションクリニック東京の公式ブログのこちらの記事がわかりやすかった。

ameblo.jp

 

3.2015〜2017年の治療実績

 気になる治療実績について。

年齢によって妊孕力が下がっていくので、37際以下、38〜40歳、41歳の年齢帯に分けて、採卵・卵子採取・肺移植(新鮮胚移植・全胚凍結)、凍結胚移植、妊娠の症例数を掲載している。

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フロー図になっているので、採卵から凍結、凍結から胚移植、移植から妊娠までの歩留まりがわかりやすい。そして、年齢を追うごとにその歩留まりがわかりやすく低下している事実を突きつけられて、少し落ち込んだ記憶がある。

でも、後悔先に立たず。とにかく前進するしかない。

 

4.体外受精・顕微受精・胚凍結保存に関わる費用について

関心の高い項目「費用」について。

検査費用、卵巣刺激の際の薬剤の費用をはじめ、ARTにかかる技術料も掲載されていた。

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ART以降の治療費については、たいがいのクリニックで採卵個数や受精卵の数で費用が変動し、料金計算が複雑なのは上述の通りだ。でもこの説明書には、「採卵●個で、顕微受精●個であれば、費用はXXXX円」という例示も何パターンか掲載されていて、とてもわかりやすかった。

 

ちなみに梅ヶ丘産婦人科の会計の支払い方法は、採卵、移植の費用は銀行振り込みのみ、その他に関しては当日現金にて精算となる。クレジットカードは使えないので注意。(2020年時点)

 

5. 印刷物内の用語の説明

専門的な医学用語も出てくるので、それを解説しているページ。説明書を通して、ここに記載されていない語句もわからないものがあったりして、Google先生にたいへんお世話になった。

 

振り返り

始まってみたらやはり突発的な診察が多い。わたしはこの3回の通院のうち2回は土曜日でラッキーだったけれども、生理周期のタイミングによっては、なかなか業務調整がタフになりそうな印象だった。

1週間の中で3回も受診したので、このペースでの通院が続くのかと思って、ゲンナリした記憶がある。(もちろんそんなことはなかった)

 

ようやく不妊治療を開始できてホッとすると同時に、40歳を超えると妊娠の可能性が格段に下がるという事実を突きつけられて落胆した。

この時には年齢的に体外受精に進む可能性も大いにあるけれど、意外と授かれたりしちゃうんじゃないかしら、と思っていた。

 

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【不妊治療振り返り】治療開始前。クリニックを選ぶ時の6つのポイント(2020年1月)

少し前に、不妊治療についてのエントリーを投稿して、「その後の治療経過もこれから更新していく」と宣言したのに間が空いてしまった。

 

今回は不妊治療を受けようと思い立ってからの病院選び、治療スタート後のことを記録していく。

不妊治療って、やってみないとわからないことばかりで、今になって振り返ると「こういう視点でクリニックを選ぶべきだったな」と思うことや、「ここで悩むだだけ時間の無駄だったな」と思うこともある。

もちろん、不妊治療の形は十人十色、わたしのケースが他の方に当てはまるかはわからないけれど、いまだから思う「不妊治療クリニックを選ぶ時のポイント」もまとめてみようと思う。

 

わたしも通院先は迷ったし、情報が少なくて困ったりしたので、少しでも誰かの参考になったらうれしいな。

 

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前回までのお話

2019年の年末に受けた会社の健康診断で子宮筋腫が見つかった。

問診で「妊娠を望むならば、不妊治療も受けられる産婦人科を早めに受信することをお勧めする」と医者から伝えられ、ようやく重い腰を上げることにした。

 

↓ 前回のエントリーはこちら。

 不妊治療を受けるに至った経緯と、これまで妊娠を考えなかった理由などを綴っています。

www.sophy365.com

 

まずは病院探しから。病院を選ぶときのポイント。

毎年年初にその年に力を入れて取り組みたいことをぼんやりと考える。

1年前、2020年1月のわたしは、医者からのアドバイスのままに、その年の取り組む事項の中の一つとして「不妊治療」抱げることにして、手帳の今年の目標に、「不妊治療に取り組む。授かる」と記入した。言霊任せである。

 

ここまで長いこと後回しにしてきたわけだが、そうと決まれば善は急げ。年明け早々に受信するクリニックを選ぶことにした。

とは言え、不妊治療についてこれまで具体的に調べてこなかったので、どの病院に通うべきなのか、どういった観点から病院を選ぶべきなのかさえ、よくわからないのだ。これは困った。

 

よくわからないながら、クリニックを選ぶにあたって重視したポイントは以下の6つ。

①診察受付時間が長い

②高度不妊治療(ART)を受けることができる

③自宅・職場からのアクセスのしやすさ

④実績・評判が良い 

⑤診療費用

⑥男性不妊外来も備えている

それぞれの項目について、以下に説明していく。

 

①診察受付時間が長い

要は、朝早くから診察開始しており、夜も受診できること。

不妊治療を仕事と両立して進めるのはなかなかに難儀するという話は、不勉強なわたしでも知っていた。わたしはフレックス勤務で時間帯の制限は受けないものの、フルタイムで勤務している。今後も仕事を退職するつもりはない。フレックス勤務とはいえ、11-16時の間は業務対応できることが求められるし、繁忙期には早朝から、あるいは深夜まで拘束されるケースもある。

出勤前・退勤後にも受診できるような診察受付時間の幅の広さは、治療を続ける上で大切なポイントになるはず。そう考えた。

 

