以前エントリーに適応障害の回復を実感するための回復日記のことを書いた。
日々の生活の細々としたことや、自信回復のために、回復記録とは個別につけている生活記録帳のことについて、今日は書く。
回復日記とは
適応障害やうつ状態からの回復期は、少し症状がよくなったり、と思えばまた悪くなったり、三歩進んで二歩下がるではないが、山と谷を繰り返していくものらしい。1週間、1ヶ月というスパンで見ると少しずつでも着実に回復に向かっていても、谷の時期には3日前にできたことができなくなってしまったりする。
それが原因で、「ああ、やっぱりわたし、全然回復していないんじゃないだろうか」とか「こ間出来たことができなくなっている。もしかして、また症状が悪化しているのか」と不安になって落ち込んでしまう。
それを防ぐために、その日にできたことや、嬉しかったこと、よかったことを最低2つ、そしてあまりよくなかったこと・悲しかったことを1つ記録するのが回復日記の目的。ここ数日間ではなく、少し長期スパンでの回復日記を遡ってみれば、回復していることを自分2納得させることができるというわけ。
あまりよくなかったことについては、改善する手立てがある場合にはその方法を書いてみる。
例えば、わたしは近所のスーパーに買い出しに出るときに、買い忘れをしがちである。もともとうっかり者なので、適応障害の症状が出ていないときでも買い忘れはときどき起こるのだけれど、適応障害の症状が出てからは頻度が圧倒的に増えた。おそらく、短期記憶に使える脳のワークスペースが減ってるんだと思う。
そして、買い忘れをするとへこむ。その無駄な落ち込みを減らしたい。
なので、休職前に業務にも使っていたWunder Listというアプリに買い物リストを入れている。買い物に行くときではなく、冷蔵庫を開けて調味料がないことに気づいたとき、家事をしていて洗剤の残りが少ないことに気づいたとき、その都度、リストに登録しておく。
買い物に外出したときにはそのリストを見れば、買い忘れをしなくなるはず、という改善策も一緒にメモっておくといい。
要は不必要な落ち込みを極力減らすための仕組み作りをするかんじ。
余談だが、Wunder Listは一つの項目の中にサブタスクを作ることもできるし、タスクを期限を設定してリマインドすることもできるし、タスクを共有している他のメンバーに割り当てることもできる。なので、わたしは日用品・食料品のリストについては夫と共有して、仕事帰りに買ってきてもらったりもしている。
わたしは使い慣れているという理由だけでこのアプリを選んだので、タスク管理アプリとして使い慣れているものがあれば、それを使えばよいと思う。
生活記録帳について
回復記録とは別に、わたしは生活記録帳をつけている。休職して1週間経過したあたりから付け出した。
適応障害の症状として、日々のルーチンがこなせなくなる、というのがある。起床、食事、就寝の時間などの生活リズムが狂うということだけではなく、自分の身だしなみなどに全く気を使えなくなる。
実際、休職直前のわたしは週に2日程度しか風呂に入ってなかった。顔と足は毎日洗うけれど、あとは汗拭きシートが大活躍。(我ながら、女として云々という以前に、人間としてどうかと思う。夏場でなかったことだけが幸いである。)
自分をいたわるためのケアをする時間を削って、仕事にしがみついていたし、その仕事から解放されて帰宅すると疲労困憊で、風呂云々などすっ飛ばしてとにかく横になりたかった。(横になっても眠れないのだが、とにかく横になりたいのだ)
休職して1週間ほどして、適応障害の前兆というか兆候のようなものをまとめてみた(※)ときに、そういった日々のルーチンを後回しにしてしまっていたこと、そして気づけば肌もボロボロになっていることに気づいた。
※ 適応障害の前兆については以下のエントリー参照
sophy365.hatenablog.com
そこで、その日にやるべきことがどれだけできたか、生活記録のチェック表を作ることにしたのだ。
生活記録の作り方
作り方なんて言ってみたけれど、大したことはない。
日々こなすべき項目を行に記入し、列に日付をとり、できたことにチェックをつけていくだけである。
わたしの場合は普段からmoleskinの方眼ノートを愛用していたのでそれを利用して、できた項目には蛍光ペンでチェックを入れたが、それこそエクセルの表でもよいと思う。
お恥ずかしながら、わたしのはこんな感じである↓
記録している項目
基本的に、人間らしい暮らしになっているか、復帰に最低限必要な生活リズムを満たしているか、という観点で、以下のような項目を入れている。
- 起床時の気分(10段階評価)
- 起床時間
- 顔を洗う
- 朝食をとる
- 歯磨きをする
- 髪を整える
- 午前中の散歩
- 昼食
- 歯磨き
- 午後の散歩
- 夕食
- 歯磨き
- 入浴
- シャワー
- 体重を測る
- 日記をつける
- 便通(回数)
- 夜の気分 (10段階評価)
※ 睡眠の時間は睡眠計測アプリで記録しているので、割愛している。
sophy365.hatenablog.com
わたしは薬の飲み忘れはほとんどないのだけれど、飲み忘れがちな方は記録の項目に追加してもいいかも。
いや、リマインドしてくれるという意味ではWunder Listなどのアプリに登録したほうが便利かな?
