先週はあたたかい日が多い1週間だった。
多少冷え込んだ日でも、1月に感じた鼻の奥やこめかみあたりに刺さって
ツンと抜けるるような鋭い寒さを感じることは、ずいぶん減った。
よい天気が続いたことも手伝って日向を歩くとポカポカとした陽気を感じて、
春が近いのだなぁと思いながら朝の散歩をしたのだが、
気温の変動幅が広かったためだろうか、聞いた曲のジャンルの方も
R&B、House、Drum 'n' Bass、Breakbeatsと幅が広かった。
- Getting Better - Flexlife
- 寝ても醒めても - flex life
- WAR -flexlife
- A Forest Mighty Black - Fresh In My Mind
- Fresh In My Mind - A Forest Mighty Black
- Nebulosa - Tenorio Jr.
- Cascades of Colour - Ananda Project
- Hipness - Sleeve
- Daft Punk解散の衝撃
Getting Better - Flexlife
大学時代からだいすきで、よく聴いていたflexlife。
この日の前日の夜に flexlifeのYoutubeの生ライブがあって、
その余韻にもう少し浸っていたい気持ちのまま、朝の散歩で聴いた。
熊本在住の夫婦Duo flexlife、一番有名な代表曲は「寝ても醒めても」なのかな。
2000年前後に集英社のファッション雑誌「non-no」のTV CMに使われていて
初めて知ったように記憶している。
寝ても醒めても - flex life
彼らの曲の中で、わたしが一番好きなのは「War」という曲。
WAR -flexlife
20代のころはこの曲がこころに沁みすぎで、ヒリヒリとした痛みを覚えるほどで、
なのに聞いた後には何故か癒されて清涼感も訪れるので、モルヒネ的というか、
聞いて痛みをぶり返させては癒すというマッチポンプ的なことまでしていた。
詳しくは以下のエントリーを参照↓
A Forest Mighty Black - Fresh In My Mind
Forest Mighty Blackの名作、Flesh in my mindのドラムンベースMIX。
94年リリースのオリジナルに先んじて、わたしはこちらのバージョンでこの曲を知った。確か大学生だった当時に好んで聴いていた音楽レーベルCompostの、コンピレーションアルバム「Compost for Cafe apres-midi」に収録されていたように記憶している。
こちらがオリジナルのバージョンはこちら。
Fresh In My Mind - A Forest Mighty Black
90年代後半のリリースかと思っていたら94年だった。
20代のころは現場で時々かけていた時期もあった。
オリジナルといっても、元ネタという意味では、この曲には更なるオリジナルがあるわけで。
一度聴いたら耳に残ってしまってなかなか離れられない冒頭のピアノフレーズは、
ブラジリアン・ジャズの金字塔的ピアニスト/コンポーザーTenorio Jr.の
64年のレアアルバム『Embalo』に収録されているNebulosa.のサンプリング。
こちらが元ネタ。
Nebulosa - Tenorio Jr.
Embaloのオリジナル盤はハチャメチャなレア盤でバチクソ高額なので、
2008年頃にリイシューが出たときは嬉々として購入したんだけれど、
いま改めて調べてみたら2017年にもMr.Bongoが復刻していたみたい。
知らなかったよ。
Cascades of Colour - Ananda Project
アトランタを拠点に活動しているChris Brannによる人気ハウス・プロジェクト
Ananda Prodjectの名義の、98年リリースの初シングル曲。
こちらの曲も何かのコンピレーションで知ったのだが、
どんなCDだったか、他の収録曲などは思い出せない。
ただ、初めて聞いたときに曲の冒頭の数小節を耳にしただけで、
その不思議なコード進行と透明感のある音色に虜になったことははっきり覚えている。
kiss kiss kissやBreaking downといったAnanda Projectの有名曲に共通して感じるのは、
スモーキー / 透明感、張り詰めた糸のような切迫感 / 脱力感、
ひんやりとした感触 / ぬくもり といった相反する印象を1曲の中で想像させる
何かがあるということ。
そして、そういった矛盾を秘めた存在に感じる、ある種の神々しさのような、
危うさのような魅力にとてつもなく惹かれてしまうということ。
いま聴いても全く古い感じがしない。
Hipness - Sleeve
ガラッと毛色を変えて、STEVIE WONDERの「AS」をネタ使いしたBreak Beatsの傑作。須永辰緒さんやMUROさんもMIXテープに入れてた気がする。
確か、わたしはこの曲でNorman Jayを知った。
「AS」やJeff Lorber Fusionの「Lift Off」をコラージュして、まったく違う曲に仕上がっているので、脳みそがぶるん!となる。
わたしの価値観として、「複数の曲から、例えばある曲からはボーカルトラック、一方からは伴奏トラックを取り出して、それらをもともとあった曲のようにミックスし重ねて一つにした音楽にするマッシュアップの方が、曲ごとにサンプリングしてつなぎ合わせて作られたトラックよりも、難易度高くて魅力的だよね」と思っていたのだけれど、
この曲を聞いて「すみません、改めます」と思った。
Daft Punk解散の衝撃
散歩中に聴いた曲を紹介する、という趣旨から外れちゃうけれど、けっこうな衝撃を受けたのはDaft Punkの解散のニュース。
以下の「Epilogue」というタイトルの動画でもって解散が発表されて、騒然となっていた。
iPodのCMでお馴染みのOne more timeにしてもそうだし、ミシェルゴンドリーが監督を務めたPVでも有名なAround the Worldにしても、とにかく誰もが一度は耳にしたことがあるアーティスト。
かくいうわたしも、アナログを全て買い集めるほどの熱心なファンではないけれど、2008年(あれ?2007年だっけ)の幕張での来日公演ライブに足を運んで、ステージ上に設置されたピラミッドなどの演出にも度肝を抜かれた。
90年代後半から2010年代までの音楽を総括するときには必ず語られると思うし、「ダフトパンクっぽい」という形容詞が形容詞として意味をなすくらい一般にも広く浸透しつつ、コアな音楽ファンにも根強く支持されていたと思う。
個人的には、ビースティーの活動休止と同じくらいインパクトの大きいニュースで、「ある時代が終わったんだな」という感慨も湧いた。
Epilogueの映像は2007年にカンヌにも出品された「エレクトロマ」のシーンを抜粋したものらしい。
エレクトロマ、まだ見てなかったから、ゆっくりみたいな。
来週はもっと春めいてくるだろうか。
日差しが強くなると、聴きたい曲も変わってきそうな予感がする。
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