加えて言うならば。 

各病院の口コミを見ていると、仕事の調整がままならず予約をキャンセルした方が書いた情報などもあった。中には病院から「不妊治療に真剣に取り組む気のある方しか、当院では受け入れない」と苦言を呈されたとの書き込みもあったりした。

当人だって、不妊治療を最優先したい気持ちがありながら、泣く泣く仕事を優先して診察をキャンセルしたのだろうに、病院からも責められてしまったらたまったものではない。メンタルが崩壊してしまう。

なので、「仕事を続けながら不妊治療を継続できるように、診察時間を長く設けています」というスタンスのクリニックには心惹かれてしまった。

 

②高度生殖補助治療・高度不妊治療(ART)を受けることができる

不妊治療はタイミング法 → 人工授精(IVF)→ 体外受精(AIH)→ 顕微受精(ICSI)というステップを辿るのが一般的だ。

要は、自然の妊孕性に任せてタイミングを測って夫婦生活をして、それで授からなければ人工授精、それでも結果がでなければ体外受精・顕微受精と治療を進めていく形になる。

この治療ステップのうち、体外受精や顕微受精、胚移植など、配偶子(精子や卵子)・胚(受精卵)を体外で取り扱う治療のことを『 高度生殖補助医療Assisted Reproductive Technology:ART 』と総称する。

いざ先々のステップに踏み出すときに治療が受けられずに別のクリニックに転院するのも、紹介状を書いてもらったり何なりと面倒に思える。

しかも、年齢が高くなるほど初期のステップで妊娠できる可能性は低くなるわけだ。まだ30代前半ならば、タイミング方やIVFに時間をかけて、ARTを検討する段階で転院することも検討しても良いかもしれないが、わたしの年齢(当時40歳になろうとしていた)を考えれば、顕微受精まで対応可能な病院の方が望ましいのはいうまでもない。

 

同じような考えの方が多いのだろう。ARTに対応している病院に患者は集まる。患者が多いということは、診療実績数が多いということで、各種ケースの経験数が多い病院ほど診療が熟れているのは言うまでもない。 

 

③自宅・職場からのアクセスのしやすさ

 ①の「診察受付時間」と同様に「通院しやすさ」に直結する問題である。
仕事と両立しながら不妊治療クリニックに通院することに難儀する女性が多いことは先に触れた通りだ。
特に、体外受精・顕微受精をするとなると、3日後に突発的に診察が入る、といったことも少なくない。
そういった場合に休みをとるのは当然難しいし、出勤前や退勤後に通院することや、仕事を中抜けして診察を受けることを考えるとなると、クリニックは自宅から職場へ通勤する途中にあるのが望ましいな、と思った。仕事を中抜けするとなると、職場の近くの方が便利なのかもしれない。

 

評判のよいクリニックを探す過程で、会社のオフィスビルのすぐそばに著名な不妊治療クリニックが入っていることを知ったのだが、わたしはあえてそのクリニックは選ばなかった。

前職のオフィスがそのビルだった事に加えて、そのビルは多数の飲食店が入っていて現職の社員もランチ等で足を運ぶ場所だ。同じ建物の中に入っているクリニックに通って、知り合いに出くわすことを考えると肝が冷える。

 

そんなこんなで、一旦は自宅近くのクリニックを選ぶことにした。

今となってはコロナで在宅でのリモートワークが日常となったので、自宅近隣のクリニックを選んだことは結果として正解だった。でも、出勤してオフィスで仕事をしている方であれば、オフィスに近いクリニックを選んでおいた方が通院しやすいだろうな、と今振り返ると思う。

 

④実績・評判がよい

各クリニックのWebサイトを確認すると、体外受精・顕微受精の診療件数を掲載している病院もある。中には、診療件数に加えて着床に至った件数まで公開しているクリニックもある。

各工程での着床率まで割り出して比較、といったことまではしなかったけれど、対応件数は参考になった。診療実績数・対応件数が多ければ、医療者の経験も豊富になり、各種ケースの対応幅も広がると考えるのが自然だと思う。

 

 

かつ、クリニックの評判が悪くないかも調べてみた。

「病院 / 口コミ / 評判」などで検索すれば、病院のレビューサイトがヒットするので、候補にあげたクリニックのレビューは簡単に目を通した。

レビューを見て実感したのだが、不妊治療は特に患者の口コミは意外とアテにならないかもしれない。「こんなことを言われて/こんな対応をされて、不快に思った」「この病院で授かれた/結果が出なかった」などのレビューが多いけれど、前者については主観的な情報が多いし、後者に関しても前提条件のエビデンスはないわけで、個々の抱える妊孕力に依存する治療なので、同じことが自分に当てはまるとは限らない。

加えて言うのならば。この時に選んだクリニックから転院して、現在のわたしは別のクリニックに通っている。今通っているクリニックは、口コミを確認した時に「スタッフの対応が悪い」とWebでは悪い口コミも散見した。でも実際通い始めたら、わたしはスタッフの対応に不満を覚えることはさほどなかった。「対応の悪さ」についての指摘って、その人がクリニックの診療・サービスとして何を重視しているのかに大きく依存する。そして主観的である。なので、よっぽどひどいことが書かれていなければ、さらっと目を通しておいて「このクリニックではそんなこともあるのだな、ふむふむ」と参考に留める程度で十分だなと、今振り返ると思う。

 