項目は増えていく
上記の項目は、回復する過程で変更(基本的には追加だけど)していっていいと思う。
わたしの場合には、症状改善とともに項目が増えていった。ストレッチとか、ジョギングとか、食事をつくるとか、家事をするとか、植物に水をやるとか。
項目の増加は、気づきの範囲や興味の範囲、できることの幅の広がり、意欲の向上の証だと思う。
わたしの場合には、この30日間ほどでこんな項目が追加されていった。
- 家事関連
- 台所そうじ
- 皿洗い
- 洗濯
- 洗濯物をたたむ
- 洗面所掃除
- トイレ掃除
- 掃除機をかける
- クイックルワイパー
体力増強関連
- 起床後のストレッチ
- 8000歩ウォーキング
- 10000歩ウォーキング
- ジョギング
- 筋トレ
- 就寝前のストレッチ
その他 趣味関連
- 植木に水をやる
- 英語
- タバコ我慢(禁煙に失敗し再チャレンジ中…)
もちろん、全部をクリアする必要は全くない。洗濯なんて毎日する必要ないし、掃除機かけたらクイックルワイパーなんて不要。筋トレだって、ランニングだって、休息日が必要だし。
なんなら、英語はPod Cast垂れ流しで聞いてはいるが、ちゃんと勉強するほどの集中力はまだ回復していないので、その行はずっと空白である。苦笑
要はどんな頻度でどんな物に取り組めているか、継続が必要な物は継続できているのか、っていうが分かればそれでいい。
当然だけど、筋トレに夢中になって、就寝時間が遅れてしまったりすると本末転倒なので、Must / Better項目は自分のなかで明確にしておいたほうがいいと思う。
買い物リストと同じようにタスクリスト化しない理由
Wunder Listで買い物リストを管理しているなら、1日の生活記録も同じようにタスク管理アプリを使えばいいんでないの?という方もいるかもしれない。
でも、それは違うと思う。その理由は3つある。
1. 生活記録の項目はタスクではないから。Must項目はタスクと言ってもいいかもしれないけれど、Better項目はタスクではない。
2. 記録は過去の履歴を一覧で見られて、変化を可視化して、自信をつける目的のものだから。タスク管理アプリはそもそもタスクを完了させる目的で作られているから、完了フラグを立てたタスクは表示されなくなるし、完了しなかった物はずっと残ってしまうので、目的に合わない。
3. 1項目にも通じるところがあるけれど、生活記録の項目をタスクとして背負いこんで、プレッシャーを感じるようなことがあったら本末転倒だから。
記録してみた感想
良かった点
1. 基本的な生活リズムについて、診察を受けるときに答えやすくなった。最近はそうでもないが、休職した初期は、この一週間何時頃に起床していたか、何がどこまでできているかが、よく思い出せなかったりすることがあった。記録しておけば一発である。
2. できることが増えていくというのは、回復の証拠だし、項目を増やしたくなるのも回復の証拠。自分で思っているよりも、休職前よりもずいぶん真っ当な生活をしているじゃないか、自信が湧く。
3. わたしは休職してから最初の2週間ほど、何かをしなければいけない焦燥感に追われて、かといって何に手をすればよいのかわからない状態が続いたが、こうやってすべきことをリスト化しておくとそういった焦燥感が落ち着く。このリストを見て、今の気分に合うものをすればよい。
4. 散歩やジョギングについては、どうしても外出が億劫になりがちだが、歩数計アプリやランニングアプリとこの記録表を利用することで、ここ1週間ほどで習慣化してきたように思う。
悪かった点は今のところ特にないが、あえて言えばあまり項目をこなせなかった日に、今日はだらけてしまったなー、と感じることぐらいだろうか。
そういうときには、「疲れている日は、休息することがたいせつ。チェック表を埋めることが目的にならないように、以前よりも今のほうが自分のことを大切にできていると実感するためのツールということを忘れないように」と、自分に言い聞かせるように、わたし自身はしている。
記録することがすきな方や、そわそわして焦燥感だけ募るけれど何をしていいかわからない方、回復を実感できない方には、おすすめ。