⑤診療費用

気になりますよね、治療の費用。コストいくらかかるの問題。ない袖は振れぬし、できれば低コストで高度な治療を受けられるほうがよいに決まっている。

なんせ、不妊治療といえば治療費がネックになって継続を断念するカップルも多いくらいだ。ここは大事な選択ポイントのはず、と考えて、候補先にあげたクリニックについては、Webサイトの診療費用を調べてみた。

ただね、結論から言うと、Web上に掲載されている費用から正確な治療費を計算することはかなり難儀する。それが何故なのかは後述するけれど、結局わたしも大まかな費用を確認して、「他のクリニックと比較して法外な医療費を請求されるわけではなさそう」と確認するに止まった。

 

まず、費用に関して何を確認するべきか。

先に、不妊治療はタイミング法 → 人工授精(IVF)→ 体外受精(AIH)→ 顕微受精(ICSI)というステップを辿ると書いたけれど、タイミング法・人工授精までは月の治療費は2〜5万円以内に治ることが多い(諸々の検査結果を受けて、手術などの特別な処置や、投薬が必要になる場合を除く)。もちろん、クリニックによって多少の費用の違いはあるけれど、わたしが通ってるクリニックは人工授精は1回2万円弱だった。

もちろん、初期治療のコストも抑えたいけれど、体外受精・顕微受精のステップに進むと、初期ステップのコストの差なんて吹っ飛んでしまうので、初期ステップの治療費でクリニックを選別するのはナンセンスだと思う。

 

家計に大きく影響してくるのは、体外受精・顕微受精のステップの費用だ。

Webサイトには治療費が明確に書かれていないクリニックもある。これは個人の肌感覚ではあるけれど、治療費を掲載していないクリニックは、そもそも高度不妊治療の対応件数・実績自体が少ない院が多い印象を受けた。

 

そして体外受精・顕微受精の費用体系は院によって異なっている上、どこも複雑なのだ。少なくとも、まだ不妊治療を受ける前の段階においては、自分のケースで実際にどのくらいの治療費がかかるのか目処を立てるのは、不可能に近いと思っている。

なぜ費用が予測できないか。最大の理由は、「成果報酬型」の費用システムをとっているクリニックが多いためである。要は、何個採卵できたか、着床の成否などによってかかる費用が変わる、というケースである。採卵数が多いほど費用が高くなるわけだが、自分が1回で何個採卵できるかなんて、治療が始まらなければ予想のしようがない。いわんや、着床をや、である。ここでは、採卵できなかった場合にどのくらいの費用がかかるか、採卵個数に応じた最低費用、最高費用を確認すればそれで十分だと、わたしは思っている。

それに加えて、採卵に向けてどのような卵巣刺激法をとるかによっても費用が変わってくる。刺激法によって処方される薬も異なれば、注射の有無、診察の回数も変わってくる。これも診察を受けてみないことには、自分にどの刺激法が合っているかはわからない。

そして、採卵・移植の段階でオプションをつけるかどうかでも多少費用が変わってくる。例えば、孵化補助(Assisted hatching:AH)や着床前診断(PGT-A1)の要不要によっても、数万円単位で費用が変動する。当然、診察を受けないとオプションをつけるべきかはわからないわけだが、当初のクリニック選びではオプション費用などは無視して問題ないと思う。

要は、人工授精のタイミングで大まかにどのくらいの費用がかかりそうか、体外受精・顕微受精に進んだときに、最低どのくらいのコストがかかりそうか、最大どのくらいのコストがかかりそうか、移植の費用はいくらか、それを確認できていれば十分である。

そして、その採卵個数や診療方針による治療テーブルはクリニックによって様々なので、横並びで比較できるものではない。候補に入れているクリニックの費用に目を通して、他のクリニックから大きく乖離していなければ問題ないと考えるのが妥当だと思う。

 

⑥男性不妊外来も備えている

わたしがクリニック選びをするときに漏れていたポイントが「男性不妊外来の対応をしているか」。 

不妊症の原因の半分は男性由来のものと言われている。なのでら不妊治療では女性側の検査と並行して男性側の検査も行う。検査の結果を受けて男性側にも不妊原因がある可能性があれば、男性不妊外来の診察を勧められることもある。

実際、わたしたち夫婦は男性不妊の可能性もありそうだということになった。わたしが選んだクリニックは男性不妊外来も備えていたので夫とわたしは同じ院に通っている。男性側と女性側で通うクリニックが共通であれば、検査結果の伝達もスムーズなので、何かと手間が省けると思う。

あとはね、不妊治療って女性がイニシアティブを取らざるを得ないケースが多いと思う。特に、治療の初期。男性にも当事者意識を持ってもらうという意味で、治療初期に男性不妊の検査も同時に行えるようにするためにも、男性不妊外来がある院というのもクリニック選びのポイントになり得るな、と今振り返ると思う。

 

 

ここでおさらい。

 

わたしは上記の6つのポイントでクリニック探しをしてみて、自宅近隣にある梅ヶ丘産婦人科に通うことにした。

この6点に加えて、JISART認定のクリニックであること、院長先生が京大で高度不妊治療を専門に研究して、医学博士号を取られた方だった、ということもクリニックを選ぶ後押しになった。

 

 

長くなったので、今日はここまで。


次回は、初診のことと、梅ヶ丘産婦人科についての詳しい情報を書いてみようと思う。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみた

みなさん、メールでお知らせを受けるときに、どのドメインのメールアドレスを使用していますか?

 

わたしはGmailを利用しています。

何らかのサービスを利用するためにメールアドレスを登録する必要があるに登録するのは、もっぱらGmailのメールアドレです。

 

当然、Gmailに届くメールの中には重要度の低いものもたくさん混ざっています。

以前、3大キャリアの携帯電話を持っていたときには、受信直後に確認したいような重要度の高いメールはキャリアメールで受信し、時間があるときにまとめて確認すれば良いような緊急性・重要性の低いメールはGmailと使い分けていた時期もありました。

が、格安スマホ(我が家はmineoです)を使用することになってからは、携帯キャリアのメールアドレスは使用しなくなり、Gmailに一本化しています。

 

でも、特定の送信元からのメールだけは、受信したらすぐに確認したいというケースもありますよね。

そういった場合に、LINEで通知を受け取れるように設定をすることができるんです。

以前はIFTTTでLINEへの転送を設定できたのですが、、IFTTTとLINEの連携終了によって使えなくなってしまいました。

いま現在は、Google Apps Script(GAS)というサービスでLINEへの通知転送を設定することができるので、そちらの設定を試してみました。

 

今回は以下の記事を参考にさせていただきました。

 

 

LINEに通知したくなった背景

※設定には関係ない話なので、設定方法を知りたい方は読み飛ばしてください。

というのも、不妊治療でわたしが通い始めたクリニックは、諸々の連絡がメールで通知されるオペレーションで、クリニックは一つの建物の数フロアに跨っています。

当日にどんな治療を受けるかにもよるけれど、まずは4階で受付を済ませて、10階で血液検査を受けて、次は5階で診察を受けるけれど、5階は混み合っているから9階の待合室の電源タップ付きデスク席でPCを開いて仕事を進めて、自分の診察順番が近づいたら5階に移動…、、というようにフロアを移動する必要が出てくるんですね。

次にどのフロアに行くべきかや、診察の順番が近づいてます、といったお知らせはすべて、登録していたメールアドレスに届くシステムなのです。

上述の通り、わたしはGmailでいろいろなメールを受信しているので、Gmailアプリの通知はOFFに設定しています。(受信ごとにPush通知が入ると煩わしいし)

でも、そうなるとGmailのアプリを立ち上げて都度リロードしないことにはメールの受信が確認できなくて、とても不便なのです。

それで「ああ、クリニックのメールだけをLINEで受信できたらいいのに」と思ったのがきっかけでした。

 

 

【1】LINE Notify でアクセストークンを発行(PC推奨)

今回、LINEに通知を送るのにはLINE Notifyというサービスを使います。

LINE Notifyを利用するための「アクセストークン」を発行するのが最初の工程です。

①まずはLINE Notifyページへ

以下のリンクからアクセスします。

notify-bot.line.me

 

②LINE Notify を友達に追加

上記リンクの遷移先のページにQRコードが表示されていると思うので、そこからLINE Notify を友達に追加します。

 

③LINEにログインする

右上の「ログイン」をクリックして、自分のスマホに設定しているLineのアカウントでログインします

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

 

④マイページの画面へ

ログイン後、右上の自分のアカウント名が表示されます。

アカウント名をクリックするとプルダウンが現れるので、「マイページ」を選択します。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

 

⑤アクセストークンの発行

「アクセストークンの発行」というポップアップが出てくるので、「トークンを発行する」をクリックします。

※ここで「開発者向け」の文字にビビることなかれ。

  わたしは、Scriptの知識などないですが、設定できましたので、気にせず進んでください

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

⑥トークン名・通知の送信先を選択

トークン名・通知の送信先を選択します。

トークン名というのは通知に表示させたい名称のこと。

「通知を送信するトークルーム」については、表示されている選択肢の一番上のものを選ぶと、先ほど友達に追加したLINE Notifyとのトーク画面に直接通知が送信されるようになります。

 

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

その上で、「発行する」ボタンをクリックします。

 

⑦発行されたトークンをコピー

発行されたトークンが画面に表示されます。

トークンはこの後の設定時に使うのですが、画面を消してしまうと2度と確認することができなくなっています。

トークンは桁数の大きい文字列なので、必ずコピペしてGmailやTXTエディタなどに保存しておきます。

 

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify


ここまでで、LINE Notifyのトークン発行が完了しました。


【2】Google Apps Scriptで通知するためのプログラムを作成(PC推奨)

次にGoogle Apps ScriptでGmailで受信したメールをLINEに転送する設定をしていきます。

 

①Google Apps Scriptで、新しいプロジェクトを作成する

こちらからGoogle Apps Scriptのページに移動して、左上にある「新しいプロジェクト」をクリックします。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

②プロジェクトタイトルを設定する

画面上部の「無題のプロジェクト」と表示されている箇所をクリックすると、ライトBOXが開き、プロジェクト名を入力する画面が出てきます。

今回、LINE に転送する設定の名称を入力しましょう。

(後から判別しやすい名前であればどんな名称でもOKです。)

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

 

③GASにLINEに転送するスクリプトを設定する。

デフォルトで3行のコードが表示されていると思います。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

この3行をすべて消して、下のコードをコピーし、先ほど消した3行の箇所にペーストします。

ペーストしたコードのうち、以下(1)(2)の2箇所を書き換えていきます。

(1)LINE notify tokenを書き換える

1行目の部分です。「lineToken = "XXXXXX"」の「XXXXXX」の部分を【1】-⑦で発行したLINEトークンに書き換えます。

 

(2)LINEに転送したいGmailのメールに設定するラベル名を書き換える

24行目の部分です。

「label:toLINE subject:{' + words + '} is:unread」という部分で、「toLINE」というラベルのついた未読のメールのみLINEに転送する、という指定をしています。

「toLINE」のラベル名の箇所を指定の内容に書き換えます。

GmailでLINEに転送したいメールに、特定の”ラベル”を貼り付けるという設定をGmail側で行う必要があります。

そのラベルが付与されたメールのみ、LINEに通知される形になります。

ここではわかりやすいように「Gmail上で”toLINE"というラベルがついたメールのみ、LINEで通知されるように設定する」前提で、値を「toLINE」にしています。

 「' + words + '」の箇所を書き換えれば、件名に特定の文字列が含まれていた時に転送するという設定になります。

 

④変更を加えたスクリプトを保存します。

画面上部のファイルマークをクリックすると保存されます。

 

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

 

【3】Gmailで、転送したいメールに、特定のラベルを付ける設定をする

【2】-③-(1)でも触れた、Gmail側の設定です。

LINEに特定のメールだけ転送したい場合、送信元のメールアドレスを指定するというような設定ができるものと思い込んでいたのですが、残念ながらそのような設定方法を見つけることはできませんでした。

変わりに、Gmailで特定のラベルをつけたメールのみ、LINEに通知を送る方法を見つけたので、その形で設定しています。

 

Gmailで特定のメールをフィルタで抽出して、ラベルを自動でつける設定は、以下のページを参照してください。

support.google.com

 

このときにラベル名を「toLINE」にします。

【2】-③-(1)で変更したしたGASのスクリプト「label:toLINE」の箇所のラベル名と一致させる必要があります。

 

【4】Google Apps Scriptでプログラムを実行する

①GASのスクリプトを実行する

GASの画面に戻って、先ほど設定したスクリプトを実行します。

画面の上の部分で、実行するスクリプトの範囲で「main」を選択したあと、「実行」ボタンを押します。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

 

②権限の承認をする。

以下のような画面が出てくるので、「権限を確認」をクリックします。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

すると、Googleアカウントを入力する画面が出るので、今回メールを受信するGoogleアカウントを選択してください。

 

次にポップアップウィンドウでこんな画面が出てきます。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

左下の「詳細」の部分をクリックすると、さらに画面が表示されます。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

”リスク”と言われるとなんだか腰が引けちゃいますが、気にせず左下のリンクをクリックします。

 

次に表示される画面では、右下の「許可」をクリックします。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

③GASの画面でスクリプトの実行結果を確認

GASの画面にもどると、実行結果が表示されました。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

無事、実行完了していますね!

 

【5】GASのトリガーを設定する

先ほど設定したGASのスクリプトを1分間隔で実行するための設定をしていきます。

①GASの画面で「トリガーを追加」をクリック

GASの画面で左側のナビゲーションの時計のマークにカーソルを合わせると「トリガー」という項目が出てきます。

「トリガー」をクリックして表示された画面で、右下に出てくる「トリガーを追加」のボタンをクリックします。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

②トリガーを設定する

表示された画面で、以下のような設定にします。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

ここで注意したいのが、トリガーを実行する頻度です。

 

今回は「1分おき」に設定しています。

というのも、GASに設定したスクリプトの4行目で、今回は「1分前からの新着メールを確認する」という指定をしているからです。

Gmailで特定のメールを受信したらLINEに通知を送るようにGoogle Apps Script(GAS)で設定してみたLINE Notify

 

新着メールを確認する頻度と、トリガーを発動する頻度を合わせておかないと、LINEへの通知が漏れてしまうので、注意です。

 

 

以上で設定は完了です!

 

ここまでの設定に間違いがなければ、Gmailで指定したラベルの新着メールを受信するたびに、LINEに通知が届くはずです。

ただし、

  • LINEに通知されたメールはGmail上では既読になる
  • Gmailに届いたメールの内容については、別途Gmail上で確認する必要がある

という点に注意です。


設定したGmailのラベルに該当するようなメールを送って、LINEに転送されるか確認してみてくださいね。

 

2020年、不妊治療ことはじめ。

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子どもの頃、自分は当然のように子供を産むんだと思っていた。
自分の母親がそうだったように、母親になるのだと思っていた。

そうなることに、特段の苦労が必要だとは思っていなかった。

子どもを授かりたくても授かれない人もいることは、小学生の頃から知っていた。それでも、自分がその一群に含まれる側になるとは思っていなかった。

 

 

大学を卒業して数年、最初の結婚ラッシュが過ぎ去り、20台後半に差し掛かった頃に、ふと自分はこの先、結婚することはないんじゃないかと思うようになった。特に根拠があるわけではない。何となく、である。自分は共同生活に向かないんじゃないか、となると、結婚にも向いていないんじゃないか。そう考えたのだ。

とはいえ、もし結婚したいと思える相手に出会えなかったり、そもそも結婚したいと思えることがこの先なかったとしても、子どもは授かりたい。

わたしは、子どもがすきだった。

 

子どもって大人の常識から完全に解放されていて、独自の世界の捉え方をしているように感じられるときがある。まっさらな状態からフラットに物事を眺めて、不思議に感じたことを素直に言葉にし、忖度なく質問する。新しい地平への純粋な探究心。子どもと接すると、そんな視点に触れてハッとさせられることは多い。そして、その鋭さにギクリとすること、自分の凝り固まって発想や視野の狭さを突きつけられることも度々ある。子どもに世界を教えているようで、子どもを通して世界の新しい捉え方を学ぶ、そんな感覚。

ひょっとして子どもを育てるということ、子どもとやりとりしながら日々を暮らすことは、一度すでに知った気になった世界を新しく捉え直して、覚え直す営みなんじゃないかしら。20代のわたしはそう考えた。

そんなの面白いに決まっている、大変だろうけれど、仰天するような発見に満ちていて、面白いはずだ。そんな面白い体験をせずに一生を終えるなんて、もったいないんじゃないか。

そうしてわたしは卵子凍結の費用を調べた。結婚しなくても子どもが産めるならば、産みたい。子どもが産みたいと思った時に産めるように、備えておきたい。

 

折しも、著名な芸能人の「35歳を超えると羊水が腐る」という発言が物議を醸し、世間を賑わせていた頃だった。

当時、「卵子冷凍」でGoogle検索してたどり着いた先の情報によると、凍結1回の費用が100万円を超えていたように思うが、記憶は曖昧である。いずれにせよ、大学を卒業して3、4年ほどのわたしにとってたいそうな金額なのは確かだ。「卵子を凍結するというのはかなり高額で、今のわたしにそう易々と試せるものではない」という情報だけが脳内にインプットされ、それ以外の詳細は忘却の彼方に追いやってしまった。

少し興味を持って調べたものの、詳細については一切合切を忘れてしまえるほどに、当時のわたしにとっては不妊治療はまだまだ他人事だったのだ。

「ま、いっか。まだ20台だしな。35歳になる頃に、もう一度考えよう。

それまでに自分の自由な意思でもって卵子凍結できるくらいの経済力を培えるように、キャリアを磨いとくか。」

当時のわたしはそう思っていたような気がする。

 

 

その十数年後の現在、不妊治療は以前に比べればかなり普及しつつある。費用も幾分リーズナブルになってはいるが、それでも一般庶民のわたしにとってはまだまだ高額だ。

 

 

35歳になる直前に、わたしは幸運にも結婚した。

先のとおりわたしは子どもがだいすきなわけだが、夫はそもそも子どもを持ちたいという気持ちの薄い人だ。二人で具体的に結婚を考え始めた頃、5歳年下の夫にわたしがこう言ったことがある。

「ねぇ、子供についてはどう考えている?もし将来子どもを持ちたいと思うのならば、そろそろ35歳になるわたしと結婚するよりも、若い女の子と結婚したほうが確実だよ」

そんなわたしに、夫はこう切り返した。

「僕は別に、子どもが欲しいから誰かと結婚するわけじゃない。子どもを生む女性と結婚するわけでもない。一生一緒に暮らしてもいいかな、と思う女性と結婚したいと思っているだけなんだけれど」

夫の答えは120点満点だった。夫の想いを傷つけるような軽はずみな自分の発言を反省しつつも、その回答を聞いて胸の支えが取れたことを、そして少し苛立った夫の声のトーンさえもがわたしの自尊心を心地よく満たしてくれたことを、よく覚えている。

 

結婚後も時折は夫と子どもを持つことについて話す機会があったが、その度に夫はさほど気乗りしない様子で言葉を濁し続けていた。

「そうだね、そのうち、ね。」

 

結婚して3年目、転職してしばらくした頃に、わたしは適応障害にかかって休職した。

休職中の身であるからには、まずは職場に復帰することを目標に、回復に向け専念すべきなのだろうと思う。不謹慎かもしれないがわたしは休職中ずっと、「本当に復職するべきなのだろうか」と悩んでいた。当時、まもなく39歳になろうとしていたし、仕事に復帰することよりも今は出産して子育てを優先するべきなのではないだろうか、という思いが頭を度々よぎった。

出産にはタイムリミットがある。仕事に復帰して落ち着いたタイミングではもはや、子どもが産めない体になっていることだってありうる。遅まきながらその可能性を、ようやく現実のものとして捉え始めたのだ。

 

それでも、当時のわたしは悩んだ挙句に「一旦、仕事に復帰すること」を優先するときめた。

仕事を棚上げして妊活に励んだところで、妊娠できない可能性もある。授かるまでに、もしくは授かれないことが明確になるまでに、どのくらいの時間がかかるかはわからない。でも、その期間を経て、仕事に復帰しようとした時、わたしは納得のいく仕事を得られるだろうか。子どもがいない、そして仕事にも力を尽くせていない自分の人生に、満足できるだろうか。

 

そう考えた時に、「これから授かるか定かでない命よりも、まずは、すでに今存在してる自分の人生を充実したものにしよう」と考えたのだ。

そしてわたしは転職活動をし、今の会社で仕事をするようになった。

 

 

 

転職して「落ち着いたら」、妊活をしようと思っていた。

この後に及んでのんびり構えているわたしを焦らせたのは、1年ほど前に受けた会社の健康診断だった。婦人科検診で子宮筋腫が見つかったのだ。

 

とは言っても、30代後半の女性にとって子宮筋腫は珍しい病気ではない。悪性ではない腫瘍が2、3あることは多くいらしく、健康診断の問診でも医師から、それほど大きい腫瘍ではないので今すぐの手術が必要なものではないと説明された。

「まぁ、それでも年齢も考慮すると、もし妊娠・出産を望むのであれば不妊治療のスタートも兼ねて、早めに婦人科を受診されることをお勧めします。子宮筋腫の場所によっては、妊娠しにくくなることもありますから」

 

その医師の一言に背中を押されるようにして、わたしの不妊治療は幕を切った。

今から1年前、2020年の初めのことである。

 

 

健康診断で、医師から産婦人科の受診を勧められたことは、わたしにとっては夫に不妊治療を打診するいい口実にもなった。

「ねぇ、健康診断でね、産婦人科の受診を勧められたの。将来的に子どもを授かりたいならば、早めの受診を勧めるって、さ。わたしももうすぐ40になるし、受診してみようと思うんだ」

夫はすんなりと受診を受け入れた。

 

そうして、わたしは近隣にある産婦人科を調べ、不妊治療についても比較的実績があると評判のクリニックに通うことにした。

 

ーーーーーー

先に書いておくと、今現在もわたしは不妊治療を続けている。

要するに、授かれて、いない。

冒頭の写真の中の赤ん坊の手は、わたしの子ではなくて、姪っ子のものである。

思ったよりも、妊娠するということは簡単ではなかった。

 

妊娠・出産に関する正しい知識を得ようとしていなかった自分が言うまでもなく悪いのだけれど、不妊治療をやってみると、なにせ初めて知ることづくしなのだ。

 

 

ということで、これまでの自分の治療記録として、これから1年前のことに遡ったりしながら、不妊治療についてもこのBlogに書いてみようかと思う。

これから不妊治療を受けてみようかなと思う人に少しでも役に立てばいいなという思いもありつつ、なかなか思うように進まない治療に対する気持ちのわだかまりを吐き出したいという動機もありつつ。

 

とにかく、治療の1回のターンごとに精神的なタフさが求められたりもするし、経済的にもボディーブローのようなダメージを喰らうので、費用的なこともつまびらかに書いてみようと思う。

 

いつか授かれたときに、もしくは授かることを諦められたときに、当時のわたしはこんな想いで、こんな日々を過ごしていたんだな、と笑って眺められることを期待しながら。

 

 

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その後の治療経過。

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随分とBlogから離れていた。

 

うつの回復期が続いている。

ときどき、調子の悪い日もある。
とはいえ、ずいぶんと調子は良くなってきた。

なんだか仕事に集中できない日や、物悲しい気分になる時は健康な人にもあるわけで、自分ではその範疇に収まっていると思っている。



仕事は、コロナの影響で3月から在宅勤務が日常となった。

以前と変わらず1日に何度か打ち合わせはあるものの、ほとんどのやりとりはオンラインで行われる。月に1、2度出社やクライアントとの対面での打ち合わせが発生するかな、というペースである。

 

 

仕事では、以前のチームマネージャーとの相性があまり良くなかったこともあり、同じ部内の別のチームへの異動希望を出し、7月から異動が受理された。

在宅勤務の中でなので、異動の実感はあまりないのだが、新しいプロジェクトのPMを務めながら、日々バタバタと過ごしている。

新規プロジェクトへのアサインが重なった9月、10月は、プロジェクトの産みの苦しみによる「眠れない日々」を存分に味わった。
もちろん、「眠れない」といっても、深夜まで仕事しているわけではない。

諸々の調整事項・交渉などが錯綜する中で、プロジェクトの先行きの見えなさによる不安とストレスが原因で、深夜覚醒や早朝覚醒を繰り返した時期もあった。

でも、それも何とか乗り越えて、大きく体調を崩すことはくここまで来れている。

 

仕事を通しての、自己肯定感と自身の回復

前職でも前々職でも、マーケティング関連システムの活用コンサルティングや、導入プロジェクトのPMを担当してきた。

前職では、PMとしての業務を全うできずに適応障害・うつによる休職、退職となった。そんな経緯もあって、これまでは常に「今の会社で”自分の裁量でPM業を全うできた”という成功体験を積まなければ、職務に対する恐怖心や、シュリンクした自己肯定感を克服できない」という考えが常に頭の中にあった。

大概のプロジェクトでそうであるように、今担当しているクライアントもそれなりに癖があり、それなりに我が儘ではあるのだが、今のところはクライアントの満足感も悪くない状態で進行できている。

 

PMという職務上は、最低限の当たり前のことなのかもしれないけれど、わたしにとってこれは、とても重要な意味を持つことだ。

小さな成功体験や自信につながる経験が自らの傷を癒してくれている。

たとえプロジェクトで満身創痍になりながらでも、その傷を治しながら前進して、それなりに悪くない着地点に到達できること。

そんな日々の繰り返しが、自己効力感や自己肯定感を育んでくれて、何事に対しても「わたしにはできないのではないか」と及び腰になってしまう不安を薄めてくれていると思う。

 

とはいえ、例えば4年ほど前、適応障害になる前のように、夜中の3時まで平気で働いて翌日も元気に出勤する、ということは全くできなくなった。

それが、病気によるものなのかは分からない。年齢的にも40代を迎えたし、体力の低下によるものかもしれない。
でも、以前のように働かなければと考えることがそもそもなくなった。良し悪しはさておき、わたしの考えが「変化した」のだと思う。
つい1、2年ほど前までは「病前に戻りたい」と思うことが頻繁にあった。毎日仕事やら何やらにときめいて、やりたいこととエネルギーに溢れていて貪欲だったあの時期を思うと、とても日々がきらめていたと思うし、いまでも時々その眩しさが懐かしく恋しく思えることはある。

でもふと気づくと、同じような働き方、動き方をしたいと思うことは、ここ1年ほどでほとんどなくなっていた。自分が理想として追い求める姿と、現実の自分との間に解離があることは、わたしにとって大きなストレスだった。それがなくなったという意味で、好ましいことだと思って受け止めている。

 

自分の直感に自信が持てると、決断疲れが減ってが楽になる

加えて、忙しかった9月ごろと、いま現在のわたしも、精神的に大きく変わったと思う。

人の顔色を伺ったり、人の意見に左右されたりすることがずいぶんと少なくなった。変わったというよりは、ストレスを減らすために「意識して変えた」という方が正確かもしれない。単刀直入にいうと、自分本位になったと思う。

仕事以外でも言えることだが、他者と関わり合う以上、そこには意見や見識の相違や摩擦が発生する。

そういったシーンで「自分では何となく違うと思っているけれど、声の大きい人の意見に流される」ということがなくなってきた。

物事がうまく進まない際に、自分のやり方を疑って、関係者の助言を求めそれに従うことも多かったのだが、関係者が自分よりも事態を把握した上での判断ができる保証など何もないのだ。

もちろん、こまめに相談の機会を設け、皆の意見を拾うことは大切なのだが、他者の意見に従って行動した結果を引き受けるのは自分なのだから、自分が納得のいく決断をしないと後悔が残る。

特に、わたしが所属する組織では「船頭多くして」という場面も多々あり、意見が発散して収集がつかないまま、方向性を見失うという状態が散見されていた。

そんな中で、他者の意見に従ってうまく運ばなかった物事が、自分の直感や考えに従って行動したらスムーズに解決するような場面もいくつか経験し、それを通して「自分が正しいと思えることをしよう」と自然と思えるようになった。

わたしは、わたしの意見や直感、判断にもっと自信を持ったほうがいい。実体験を通してそう思えるようになったことは、とても大きな収穫だった。

そして、他の意見を確認するものの、良くも悪くも他人に期待をしなくなった。

 

日々は小さな決断の積み重ねで、その小さな決断のたびに迷いが発生すると、当然消耗する。そんな時に、(もちろんひとつひとつ、真剣に検討・吟味するんだけれど)自分の判断を信じることができるだけで、ものすごくストレスは減るのだ。

 

そして、ひとたび合意をとって決断したら、他人がどう思うかはあまり気にしないこと。わたしの知らないところで誰が何を思っていようが、何を言っていようが気にしないこと。
人の気持ちを慮ることは大切だし、相手の気持ちに配慮したコミュニケーションは重要だけれども、メンバーの心情を優先して判断ができるシーンは非常に少ない。そういう場面では、(必要な配慮はした上でだが)極論、伝えようという意思を持って発信された情報以外は、拾う義理はないのだ。

意思決定をせず、責任を引き受けるつもりもないのならば、黙って応援し見守ってくれ、くらいの気持ちでいること。

そう考えられるようになることで、いろいろな決断が格段に楽になった。

 

 

時期を同じくして、気が進まない他人からの依頼ごとを容易に引き受けることが減った。

これも、考え方の根底は一緒で「自分の直感や判断に従う」ということなのだと思う。

自分を大切にしてくれる人のことは大切にする。そうでない人からの依頼はほどほどにスルーする。

それは、自分を大切にすることの延長線上にある行動で、断ることに罪悪感を覚えなくても良いと思えるようになった。

この考え方の転換だけで、とっても生きやすくなる。日々、いろいろな物事と折り合いをつける中での、自分の心の中の摩擦係数が減った感覚がある。

 

 

これから

いま現在の服薬は、ジェイゾロフトとマイスリーのみ。

2月ごろから不妊治療を始めたこともあって、妊娠への影響が少ないこの2種類の薬に落ち着いている。

たまに、採卵と受精卵移植の間に少し効きの良い睡眠薬を頓服的に服用することはあるが、サインバルタなど胎児への影響の臨床研究が進んでいない薬剤の使用は止めている。

 

これからのわたしがどこに向かうのかは、まだ分からない。

今は不妊治療と仕事を全うすることに精一杯なのが、正直なところだ。

 

コロナの影響を受けて、外出の機会は格段に減ったし、知人・友人と会う機会もめっぽう少なくなった。自由になる時間で何か楽しみを見つけて活動するということも少なくなってしまった。
音楽も、植物も変わらずすきな気持ちはあるのだが、アナログレコードに針を落としてゆっくりと聴きたいという欲求はあまり湧かなくなったし、植物の手入れもずっとおざなりなままだ。

 

在宅勤務で運動量も減ったため、筋力・体力が減る一方で、気づけば体重のみが増加している。時折、こころに霧がかかったように感じる時には、自宅や近隣で思い切り体を動かして汗を流す。

目下の楽しみといえば、夏頃から始めた筋トレやエクササイズ・ストレッチで自分の体がどう変化していくかを観察するというささやかなもの。そして時々、幸運にも子どもを授かれた後の暮らしを妄想することくらいだ。

もう少し、何か打ち込めるような物事、考えると心躍るような何かがあるといいのかな、と思ったりもする。でもそれが何なのかは、まだよく分からない。 

 

これからどこに向かうとしても、そんなに悪い場所ではないんじゃないかと思っている。

そう思えるようになったことが、何よりの回復の証なのだと思う。

実家、子ども、産む・産まない

ここ数日間、いつになく気分が落ち込んだ。

まるで、休職したての急性期のような落ち込み方だった。

わたしは適応障害で休職するのはこれで2度目だが、初回の休職時にもこんな揺り戻しはなかったため、ひどく動揺し、突発的に病院で診察を受けたりもした。

 

その落ち込みについてはさておき、もう一週間も前になるけれど、実家に帰ったときのことを書こうと思う。

 

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